小学生からできる身近なボランティア活動って?知っておきたい「消防少年団」「交通少年団」とは
子どもを「ボランティア活動」に参加させたことはありますか。自然災害などで現地での精力的な支援を想像すると、もしかしたら敷居が高いものに感じてしまう人もいるかもしれません。
そもそもボランティアとは人に強制されるのではなく、自分の意志で他人や社会のために無償で貢献することを意味します。例えば、身近な地域の清掃行事や夏休みのラジオ体操のお手伝いなどもボランティア活動といえるでしょう。
ところで、小学生から地域に密着したさまざまなボランティア活動ができる「消防少年団」や「交通少年団」を知っていますか? これらの団体は小学校から参加でき、幼い頃からボランティア精神を学ぶことができます。この2つの活動を中心に紹介するとともに、子どものボランティア活動について考えてみましょう。
「消防少年団」は最寄りの消防署と連携して活動
例えば、東京の消防少年団について見てましょう。
『消防少年団は、消防の仕事や火災予防に関心のある小学校1年生から高校3年生までの男女の団員と団員の育成に熱意を持った、ボランティアの指導者によって結成されています。
東京消防庁管内では、地域の消防署ごとに80の消防少年団があり、みんな楽しく元気に活動しています。』参考:東京消防庁「消防少年団に入ろう!」
消防少年団(Boys and girls fire club.)、略してB.F.Cの活動は月に1、2回。最寄りの消防署で規律訓練を行ったり、街頭で防火活動などのPRをしたり、老人ホームの慰問に行くこともあります。親は準指導者という立場になり、子どもたちの付き添いや活動の手助けをできる範囲で行うこともあるようです。
消防少年団の活動の大きな特徴は、小学校低学年から高校生まで一緒に活動をすることです。上級生は下級生の面倒を見たり、下級生は上級生に認められるように一生懸命、活動をしようと努力することが自然と求められます。実際の活動では団員たちが互いに協力し合って活動する姿が見受けられ、子どもたちの協調性や自律性を育む良い機会となるでしょう。また街頭で防火活動をすることで防火意識も高まり、火の取り扱いにも慎重になることも期待されます。さらに応急救護訓練や初期消火訓練など、活動に参加することで貴重な体験ができます。なお活動にかかる費用は実費で、少年団によって多少の差があるようですので、事前に確認するのがよいでしょう。
「交通少年団」は交通事故防止への意識が高まる
一方、交通少年団は例えば東京の場合、都内の交通安全協会で結成されています。地方でも活動を実施しているところもあります。
『交通少年団とは、訓練や活動を通じて、子どもたちに交通のきまりとマナーをしっかり身につけさせて、「やさしさと思いやりのある心」を持った人間作りを目指しているものです。
そして、団の活動を通じて周りの人々に交通安全を呼びかけ、交通事故の防止を図っています。』参考:警視庁東京都での交通少年団の活動は月に1回程度です。少年団の指導者や警察官などの指導で交通安全教室に参加したり、街頭で交通安全のPRをしたり、歩道や公園のゴミ拾いなどの清掃活動や高齢者施設を訪問するなどの活動を行っています。
なお筆者の子どもたちが参加していた頃の情報なのですが、団員は小学校3年生から6年生までの男女が参加可能で、低学年を受け入れている少年団もありました。さらに親の参加は必須ではないものの、付き添いはできましたよ。当時の会費は無料でしたが、事前に確認することをおすすめします。子どもをボランティア活動への参加は成長のためにも有意義
小学生のうちからボランティア活動などに参加させることは、子どもたちの成長のためにも意義のあることです。とはいえ子どもたちは塾や習い事などで忙しく、ボランティア活動を体験する機会はなかなかないのが現状かもしれません。であれば貴重な体験活動ができる「消防少年団」や「交通少年団」を知っておけば、今後役に立つときが来るかもしれません。幼い頃からボランティア精神を養い、身近なボランティア活動に触れる機会を持つことは、お子さんの将来の財産になることでしょう。
文・中村美樹 編集・横内みか