天然パーマの子どもには苦労がいっぱい……ママが子どもに伝えるべきこととは?
くるくるふわふわの天然パーマの赤ちゃんや小さい子どもってかわいいですよね。筆者の長女もきれいな天然パーマで、髪をブラシで整えるだけで縦ロールになります。けれど、そのかわいい髪ゆえに、さまざまな苦労もありました。
知らない人に声をかけられるのは日常茶飯事!時には説教されることも
長女が小学校に上がる前くらいまでは、一緒に出かけると必ずと言っていいほど知らない年配の女性に声をかけられていました。
「この髪はパーマをかけているの?」
「天然パーマ? かわいいわね」
などと褒められることも多かったのですが、そういうときばかりではありません。
「こんな小さい子にパーマなんかかけてかわいそう!」
「本当にあなたたち夫婦の子?」
などと時には知らない方にお説教されたり、親子関係を疑われたりしました。
髪をけなすお友だち……。でも、悪気があるわけではない?
長女が年少になった頃、同じ保育園の年中や年長の女の子の間でくるくるのかわいい髪が話題になったそうです。
「かわいいね! どうやってるの? 毎朝巻いてるの?」
「お姫様みたい! 私もパーマかけたい!」
小さくてもさすが女の子。かわいいものには目がないようです。
しかし、同じ時期に天然パーマに対して否定的な態度をとる子もいたようです。時々、入浴中や寝かしつけ中に「今日あった嫌なこと」として、友だちに髪をけなされたという話をしていました。
「もちゃもちゃの髪~!」
「髪の毛、ぐちゃぐちゃ! 変なの!」
普段は男の子とも仲良く遊んでいるのですが、雨や汗で髪が乱れてしまったときに、年少の男の子中心に言われたそうです。どうやら、男の子はくせ毛がいつもよりくるくるであることを表現する言葉を見つけられず、出てしまったようです。
ただ、長女はとても落ち込んでしまい、保育園の先生にも言えず、思い悩んでしまっていました。
子どもを守るためにママができることは?
天然パーマの子どもは親の見ていないところでも髪をけなされたり、人と違うことで否定的な言葉を言われたりすることがあります。親が近くにいる場合は対応することもできますが、子どもが大きくなるにつれて子どもだけで行動することも増えますし、子どもも何でも親に相談することもなくなります。
子どもが友だち同士の関係の中で、見かけが違うことで仲間外れにされたり、髪を否定されて傷ついたまま悩んだりしないように、筆者はこんなことを心がけてきました。
味方を作ってあげる
筆者自身、自分のくせ毛に劣等感があり、長い間縮毛矯正をしていました。子どもは筆者以上の天然パーマでした。
劣等感を抱いたまま大人になってほしくないという気持ちから、自分の髪に自信を持たせるため、徹底的に長女の髪を褒めて褒めて褒めまくりました。そして「くるくるの髪を大切にしようね」「パパとママから受け継いだとても素敵な髪」「(髪がカールしているアニメのキャラクターや芸能人と)一緒だね」と伝えてきました。
筆者も縮毛矯正をやめました。長女以外にも髪がカールしていたり、茶髪や金髪だったりする人がたくさんいて、決して黒髪でまっすぐな髪の人だけではないことも教えました。
また、保育園や小学校の先生に髪を褒めてもらうようにお願いしました。大人が髪を褒めることによって、お友だちも肯定的な気持ちを持つことができます。家族以外の大人から髪を褒められることで、長女も自信につながりました。そうやって長女の心理的な味方を増やしていきました。
逃げ場をつくる
面と向かって髪をけなされたときには、このような順で対処するように子どもに伝えました。
2. すぐ近くにいる味方の友だちに助けを求める。
3. 近くにいる信頼できる大人に助けを求める。
4. 家に帰ってきてから、ママに伝える。
長女の天然パーマはもって生まれたものなので、これからもずっと付き合っていかなければなりません。嫌なことを言われたらその場で自分で対処できるようにならなければなりません。しかし、どうにもならない場合はママを最後の逃げ場所にすることで、何かあったときでも安心して対処できるようにしました。子ども一人では対処しきれなかったり、対処方法を間違ってしまったりしたときでも、一人で思い悩まずに「いつでもママに相談できる」「ママが一緒に対処してくれる」「守ってくれる」と思えるよう、日ごろから子どもの髪の手入れをしながら話をしたり、かわいい髪形を一緒に考えたりコミュニケーションをとるようにしてきました。髪について何度もからかわれて長女が嫌な思いをしたときも二人きりの時間を作って、しっかり向き合って話を聞き、一緒に対処方法を考えたり、保育園や小学校の先生に手紙を書いたりしました。
ママだけではなく、周りの人ができるお手伝いはあるの?
天然パーマの子どもは他の子と髪型が違うことで悩んだり、劣等感を持っていることがあります。もし、身近に天然パーマのお子さんがいたら、是非褒めてあげてください。家族以外の大人にも褒められることは自信につながります。また、大人が褒めることで周囲の子どもたちも肯定的な気持ちで天然パーマを受け入れることができます。
天然パーマは特別なことではありません。しかし、ほかの子どもと見た目が少し異なることでさまざまな葛藤や不安を抱えていることがあります。どんな子どもでも温かく受け入れられる環境を、大人が作ってあげられるといいですね。
文・kuro81 編集・山内ウェンディ イラスト・Ponko