6歳までの子どもなら誰でも身につく「絶対音感」レッスンとは
「幼少期に聴く力(=耳)を育てると、子どもの集中力・記憶力・語学力・計算力・創造性が育ちます」と話すのは『子どもがどんどん賢くなる「絶対音感」の育て方』の著者であり、一般社団法人絶対音感コーチ学会代表理事長でもある鬼頭敬子さん。子どもの「聴く力」とは、どうやって伸ばしたらいいのでしょうか?
「聴力」が鍛えられるとIQのアップも
子どもの脳が発達する6歳までに、五感の1つである「聴力」を鍛えると、自然と嗅覚・触覚・味覚・視覚の感覚も刺激されます。それによって、IQや記憶力が上がったり、語学力や集中力が身につくなど、さまざまな「才能の呼び水」になるのです。この「聴く力」を育てるためにはどうしたらいいかというと、1回1分ピアノの音を聴かせるだけ。6歳以上のお子さんの場合は「絶対音感」ではなく、基準となる音との相対的な音程差によって音の高さを識別する「相対音感」が身につきます。具体的な方法についてお知らせします。
1回1分、1日に4回レッスンを行うだけで、絶対音感が身につく
「鬼頭流絶対音感メソッド」をやってみたいという方のために、レッスンを始めるにあたり用意するものと、レッスンを行う上でのルールをお伝えします。
ルール1 ピアノとA5サイズのカードを用意する
ピアノ
コードを弾くための電子ピアノ、または調律されたピアノを用意してください。ピアノが高価で手が届きにくいという場合は、3万円ほどのYAMAHAのキーボードなどでも大丈夫です。ただ、絵本についているおもちゃのピアノなどは「絶対音感」を身につけるうえでは適さないので、本物の楽器を使ってください。
カード
レッスンでは、A5サイズに切った画用紙(148㎜×210㎜)を使います。カードの表面には、コード名・音名を書きます。裏面は白紙になっているのでお子さんの好きなキャラクターや 写真、イラストを貼ってください。お母さんの手作りはとっても喜びます。
ルール2 レッスンは1回1分、1日4回
レッスンは1回1分、1日4回(基本は、朝・昼・夕方、寝る前)を推奨していますが、保育園や幼稚園へ行っているとお昼はできないことがあります。そんな場合は1日3回でも大丈夫です。
ルール3 “お母さん先生”としての心構え
先生と生徒という意識でレッスンを行います。その際に笑顔で行うこと。お母さんが楽しい表情でコードを弾いているだけで、お子さんは楽しくなり、音の記憶が良くなります。逆に、「本当にこれで身につくの?」と不安を抱くと、お子さんの音の記憶スピードが格段に下がってしまうので、注意してください。
レッスンの流れ
1、始まりのごあいさつ。日常とレッスンを線引きするため、あえて「よろしくお願いします」というあいさつをしてからレッスンスタート。
2、お母さんはCコード(ドミソ)のコードを子どもに見せながら「ドミソ」の音を弾きます。そして「C」とコード名を一緒にいいます。最初はインプット期なので、聴かせるだけでOKです(3週間ほどのインプット期が終わったら、カードを並べて、お母さんが弾いた音を子どもにかるたのように取ってもらいましょう)。
3、1分間繰り返してレッスンは終わりです。
4、最後に「ありがとうございました」と終わりの挨拶をして、先生からお母さんへ戻ります。
幼少期のお子さんは、「レッスン」というもの自体がわかりませんが、毎日続けるうちに自然にわかるようになります。1日4回のレッスン後は、今日のレッスンの様子を「Cコードをやった」「ド・ミが答えられた」など、1行ほどで記録しておきましょう。レッスンを繰り返すことで、自然と子どもの「聴く耳」が育ち、「絶対音感」が身につくのです。
「絶対音感」はあらゆる世界への「才能の呼び水」
「絶対音感」は、6歳までのお子さんであれば、誰でも身につけることができる能力です。その能力を活かせるものは、音楽だけではなく、リズム感が必要なスポーツや学力など、あらゆる世界への「才能の呼び水」となります。
私自身も幼少期に「絶対音感」を身につけたことで、学習や習い事の習得が早く、いろんな場面で助けられたように思います。もし、「我が子の能力をぐんぐん伸ばしてあげたい」というお母さんがいたら、1回1分の「鬼頭流絶対音感メソッド」を実践してください。子どもの将来のため、今の1分をレッスンにあててみてはいかがでしょうか。
出版社:青春出版社
価格:1,404円(税込)
取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ