子どものケンカで学校に呼び出されたママが「息子を褒めたワケ」 #ママの心の葛藤
私のお友達の話です。
ある日、学校から電話があり、担任の先生から「○○くんがお友達に暴力を振るって泣かせてしまったのです。すぐに学校に来てください」と連絡があったそうです。
学校へ向かうと、泣いている子と不服そうな息子さんの姿がありました。
そのママは泣いてしまった男の子と、その子の親御さん、担任の先生に謝罪し、息子にも「謝りなさい」と言いました。
しかし息子は謝りません。
それを見てママはさらに精一杯に謝り続けました。
帰り道、息子に「どうして暴力を振るったの?」と聞いても黙る息子。
「ちゃんと答えて?」というと、息子はこう答えました。
ずっと殴られ続けていたのに我慢していた息子の気持ち。我慢の限界でやり返した1回しか見ずに息子が悪いと判断した先生。そして、息子の気持ちを分かってあげられなかった自分。
ママはその瞬間、味わったことがないくらい悔しい気持ちになったそうです。
その後ママは息子さんに対して、
「よくやった! よくやり返した!」と褒めて抱きしめたそうです。
小さいうちは親や先生が仲裁に入ったり、助けてくれたりするかもしれない。けど、大きくなったら自分で解決しなければいけないことがたくさんでてくると思うから。
泣いて、ずっと耐えるのではなく、自分のことは自分で守れる強さをもってほしいと思って育てている。
友人はそう言っていました。
あのままやり返さずに我慢し続けて、自分の気持ちを押し殺すのなら、やり返してでも自分の気持ちを伝えられてよかったのかもしれません。
男の子は大きくなるにつれて、多少激しいケンカをすることもあるでしょう。
しかしどんなときも理由を聞いてあげて、息子の気持ちのよりどころになってあげなきゃいけないと感じました。
同じママとして、このママのことを心から尊敬しました。いつかこんなカッコいいママになりたいと思います。
脚本・編集部 イラスト・水戸さゆこ