「PTA役員」を経験して感じたメリット・デメリット #育児の新発見
進級や進学の季節。
子どもの成長は喜ばしい半面、親には「役員決め」という不安な要素が待っています。
私は長女が小学2年生の時に、PTA役員になりました。しかも、委員長を務めました。
私がPTA役員を引き受けたワケ
学校によってもルールは違うようですが、娘の通う小学校では、就業などの諸事情に関わらず、基本的には子どもの人数分だけ役員をしなければいけません。
ただし、「運営役員または各委員の正副委員長歴任者は、子の人数に関わらず、一回で委員を全て経験済みとします」という特別制度がありました。
これが、3人の子ども(当時:小学2年生、3歳、2歳)がいる私にとって、魅力的な制度でした。
子どもが小さいことを理由に仕事をセーブしていたのもあり、多少の余裕もあったため、今のうちにPTA役員を済ませようと、思い切って引き受けることにしました。
「PTA役員」が不安な理由の1つは「指導者がいないこと」
役員は基本的に1年ごとに総入れ替えとなるため、会社のように指導してくれる経験者がいるわけではありません。1度の引継ぎで全ての仕事を理解しなければならないわけですが、実際にやってみないとイメージのつかないことも多く、不安と疑問だらけのまま新年度がスタートしました。
幸いだったのは、副委員長がとても協力的だったこと。彼女も、下の子がまだ幼稚園。お仕事もされていましたが、どんな仕事も私だけに任せることはなく、一緒に考えて動き、支えてくれました。少数派の保育園出身組でママ友も少なかった私にとって、これ以上ないほど頼もしい存在でした。
「PTAの仕事はかなり複雑で多岐に渡るので、全てを把握するのは大変。でも、一回限りのことなので、全員が全てを理解する必要はない」というのが、引継ぎを受けて副委員長と私が持った共通認識でした。そこで
役員(20名以上):作業、雑務
というタスク分けの元、活動することにしました。
実際、20名以上の役員さんたち全員にPTAにまつわる業務を詳細を理解してもらうよりも、自分たちだけが理解し的確に指示を出す努力をする方が、ずっと楽でした。そして、各役員さんたちも、余分な理解に時間を使わず済んだため、負担が軽くなり、自ら他の担当の手伝いを申し出る良い循環も生まれました。
PTAの仕事においては、自分なりに創意工夫する点で会社の仕事と似ています。担当する仕事の内容は変えられなくても、リーダーの立場になったことで、やり方を選ぶことができる。組織の中で働いた経験のある人、仕事を持っている人こそ、楽しめるかもしれません!
デメリットは「学校に足を運ぶ機会が増えること」
一方で、どうにもならないことも、もちろんありました。
運営委員会や行事への出席など、学校に足を運ぶ機会はどうしても増えます。さらに自宅でできそうな事務仕事はできるだけ持ち帰って……と思っていましたが、個人情報を扱う内容が多いため、持ち出し禁止。
また、メール等での連絡も多いのも負担となります。特に役員さん宛ての一斉連絡は、急ぎな上に細かい説明が必要な内容が多く、万が一不備があり質問が来てしまうと、その都度役員さん個別に返信することになるのでかなりの負担です。
そうならないよう、集中して何度も文面を読み直して書き直して作成。副委員長に校正してもらって、必要ならまた修正……。
そのため、家でもママと遊びたい盛りの子どもたちに、たくさん我慢してもらったと思います。
PTA役員のメリットは「部活仲間のような絆」が生まれたこと
そうして、家族にも、先生や委員さん方にも、たくさん助けていただきながらなんとか乗り切った一年間。
「終わった!!これでもうずっと(役員の)プレッシャーのない小学校生活を送れる!!」
そんな開放感と達成感に満たされるものとばかり思っていたのですが、同時にやって来たのは喪失感でした。
「もう、学校に行くのは行事の時だけになるんだなぁ……PTA仕事ついでに、普段の子どもの様子を見たりできなくなるんだなぁ」
「一緒に頑張った委員さんたちと、あまり会えなくなっちゃうなぁ」
最後の定例会後、「正副委員長の気持ちと頑張り、伝わっていました! 一年間お疲れ様でした」とメールをくださった役員さんがいました。ちゃんと見ていてくださった方がいたことに、頑張って良かったと涙がこぼれました。
別の委員さんは、次の年に子ども会の会長を引き受けられ
「この一年、正副委員長の姿勢を見ていて、自分もやってみようと思いました!」
と言ってくださいました。これ以上ない褒め言葉でした。
また、自分の委員の役員さんたちだけでなく、他の委員の正副委員長たちとも、部活仲間のような絆が生まれていました。
役員から離れて2年が経った今でも、バッタリ会えただけで嬉しくなります。
「この人たちに出会えたことだけでも、役員になった価値はあった!」
そう思えるような仲間に出会えたことは、私の母親人生の中で大きな財産となりました。
デメリットがないわけではないので、一概に「ぜひやってみて」とは言えません。
でも、デメリットやトラブルも、親として成長するための貴重な経験。そう思えば、挑戦してみる価値はあると思います。メリットだってたくさんありますよ!
迷っている方、興味はあるけど、実態がよく分からず不安な方にとって、この記事が参考になれば幸いです。
あなたの貴重な役員経験が、どうぞより充実したものとなりますように。