不妊治療と流産を経て、緊急帝王切開で出産。私にとってベストなお産でした
私は不妊治療と流産を経て、息子を妊娠しました。長年の苦労が報われて、やっとの思いでした。
「今度こそ! 絶対にこの子は元気に産んでみせるんだ!」そう心に決め、体重管理や栄養、運動など、健康にかなり気を使って……。
しかし私のお産は、難産となりました。
出産予定日頃には子宮口が開き、おしるしもあって、私の気持ちの方も準備万端だったのですが……陣痛が起きる気配が全くなく、そのまま出産予定日を過ぎていってしまいました。結局、先生との相談で、「子宮内の状態が悪くなる前に産もう」となり、私のお産は誘発分娩で行うことになりました。
『陣痛誘発及び陣痛促進等を目的に使用される薬剤(引用:独立行政法人医薬品医療機器総合機構 資料より)』
アラームが鳴った途端、それまでほぼ一人で置いておかれた分娩室に、助産師さんや先生などがバタバタと何人も入ってきて、エコーや内診が行われました。私は「これは何か、お腹の子に異常が起きたのだ」とわかり、不安でしたが必死でいきみを逃しながら診断を待ちました。
※イラストはイメージです
『母体に対して最初横を向いていた胎児は分娩の進行とともに頸部を軽く前屈し、母体の背中を向く様に回旋します。この一連の機転が適切に行われないことを回旋異常と呼びます(引用:KOMPAS 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト「分娩」)』
健康に妊娠期間を過ごして、自然なお産をする。そうして元気に息子を産んであげる。そんな”ベストなお産”が理想で、まさか最後の最後でこんなことになるとは思いもしませんでした。しかしもはや、そんなことを言っていられません。自然分娩だろうと帝王切開だろうと、子どもを”無事に産む”という”ベストなお産”にはかわりはありません。
すぐ手術に同意して、誘発分娩を中止しました。
(ちなみにその頃、ようやく病院へ来た夫に同意書などを書いてもらいました)
その後、先生からは「早く出して良かった。アレはいくら頑張っても産まれないわ!」と言われました。
※イラストはイメージです
『赤ちゃん(胎児)の首にへその緒が巻いている(引用:済生会新潟第二病院 産婦人科「へその緒通信第135号」)』
どうやら、どれだけ”理想のお産”に向けて頑張っていてもどうしようもないところで、トラブルは起きてしまっていたようです。
出産とは本当に、最後の最後まで何があるかわからないのだと痛感したのでした。
不妊治療、流産、緊急帝王切開。
息子をこの手に抱けて、感謝の思いです。