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厚生労働省が30~50代男性を対象に「風しん抗体検査の全額負担」の方針を固める。首都圏中心に全国でも風しん感染が拡大

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関東地方を中心に全国的に感染が拡大している「風しん」ですが、みなさんはご自身が風しんの抗体があるかどうかをご存じでしょうか。「国立感染症研究所」の2018年9月26日の発表によると、2018年の累積患者数はすでに770人となり、前週の642人から1週間で128人も増加しています。これは2013年・2012年に次いで3番目に多い報告数となっています。この大流行にまったをかけるべく、厚生労働省が新たな対策をおこなうこととなりました。

感染リスクの高い30~50代男性への「風しん抗体検査」費用を補助

2018年9月、厚生労働省は風しんがあるかどうかを調べるための「抗体検査」の費用について新たな方針を固めました。対象は感染リスクが高いといわれている30~50代の男性で、来年度から「抗体検査」の費用を国と各自治体が半分ずつ負担することで全額補助を実現する方針です。また、9月下旬までの風しんによる累計患者数は700人を超え、患者の約7割が「風しん抗体検査」補助の対象となる30~50代の男性が占めています。

なぜ30~50代男性は感染リスクが高いのか

現在は、男女ともに幼児期に風しんワクチンを定期予防接種で受けることになっていますが、1977年8月~1995年3月までは中学生の女子のみが定期接種の対象とされていました。1990年4月2日以降に生まれた男性は風しんの予防接種を2回受ける制度に変更されましたが、それ以前に生まれた男性は、予防接種を1回または一度も受けたことがない状態だといいます。しかし、予防接種を1回受けたからといっても免疫がつくには不十分なので、2回の接種が必要です。特に風しんの感染リスクが高いとされている30代~50代の男性は、定期接種が1度もしくは全くないため、風しんの抗体がない可能性が高いと懸念されています。年代的に妊娠中の妻を持つ夫や、妊婦の父親になってもおかしくない世代であるともいえるでしょう。これ以上の風しん感染拡大を食い止めるには、30~50代世代の男性が風しんの抗体を持つことが重要なのです。

ワクチン不足の打開策として「抗体検査」の全額補助

風しん感染患者を減らすための新たな取り組みですが、現状では風しんワクチンには数に限りがあります。そこでまずは対象となる年代の男性に風しんの抗体検査を受けてもらうことを目標としています。そのために対象者の「風しん抗体検査費用は無料(全額補助)」が打ち出されたのです。来年度の実施に向けてワクチンの十分な量の確保が求められるのと同時に、通常6千~8千円程度かかる風しんワクチンの接種費用に対する補助も望まれます。

風しんの感染は妊婦・胎児に影響を及ぼす危険がある

なぜこれほどまでに風しん抗体検査や予防接種について声高に叫ばれているのかというと、妊娠中の女性が風しんに感染してしまうリスクを少しでも減らすためです。妊婦さんは風しんのワクチンを接種することができません。もし妊婦さんが風しんの抗体がないとなると、お腹の胎児が「先天性風疹症候群(CRS)」を発症する可能性がでてきます。「先天性風疹症候群(CRS)」を発症した胎児は心臓や目、耳などに障害が起こるといわれています。胎児を守るためにも同居する家族だけではなく、みんなで風しんに対する予防の意識を高めていかなければいけないのではないでしょうか。そのために少しでも早く抗体検査をうけ、風しんの抗体があるかどうかを見極める必要があります。

小さな命を守りたい!抗体検査とワクチン接種で流行拡大を食い止めよう

風しんの感染流行が起こるたびに、抗体検査の必要性やワクチン接種について広く呼びかけられてきました。風しんの母子感染を防ぎたい、小さな命を守りたい。そのためには自ら動く必要があるのではないでしょうか。まずは抗体検査をうけること、それは大きな第一歩となるはずです。来年、抗体検査費用の補助対象となる30~50代の男性が身近にいらっしゃれば、抗体検査を受けてもらえるよう積極的に声をかけてみませんか? 妊婦さんや赤ちゃんを守るために私たちができることから始めていきたいですね。

文・櫻宮ヨウ 編集・木村亜希

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