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親が働く姿を見せたり、話したりすることで、子どもに起きる「良い効果」とは #ママが知りたい子どもの教育

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「子どもに働いている親の姿を見せるといい」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。親が働く姿を見せることで、どんな効果があるのでしょうか。お母さんが集まるコミュニティ事業『てらこやクロス』の主催者であり、2児の父親でもある櫻井俊輔さんにお話を伺いました。
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子どもは、働くことの大変さを理解していない

「この消しゴムも鉛筆も、お父さんとお母さんが一生懸命働いてもらったお金で買ったんだよ。だから大事に使おうね」。
よくある家庭での会話。親からしたら「一生懸命働いて買ったものだから大切にしてほしい」という思いで伝えているのでしょうが、子どもとしては親が働いている姿を見ていなかったら、どれだけ働くことが大変なのかはピンときません。それどころか

「一生懸命働いているといっても、お父さんは家でビールを飲みながら、スマホばかりいじってる」「お母さんは、いつも忙しい、としか言わない」

そんなふうに感じている子もいるかもしれません。

あえて子どもに「仕事の話」をすることも必要

うちでは、私も妻も家で仕事の話をします。妻はお店でレジの仕事などをしているのですが、「今日はこんなお客さんが来て大変だった」「お母さん、レジリーダーをやっているんだけど、新人の人が入ったから一から教えることになってね」という何気ない会話をよくしています。

子どもたちが学校が休みのときは、よくみんなで妻の職場に買い物に行って、働く姿を見せたりもしています。「今日はお店が混んでいて、お母さん大変そうだね」「レジ以外にも、商品の品出しとかもするんだね」など、妻の仕事について子どもたちといろいろと話をします。

また、私の職場につれてきてお客さんに配るパンフレットを作るのを手伝ってもらったり、セミナー会場のセッティングを手伝ってもらうこともあります。

働く姿を見せることで子どものやる気に火をつける

親が働く姿を見せることで、子どもは「仕事って大変なんだな」と思ったり、逆に「楽しそうだな」と感じたりすることでしょう。また「働いてお金をもらう」ことについて、子どもなりに真剣に考えるキッカケにもなります。

また、お父さんやお母さんが一生懸命働いていることが伝わることで、子ども自身にも変化が出てきます。自分から机に向って宿題に取り組む、家のお手伝いを積極的にやるなど、子どもにも「親ががんばっているから、自分もがんばろう」という気持ちがうまれるのです。

機会があるごとに、お父さん、お母さんの働いている姿は、何度か見せてあげるといいですよ。それによって子どものやる気に火がつき、将来、働く意欲にもつながっていくのです。

取材、文・間野由利子 編集・北川麻耶

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