魔のイヤイヤ期やぐずっている子が笑顔に変わる「絶対音感」の効果とは
「積み上げていたブロックが倒れた」「靴がうまくはけない!」という日常の些細なことで、スイッチオン。大泣きモードに入るわが子にヘトヘトになっているママもいるのではないでしょうか。「言葉がうまく話せない幼少期に絶対音感を身につけるレッスンで音がわかるようになると、ぐずることが減ります」と話すのは、一般社団法人 絶対音感コーチ学会代表理事の鬼頭敬子さん。詳しくお話を伺いました。
自分の気持ちを伝えられなくて大泣き
言葉を覚え始めた2歳から3歳の時期は、まだまだボキャブラリーが少なく、なかなか思ったことを言葉にして伝えられません。そのため「せっかく上手に積み上げられたのに、あと少しのところでブロックが倒れちゃって嫌だった」「本当は自分で靴を履こうと思ったのに、上手にはけない!」となり、大泣きすることもありますよね。
「魔の2歳児」といわれるイヤイヤ期は、お母さんにとってはなにかと大変な時期だと思います。こんなとき、つい「これがしたい? あれがいやだった?」と理由を聞きだすような言葉かけをしがちですが、子どもからしたら「違う、違う! もう全部いやー!」となってしまいます……。こうなったらもうお手上げ状態です(笑)。
理由を聞くより興味をそらすことが大切
こんなときは、「なにがいやなの?」と理由を聞くよりも、まったく違うことに目を向けると効果的です。たとえば遠くを指さして「あれ、何だろう?」といったり、お気に入りの音楽をかけてみたり。
そんな幼少期に「絶対音感」を身につけるレッスンを行えば、子どもはぐずることが減り、ニコニコと嬉しい表情を多くするようになります。「絶対音感」は、生まれつきではなく、6歳までにレッスンを始めれば誰でも身につけることができます。音楽を習ったことがないというお母さんでも「1回1分」でできる簡単なレッスンです。
「絶対音感」が育つと脳が急速に発展する
著書『子どもがどんどん賢くなる「絶対音感」の育て方』(青春出版社)でも紹介していますが、「絶対音感」を育てる1回1分のレッスンを親子で繰り返すだけで、子育てがとても楽になります。そして「音」がわかることで、大好きなお母さんから「すごいね!」と心からほめてもらえるようになり、嬉しくてたまらなくなります。また、同時に自信もついてきます。
さらに、この「音」を覚えていくと、脳は急激な発達をしていくため、より言葉の理解力が深まり、身に付くのです。それによって「魔の2歳児」から早く抜け出せたことを感じられるようになるかもしれません。
幼児期に「絶対音感」を身につけることで自分の中に「音」を持つと、「聴覚」のほかにも「嗅覚」「味覚」「触覚」「視覚」の五感が鋭くなります。それにより才能が開花し、子どもにとっても楽しく嬉しいことなのです。
音感が伸びるとコミュニケーション能力がアップ
また、「音」は、天候や自分の体調によって聞こえ方が変化します。そんな些細な変化に気がつけるようになったら、会話から相手の感情などを読み取ることができるようになります。そんな些細な変化に気づけるようになると、人が発した言葉の意図を「音」の違いから察知できるようになります。それによって自然とコミュニケーションがうまく取れるようになるのです。
なにかと大変な「イヤイヤ期」も、すぎてしまえば懐かしく思えるもの。「イヤイヤが大変」というときは、日常にある「音」に意識を向けさせるなどして、上手に乗り切ってください。
取材、文・長瀬由利子