子育てしやすい街選びのポイントは?小児救急・医療費助成制度・教育への熱心さをチェック
「来年、子どもが小学生になるから引っ越したい」と思いつつも、いったいどのエリアがいいかわからないということはありませんか。子育て賃貸プロデューサーの大城幸重さんにお話を伺いました。
良い住環境が良い子を育てる
子どもがすくすく育つためには、住環境がとても大切です。私は前職・公立学校教員として公立小中学校、特別支援学校、海外日本人学校など、さまざまな校種の学校で25年間教鞭をとってきました。たくさんの子どもたちを育ててきた経験から、住環境の重要性を非常に感じています。
まず引っ越しを考える場合、考えなければいけないことは、子どもを育てるために安全安心で快適な住環境を選ぶことが大事だということです。その中で何を一番重視したらよいのかを一緒に考えましょう。
夜間・休日の救急医療機関は近くにある?
たとえば、あなたのお子さんに喘息があり夜中に発作を起こしたとします。突発的なことなのできっと焦るでしょう。こんなときに小児科医が診てくれる夜間・休日の救急医療機関が家の近くにあったらどうでしょう。落ち着いた気持ちでお子さんを見守ることができるのではないでしょうか。
「夜中にかけつけるほどでもないけれど、子どもの人数が多く、頻繁に病院通いをしなければいけない」という家庭であれば、小児科、内科、外科、皮膚科、耳鼻科、眼科など複数の病院が一緒になった診療所や総合病院などが近くにあると、とても安心です。
子どもの医療費助成制度は何歳まで?
また、子どもの医療費助成制度が何歳まで受けられるのかもチェックしておくといいでしょう。場所によっては3歳までだったり、高校を卒業するまでという自治体があったりします。風邪をひくことなくいつも元気な場合は3歳まででもいいかもしれませんが、1カ月に何度も病院に通う必要がある子どもの場合は、医療費助成が少しでも長く受けられる方が安心できます。
このように考えると、「子どもの健康を守る」ことが第一優先になると思います。
教育のために塾や進学校が多い文教地区を選択
「子どもの教育に力を入れたい」という場合は、子どもの能力を高めてくれる教育環境が整ったエリアを選ぶことが大切です。たとえば、英語教育に力を入れていたり、プログラミング教育に力を入れている塾や学校があるなど、これから社会に出て役立つ力を身に付けやすい環境がよいかもしれません。
また、中高一貫校や、中学・高校などを見据えた教育を実施している小学校、評判のいい小学校があるエリアに引っ越すといいかもしれません。引っ越し先となる家や学校のそばにはどんな習い事教室があるのか、その授業料はいくらぐらいかなども、調べておくとよいと思います。
子どもの安心・安全のために地域活動が活発な街を選ぶ
もう1つ、子育てをするときに重要なのが、地域の人たちとどれくらい関わりがあるのかということです。町内会が活発な街は、朝夕登下校の際にボランティアの人たちが子どもを見守ってくれたり、育成会での行事があったりするなど、子どもも大人もお互いの顔をよく知っているため、ママが見えていない外での子どもたちの行動も耳に入りやすくなります。
「うちの子まだ帰ってこないんだけど、どこかで見かけなかった?」といえば、「○○ちゃん、××の公園で遊んでいたよ」「△ちゃんと一緒に遊んでいるのを見たよ」など、ママ友や地域の人たちから子どもの情報が寄せられたりもします。
一口に「子育てしやすい街」といっても、なにを重視するかによって、全然違ってきます。まずは、ママや家族がどんな子育てをしたいのか、生活するうえで子どもにとって何が大切なのかをしっかりと考えたうえで、優先順位を決めて考えるといいと思います。
取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ