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おばあちゃんの駄菓子屋に残された2種類のメッセージ #あの人に今ありがとう


学校の代休で娘と娘のお友達を連れて出かけることになったこの日。
子どもたちに喜んでもらおうと、電車に乗って遊園地に行ってみたのですが、
彼らが本当に行きたかった場所は家のすぐ近くにあったのです。

その場所とは、昔ながらの駄菓子&文具のお店
通称『アンドウ(仮名)』。

地元出身の私も子どもの頃に利用したことのある、歴史のあるお店です。
コンビニには売っていない駄菓子もたくさん扱っていて、少ないお小遣いでも楽しめる。
近所の子どもたちにとって、夢のような場所なのです。

せっかくなので、私も大人になって初めて、一緒に行ってみることにしました。

来客に気付いて奥の自宅スペースから出てきてくれたのは、かわいいおばあちゃん。
おそらく私も子どもの頃、このおばあちゃんにお世話になったのでしょう。

昔は周辺に何件もあった子供向けのお店がほとんど閉店してしまった中で、時代に流されず、昭和を感じさせるたたずまい。
そこではしゃぐ我が子たちの様子を眺めていると、子どもの頃の自分の価値観が現代に受け入れてもらえたようで、
なんだか誇らしい気持ちになりました。

子どもたちが選んだ10円20円の駄菓子を数え、暗算で会計するものの、たまに間違えちゃうおばあちゃん。
それを直してあげたり、袋詰めを手伝ってあげたり。
おばあちゃんと子どもたちとのふれあいは、とても微笑ましいものでした。

その後、我が家では、次女と三女も長女に連れられ、この『アンドウ』で初めて子どもだけでのお買物を体験しました。
近所なので安全面でも心配が少なく、単価が安いので買い過ぎの心配もありません。
デビューにはもってこいでした。

ある時は、遊びに来た姪っ子が、見慣れぬ商品ラインナップに興奮し、お小遣いで駄菓子の爆買いをしてしまったり。

翌日学校で必要なのに、スーパーの文具売り場で売り切れていたアイテムが残っていて、親子共々救われたり。

子どもたちの成長と共に、『アンドウ』との色々な思い出が積み重ねられました。

そんなある日のこと。

「お母さん、今日当たりくじの交換しに行ったら、アンドウお休みだったよ。」「定休日だったのかな?」

「今日もやってなかった」「また?もしかしたらおばあちゃん調子悪いのかもね?」

何日かそんなやり取りが続いた後、学校帰りの長女が言いました。

「お母さん…あんどうのおばあちゃん、死んじゃったんだって。みんなが言ってた。」

慌てて確認しに行った『アンドウ』の店頭には、こんな張り紙がありました。

おばあちゃんのご家族が用意してくれた、2種類のメッセージ。

大好きなおばあちゃんと憩いの場を失った子どもたちへの気遣いと、
おばあちゃんのライフワークに対する敬意が感じられました。

ご家族の理解を受けながら、みんなから愛されながら、亡くなる直前までお店に立っていたおばあちゃん。

おばあちゃんは、私にとって、理想的な老後を送られた方でした。

おばあちゃん、幼き日の私や私の友達、そして私の子どもたちとその友達、みんなみんなお世話になりました。ありがとう。

天国でもみんなに愛されて、楽しく過ごしてくださいね。

 

文、イラスト・Michika

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