仕事がない土曜日、保育園へ子どもを預けていいのか迷った私の決断とは
3人目を出産して職場復帰後、部署異動になった筆者。仕事でヘトヘトな中、3人の娘と過ごす土曜日が憂鬱でした。育児に休日はないことは分かっていても、小学生の長女と次女の習い事への送迎、その合間に1歳半の三女にお昼ご飯をあげたり、車で病院へ連れて行ったり。「これなら働いている平日の方が楽かも」と思うこともしばしば。
1歳半の三女は平日も休日も関係なく、朝6時に目を覚まし、しばらくすると「お腹すいた〜のど乾いた〜」と言わんばかりに泣きだします。筆者がゾンビのように起きてはヨーグルトやバナナ・パンといった調理をしなくても食べられるものを食卓に並べていると、土曜出勤の旦那が一言。
「土曜日も保育園開いているんだろ? だったら預ければいいのに」
その一言により、夫婦で大論争が勃発しました。
妻:「親が休みなのになんで保育園に預けるの?」
夫:「保育園に預けたら休めるのに?」
妻:「土曜日まで保育園に預けたらかわいそうでしょ!」
夫:「疲れて構ってあげられないなら保育園の方がいいだろ!」
土曜保育を巡って、実は筆者にはトラウマがあったのです。
10年前、保育園の入園式 園長先生の言葉「土曜は預けないで」
今から10年前、長女の保育園の入園式でのこと。園長先生が「お父さん・お母さん、土曜日はお仕事で疲れているかもしれませんが、子どもも疲れています。保育士も疲れています。仕事がお休みならば土曜日は保育園にお子さんを預けないでください」とハッキリ言われました。
「確かに、子どもも保育園ではがんばっている。私が週6日で働いたらしんどいのと、子どもも同じだよな」「保育士さんだって子どもの相手ばかりしたら疲れてしまう。それが原因で保育園の環境が粗悪になったらいやだな」と園長先生の言葉に納得し、筆者も土曜は頑張って家庭で保育をしようと心に決めていました。
しかし数か月後、繁忙期になり土曜出勤を余儀なくされ、いつものように保育園へ連れて行くと、普段は優しい保育士さんから「土曜日預けるときは前もって連絡をいただかないと……」と少し迷惑そうな表情で言われました。そして翌週も仕事になったので前もって連絡すると「毎週土曜日仕事ですか?」と、今度は仕事かどうか疑うような質問を投げかけられました。それ以来、土曜日に保育園へ預けることはできなくなりました。
旦那「一度先生に聞いてみたら?」
旦那に10年前のことを話すと、「でも保育料もちゃんと納めているし、預ける権利はあるだろう?」と言われました。確かに、旦那の言うことにも一理あります。ただ、昨今の保育園は長時間開園せざるを得ない上に、保育士不足という事情が。「預ける権利があるんだから預けたっていいでしょ!」という気持ちにはなれませんでした。
旦那は「一度、先生に相談してみたら?」と言います。そこで思い切って三女が通う保育園の園長先生に「土曜保育は迷惑でしょうか?」と聞きました。すると園長先生から意外な答えが返ってきたのです。
今の園長先生の言葉「ママの笑顔が一番!」
園長先生は、今どこの園も保育士不足であること、土曜日のシフトを組むのが大変なことなど、本音を話してくれました。その後「でも、子どもにとってママの笑顔が一番! マッサージに行きたい、美容室に行きたいという理由でもママが笑顔になれるなら園は土曜日でもお子さんを預かりますよ」と言ってくださったのです。
基本的には「保育に欠ける」つまり、保護者が仕事や介護などで子どもを見られない場合に保育をするのが保育園です。でも今の園では、ちゃんと理由を伝えれば預かってくれるとのことでした。ただし、園長先生は保育士と給食を確保しなければならないので、前もって連絡をすること、嘘ではなく本当の理由を話してほしいと仰っていました。
それから筆者は何度か土曜保育にお世話になり、歯医者や美容室に行かせてもらっています。筆者の場合、頼れる両親が近くにおらず、保育園だけが頼りです。土曜保育を頻繁に利用しているわけではありませんが、土曜日に少しでも自分の時間が作れるだけで、私は笑顔が増えた気がします。
保育士不足といわれる時代、土曜日に運営する難しさを抱えながらも「土曜日も預かりますよ」と手を差し伸べてくれた保育園には、とても感謝しています。
※すべての保育園が土曜保育に対応しているとは限らないのでご注意ください。
文・ないちゃーよめ 編集・しらたまよ イラスト・Ponko