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厚生労働省が10代のインフルエンザ患者に対し「異常行動」への注意を呼びかけ

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先日、例年より早い9月にインフルエンザによる学級閉鎖が都内で発生したとお伝えしましたが、流行期に備え、インフルエンザの予防接種や予防接種の予定を入れている方もいらっしゃると思います。
そんな中、気になるニュースが飛び込んできました。厚生労働省が季節性インフルエンザ患者に対する「異常行動」への注意喚起の呼びかけを開始したのです。これから来る季節性インフルエンザの本格的な流行に備え、特に10代の子どもを持つママやパパへ異常行動に対する注意が呼びかけられています。

インフルエンザ患者の異常行動報告数が過去10季3番目の多さに

厚生労働省がインフルエンザ患者の異常行動に対し、急きょ注意を呼びかけた理由には報告数の多さがあげられています。2018年11月5日の段階で、インフルエンザ患者による異常行動の報告は95件。これは過去10季の中で3番目に多い報告件数となっているそうです。異常行動が多く発生していることで悲しい事故が起こってしまわないよう注意喚起を幅広く行い、看病をするママたちにもできる限りの対策を行ってもらいたいと考えています。

異常行動の95件中、94件が19歳以下という結果

今回10代のインフルエンザ患者に対する異常行動への注意喚起が行われていることは、95件ある報告数のうち94件が19歳未満だったことも強く影響しています。年代別でみると9歳と13歳が最も多く12件報告されています。男女の割合は男性が63%、女性が37%となり、この数値からみえてくるのは10代の男児に異常行動が多く見受けられる傾向があるということです。これまでもインフルエンザ患者については、小学生から中学生の男児に異常行動が出やすい傾向があったため、医療機関などでも保護者への注意喚起が行われていました。しかし女児でも異常行動が発生していますので、小学生から中学生のお子さんを持つママは、男女問わず子どもがインフルエンザに罹った場合の異常行動に対する対策をしっかりと確認しておきましょう。

異常行動が起こる原因は「抗インフルエンザ薬」だけではない

インフルエンザで異常行動が起こる原因については、病院から処方される「抗インフルエンザ薬」が原因だと思われがちなのではないでしょうか。しかし抗インフルエンザ薬と異常行動との因果関係は認められないという報告が厚生労働省から出されていて、10代への投与が制限されていた「タミフル」が2018年5月より使用できるようになっています。つまり、抗インフルエンザ薬を飲んだからといって必ずしも異常行動が起こるわけではないということを覚えておいてください。

抗インフルエンザ薬を飲んでいない、または「タミフル」以外の薬でも異常行動

注目すべきは「抗インフルエンザ」薬を服用していないにもかかわらず、異常行動を起こしてしまった数が95件中16件もあったことです。さらには異常行動を起こす代表格として広まってしまった「タミフル」服用後よりも、小児によく使われる「イナビル」服用後のほうが異常行動を発症した報告数が多い点も見逃せません。ちなみに、インフル治療薬の種類別の報告数は「イナビル」が26件、「タミフル」が23件でした。

医師から処方された薬は自己判断で止めずに服用しよう

異常行動を恐れるあまりに、処方された薬を服用しなかったり、服用を拒むといった声もあるようですが、抗インフルエンザ薬だけが異常行動の原因ではありません。むしろ適切に処方された抗インフルエンザ薬を飲まないことで別の病気を引き起こしたり、異常行動を起こしてしまう可能性も否定できないのです。ですので、インフルエンザに子どもが罹った場合、異常行動を起こさせないためにと自己判断で薬の服用を中止するなどは避け、お医者様の判断に従うようにしてください。

インフルエンザ患者の異常行動と対策について知る

『インフルエンザA型でしたが、言動と目線がおかしくて救急車呼びました』

『病院から帰り数時間後、血相を変えてリビングにきて変な夢を見たのか訳が分からずおかしな言動を繰り返していました』

『寝てたかと思ったらいきなりゲラゲラひたすら笑ってまた寝始めた』

『夜中いきなりバッと目を覚まして天井の電気を指を指しながら異常に怖がって怖い怖いと怯えまくってた』

ママスタコミュニティにもインフルエンザに罹った子どもたちの異常行動がどのようなものだったかについて声が寄せられていました。どれも突然起こるため対処も大変です。ママたちは子どもの異常行動が起こってしまう万が一に備えておかなければいけません。

異常行動による重大な事故を防ごう

過去に10代のインフルエンザ患者の異常行動による転落死亡事故があったことから、厚生労働省では異常行動による事故を防ぐための情報を公開しています。その情報以外でも、多くの医療機関や報道の中で「発熱後2日以内は目を離さないように」と注意喚起を行っていますので、発熱後、または医師から診断後少なくとも2日以内は、異常行動に伴って生じる転落などの重大な事故が起こらないように注意してください。

『夜中寝ていたのに突然階段をダッシュで駆け下りてきてソファにダイブしてまた寝た』

筆者の友人のお子さんもインフルエンザと診断されたときに、ママが何度止めても階段を飛び降りようとして困ったと話していました。このような異常行動についてママたちは、インフルエンザに限らず「熱せん妄」と呼ばれる高熱を伴う異常行動も可能性としてあげられると話していました。

事故を防止するためにできること

・玄関や窓などの全てのカギを完全に施錠する
・窓に格子がある部屋があればその部屋で寝かせる
・ベランダに面していない部屋で寝かせる
・一戸建てに住んでいる場合は極力1階で寝かせる

これらは厚生労働省が紹介している、異常行動による事故を少しでも減らすための対策です。目を離さないことも大事ですが、片ときも子どもから目を離さないでいることには限界があります。そこでまずは、窓やドアを開けて家の外に飛び出してしまわない対策を優先し、あとは家の中の危険な個所をチェックしたり、床に物が落ちていないかなどにも注意するといいでしょう。

異常行動によって起こる事故から子どもたちを守ろう

10代の子どもたちをインフルエンザによる異常行動から守れるのは、保護者であるママやパパたちです。悲しい事故が起こらないようにできる限りの対策を施し、目を離さないようにしてあげてください。正しい知識を持ち、対策と対処をしてあげることが子どもたちを守るための最善の道となることでしょう。

文・櫻宮ヨウ 編集・横内みか

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参考トピ (by ママスタコミュニティ
インフルエンザB型の薬で異常行動に…
インフルエンザ異常行動