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地方と都心部の「教育格差」が広がる!?「2020年教育改革」の外国語活動 問題点とは?

Pretty teacher helping pupil in classroom at the elementary school

「2020年から実施される教育改革で、小学校における英語教育において地方と都心部の教育の格差が広がるのではないか」と話題になっています。いったいどういうことなのでしょうか。東京インターナショナルスクール理事長で、文部科学省とともに、日本の教育の国際化の入り口となる国際バカロレア*の普及に取り組んでいる坪谷郁子先生にお話を伺いました。

*国際バカロレアとは、ジュネーブに本部がある国際バカロレア機構が提供する、国際的な教育プログラムのこと。小・中・高校生の教育プログラムで世界共通の大学入試資格(国際バカロレア資格)を得ることができ、グローバルな視点や多様性が身につく。日本を含め世界に4,846の認定校がある。

地方と都心部の英語教育の格差は広がるばかり

2020年に実施される教育改革において、小学校での英語教育については大きな問題があります。それは「英語を教えられる教師が非常に限られている」ということです。教師が英語教育を教えられるようになるためには、非常に時間がかかります。

東京都など人口が多いところは、英語教師以外にも、英語を教えられる人材が集めやすいのですが、問題は地方です。私もいろんな地方の教育委員会とお付き合いさせていただいていますが、地域によっては小学校で英語を教えられるような人材が極端に少ないところもあります。英語を専門的に教えられる教師もいなければ、代わりに教えてくれる外国人も見つからない。となれば、地方と都心部の英語教育の格差は広がるばかりです。

教師同士のコミュニケーションが難しい

仮に外国人がいたとしても、外国人の先生と、英語のヒアリングができない一般教科を教える担任の先生とでは、意思疎通が難しいという問題があります。外国人の先生は英語しか話せない、日本人の担任の先生は英語が話せないとなったら、うまくコミュニケーションがとれません。担任の先生は、外国人の先生に「この子はこういう子です」ということを伝えたくてもうまく伝えらえれない。「どんな授業をしましたか?」「こんな授業をやってください」という思いがあっても伝えられないという問題があるのです。

英語教師を2500人まで増やすことで過疎地にも配属

地方によっては英語教育を行える教師の数が十分でない現状です。この問題を解決するべく文部科学省が財務省に働きかけた結果、2018年度は英語教師を1000人増やす予算を確保することができました。最終的には2020年までに少なくとも英語教師を2500人くらいまで増やしてもらえたらと思います。それによって英語の話せる小学校の教師が1人もいないような地域でも、英語教師を採用することができます。都会で学ぶ子どもたちも地方で学ぶ子どもたちも、同じように授業を受けられるようになるのです。英語教師の配属によって地方と都心部での教育格差が広がらないように配慮していただきたいと思います。

取材、文・間野由利子

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