ヨガですら膝が痛い!?久しぶりの運動の前にやっておきたい「膝ケアのための習慣」
「運動不足解消のために、久しぶりに運動をしよう!」と思い立ったとき、ヨガやストレッチを思い浮かべる人もいるのではないでしょうか? 息があがるほど激しいものではないので、「運動が苦手な人でもできそう」「健康によさそう」「準備がいらなさそう」というようなイメージがあるかもしれませんね。
しかしヨガやストレッチも急に始めれば、膝を痛めてしまう可能性があるそうです。20代~30代でも油断はできません。
スポーツドクターであり整形外科医である、稲毛病院の佐藤務先生は
『最近は、初心者向けのヨガやダンス、ストレッチなど、運動を始めたことがきっかけで膝の痛みや違和感が続き、受診される20~30代の女性がいます』
といいます。
体のためにと始めた運動で膝を痛めては元も子もありませんが、かといって運動不足のままであるのも問題です。久しぶりの運動をする前に、気を付けておきたいことはなんでしょうか?
私も膝痛予備軍?チェックリスト
佐藤先生によると、下記が2つ以上あてはまったら、膝痛が起こる可能性があるとのことです。運動不足が気になる人は、一度チェックしてみてください。
□まっすぐ立つと太ももと膝の間に隙間ができる
□ヨガやダンスなど軽い運動で膝が痛くなったことがある
□最近太ってきたもしくは元々太り気味
□日常生活で膝に違和感を感じることがある
□腰痛、肩こりを感じている
□運動不足解消のためにランニングなど運動をやってみたことはあるが続かない
また先生によると、膝は「横の動きに弱い」ため、気づかないうちに負荷がかかっているのだとか。
『膝は歩くときの動きである前後の曲げ伸ばしだけでなく、骨と靭帯、筋肉の連携によりわずかですが横に動かすことも可能な部位です。激しい動きでなくても、横の動きをすると、膝の左右にある側副靭帯に負荷がかかり、炎症を起こしやすくなります』
体重の3倍の負荷がかかる跳躍や、バランスが悪い体勢といった激しい運動でも膝への影響はありますが、ヨガやストレッチといったゆったりした運動でも、横の動きで膝に負担をかけてしまうこともあるのですね。
ヨガやストレッチをするとき、また日常生活で気を付けておきたいポイントはなんでしょうか?
膝通予防のために気を付けたいことは「脚の形」「お尻の筋肉を使うこと」
ヨガインストラクターの森脇じゅんさんは、「立つ、歩く、しゃがむ、階段の上り下りや駆け足など、ヨガやスポーツをする時、何気なく動かしている脚の使い方が膝に影響している」と語ります。
脚の形、使い方が膝に影響
森脇さんによると
『特に出産経験のある女性は、妊娠中に全身の靭帯が緩み、骨盤周りがアンバランスになり(俗に言う「骨盤が開いた」状態)、妊娠中や産後に膝が内側に入る癖ができてしまいます』
とのこと。正しい脚の形でない場合、スポーツをしているときだけでなく、日常生活でも膝に負担がかかるのだそうです。
<ひざを痛めやすい脚>
<ひざを痛めにくい脚>
『正しい脚の形は、直立した時、膝がまっすぐ正面を向き、優しく緩んでいること、動いた時に足の裏とお尻の筋肉をきちんと使えていることです。膝をまっすぐ正面、又は外側に開いて曲げることで、膝の痛み予防につながりますよ』
お尻の筋肉を使うことも意識したい
女性は男性に比べ筋力が弱く、股関節や膝周りが不安定になりやすいため、正しく脚を使えるようにお尻の筋肉を使えるようにしておくことも大切なのだそう。
『正しく脚を動かすためには、お尻の筋肉を使う意識を持つことが大切です。運動をするための準備としてのプレ運動を日々行うことで、脚を正しく動かせるようになります』
1日5~10分でできる!運動をする前の準備「プレ運動」
こちらは森脇さんが提案する、自宅で簡単に取り組むことができるおすすめヨガです。
【1】足裏トレーニング
座って行う足裏トレーニングです。足裏の筋肉を鍛えて、お尻の筋肉も上手に使えるようになりましょう!
<その1>
1. 息を吸いながら、かかとを突き出し、ふくらはぎを伸ばす
2.息を吐きながら、つま先を遠くに伸ばすようにして足の甲を伸ばす
※1、2を数回繰り返す
<その2>
1. 息を吸いながら、指をじゃんけんのパーのように開く
2. 息を吐きながら、足の指をグーに閉じる
※1、2を数回繰り返す
【2】骨盤揺らしヨガ
お尻のトレーニングをしながら骨盤の調整を行い、膝が内側に入る癖の改善を目指す運動です。
1. お尻を突き出し、腰を反らせる
膝を少しゆるめるように意識しながら、膝を軽く曲げます。
2. お尻を引き入れ、骨盤をスイング
骨盤を前後に数回ゆらします。
3. 膝を伸ばし、両手を合わせる
両手を胸の前で合わせ、数回呼吸を繰り返します。
【3】膝屈伸ヨガ
膝が内側に入りやすくなるのを防ぎ、更にお尻も鍛えます。
1. 握りこぶし2つ分くらいを目安に足を開く
2. 両手を腰に当て息を吸いながら、お尻を締めるように内側に引き入れる
3. 息を吐き、お尻を後ろに突き出しながら膝を90度に曲げる
※2、3を5回繰り返す
※膝を伸ばして元の姿勢に戻ったときに、膝を伸ばしきらずにゆるめておくことがポイントです。
それでも膝が不安な場合は、市販のサポーターを使用すると関節をある程度安定させてくれますよ。
3種類のヨガを行うときのポイント
・膝を伸ばしきらないこと
・足指でしっかり地面をつかむようにすること
・内股にならないようにすること
・お尻や太ももの後ろ側を意識すること
3種類の運動は1日5〜10分ほどで実践できます。毎日のちょっとした習慣で、子どもと同じように走り回ることができるかもしれません!? 健康でパワフルなママを目指しませんか?
文・Nao