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中高生の子どもへの「性教育」思春期のわが子へ 親が必ず伝えたいこと

※2018年12月時点の情報です。

高校生イメージ
中高生を取り巻く「性」について考えたことはありますか? まさにお子さんが思春期真っ只中という方はどのように子どもたちへ性教育を行ったらよいのかと、一度は考えたことがあるかもしれません。
Eテレ『ウワサの保護者会』「性のはなし、してますか? ~中高生編~」で実施されたアンケートによると、

番組内で女子高校生100人に調査
「好きな相手から体を密着される、キスなどの行為を求められて断りづらいと思ったことがあるか」
43%の女子が「ある」と回答

およそ4割の女子が、男子からの身体的な接触を断ることができなかったと答えたのです。このアンケートからは、好きな男子と一緒にいたい気持ちを大切にする女子に対して、男子はもっと直接的に態度や行動で示す傾向が垣間見え、性的関心をどのように表すかは男女で感覚が異なることが読み取れました。
しかし、多くの学校で一歩踏み込んだ性教育や男女の感覚の違いまでは教えていないのが現状のようです。中高生に対する性教育の実態の把握が難しかったり、ママ・パパが思春期の子どもへどのようにアドバイスすれば良いのか判断に迷ったりする保護者は多いかもしれませんね。Eテレ『ウワサの保護者会』に登場する専門家の意見もご紹介しながら、中高生への性教育を考えていきましょう。

中3に避妊教育は適切なのか、教育委員会「性交渉助長の恐れ」、専門家「行動慎重になる」

ある中学校で3年生を対象に行われた性教育が、学習指導要領を超えている、と教育委員会で問題となっていました。これに対して、ママスタコミュニティには、性の低年齢化が危惧されている現代において、避妊や人工妊娠中絶についてまで一歩踏み込んだ性教育をしてほしいという声が挙がりました。

『妊娠した高校生の退学問題とか大々的な問題になるくらいの世の中だから、早いうちからの教育はあって良いと思う』

『もっと現状というか、リアルを伝えないからダメなんだと思う』

『漫画見てみなよ、多くの少女漫画でセックスしているよ。そんなのを読んでいるのに、今更助長なんて。男子にもしっかり教えるべき。上っ面の性教育しかしないから子どもたちには響かないし、何も考えない』

『高校行かない子ども達だっているわけだから、義務教育の間に教えておく必要あると思う。中途半端な正しいか分からない知識をネットから知るよりは、正しい知識を学校で教えたほうがいいと思う。親が子どもに教えればいいって人がいるけど、親だってちゃんとした正しい知識を持っているか分からないから、学校で正しい知識を教える必要あると思う』

しかし一方で一歩踏み込んだ性教育は、子どもの発達段階に合わせたいという声もありました。

『子どもが高校生になって、何かの番組を見ていたときにたまたま性の話になった。中学のときに受けた性教育で、なぜそうなるのか一部意味がわからず、周りを見たら皆何も疑問に思っていない様子だったから、皆知っているんだ、と思っていたようで。結局、その謎が解けないまま高校生になり、この機会に聞いてきた。「学校でどこまで聞いているの?」と話をさせてから、私も話した。全てを反対するわけではないけど、うちの子の性教育は高校生になってからにさせたかった』

『具体的な性教育は各家庭でしてもいい気がする。大人数に対して一律の性教育をするから起きる問題であって、個々の発達段階を親が責任を持って見て、段階に応じて性差から性交渉、避妊、中絶まで話すべきかと。どのみち我が子が性につまずいたときに頼るのは親であって、学校の教師じゃない。そういうときに相談できる親子関係を作る意味でも。具体的な避妊方法は知っとくべきだよ。外出しが避妊法だと信じたり、安全日、コーラで洗浄だったり、ネットに溢れる安全性が確立されてない中絶薬やピル……。これらを学校の責任で習わせるのは無理がある』

『私は高1のときにかなり掘り下げた性教育の授業を受けさせられた。確かに大切な話をきちんと聞けて知ることができたのは良いことだったと思う。でもやっぱりそういう話に拒否反応っていうか、いろいろショック受けて気分が悪くなる子もいたから、性に興味を持つのと逆方向の生徒の気持ちを汲んであげることも必要だと思う』

現代の中高生に対する性教育と人工妊娠中絶の現状

日本の性教育に関しての学習要領は、中学1年生で男子は射精、女子は月経が見られるので、妊娠可能になること、中学3年生で性感染症の予防としてコンドームの使用が有効であることには触れています。しかし、性的接触という表現にとどまり、具体的な避妊方法や避妊具の使い方などを指導することは学習指導要領外としています。また、高校ではほとんど性教育に踏み込んだものではなく、結婚生活や健康についてのみでとどまっています。しかし、日本性教育協会の2017年の調査によると、高校生で性交経験のある男子は7人に1人、女子は5人に1人の割合です。そして、10代の人工妊娠中絶の件数は、年々減少しているものの、平成28年の統計では20歳未満の女の子1000人に対して5件行われています。望まない妊娠は親も子も悲しい結果となってしまいます。学校教育の現状だけでは伝わらない性について、家庭での話し合いが必要といえます。

参考:厚生労働省「人工妊娠中絶件数」
参考:日本性教育協会「わが国の性教育の現像と課題」

Eテレ「ウワサの保護者会」の専門家の意見

嫌なことは断って良いという価値観を持たせる

成長過程にいる子ども達は、まだ男女の感覚の違いが分かっていません。そのため、好きな相手から性的関心を直接的に求められたとき、女子は断りづらい状況になってしまうようです。嫌なものは嫌だと断って良いということ、嫌なものを認めない相手は自分のことを大切にしていないという価値観を持たせることが重要です。

性的画像は現実ではないので真似をしないように伝える

インターネットなどでも簡単に女性を大切に扱わない過激な性的画像が見られます。ネット社会の現代は、それを全てブロックするのは難しいです。ただ見てはいけない、というだけではなく、なぜ子どもに見て欲しくないのかを伝えるようにすることが重要です。これは妄想であり、出演している女性は金銭を受け取って仕事として演技をしているだけで、現実ではないこと。映像の真似をすると、女の子に嫌われると伝えると良いようです。

性交をお互いの「幸」か「不幸」で考える

片方だけが性交をしたい場合や、望まない妊娠や性病にかかることは「不幸」であることを伝えましょう。性で人生が変わることもあるのです。性交を「良い」「悪い」で判断するのではなく、「幸」か「不幸」で考えるように伝えましょう。相手のことを大切にして、自分のことを大切にする、お互いの人生の幸せをよく考えるように子ども達に伝えるようにしましょう。

親が真剣に子どもへ性の大切さを伝えることが重要

親が思春期の子どもへプライベートなことや性の話をするのは難しいですよね。しかし、性は人生が関わる大切なことであり、人と人のコミュニケーションであり、決していやらしいことではないのです。自分がされて嫌なことを相手に言ったり、強引な行動をしてはいけないと親が子どもに伝え、子ども自身が多感な時期だからこそしっかり耳を傾けることが大切です。お互いの意思を確認し合うことの大切さ、性の大切さをママ、パパが真剣に堂々と子どもに伝えていくようにしてみてはいかがでしょうか?

文・ゆかりんご 編集・横内みか

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参考トピ (by ママスタコミュニティ
中3に避妊教育…適切? 都教委「性交渉助長恐れ」 識者「行動慎重になる」