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ビッグダディ:第5回 出産に立ち会ったのは蓮々(れんと)の時だけなんです

第5回目となる今回は、8人のお子さんを父子家庭で育ててきたビッグダディに、ビッグダディ流の子育てについてお話をお聞きします。

男手ひとつで育児をしてきた中で、ビッグダディ流の夜泣き解消法やオリジナル子育て術はありますか?

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夜泣きっていうのは、子どもの確認行為なんですよ。
例えば、“抱き癖”という言葉があるけど、俺は抱き癖はつけても良いと思っているんですよ。

子どもが泣いたらいつでも抱いてあげられる環境であったり、子どもが泣く度に抱いてあげられるお母さんの気持ち、余裕があるのであればそれはそれで良いと思う。
でも、もしいつでも抱っこしてあげられない環境で子育てをしているのであれば、子どもが泣いた時に「はいはい。どうした? ここにいるよ」と声をかけるだけで、安心して寝ていく子にすれば良いんです。

うちの子どもたちは、声をかければ安心して寝てくれてましたね。
要するに、子どもにどういうスイッチを作ってあげるかなんですよ。
抱っこして安心するスイッチを作ればそれでしか泣き止まなくなるしね。それはもうね、育てる親次第だと思います。

あとは知識を持つことも大事で、例えば、赤ちゃんは90分おきに目が覚めるものだ、ということを知識として入れておくだけでもすごく気持ちが楽になるんです。
そういうことを知らないと「なんで夜中に何回も起きるの!?」と、それがストレスになるけど、そういうものなんだという知識を入れておくと、気持ちがすごく楽になって、子どもへの対応にも余裕が持てるようになるんです。

そのような知識は、子育てをしていく中で発見されたんですか?

柔道整復師という医学の端っこで勉強をしていた人間なので、元々そういう知識はあったんです。
「つわりは何で起きる」とか「赤ちゃんはなぜ泣く」とか、そういうことを知識として知っているだけで子育ては全然違ってくると思います。
でも知識がないままにその状況に直面して、悩んだり困ったりしている女性はたくさんいるんですよね。

例えば、子どもを産んだことがない女性の出産・分娩に対するイメージって「怖い・痛い・辛い」なんですよ。経産婦の方のイメージは「痛い・辛い」なんですけど、それは記憶なんですよ。恐怖はない。
“恐怖”という記憶が残るのであれば、何度も出産なんてできない。
そういうことを学習して、知識として入れておくことはとても大事なんですね。
最初の奥さんにはそういうことを教えて出産を迎えたので何も困ることはなかったんですよ。

そのような知識がたくさんあるビッグダディは、お子さんたちの出産にも立ち会ってきたのですか?

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それがですね、子どもがたくさんいるのに、俺が出産に立ち会えたのは美奈子さんとの間に産まれた蓮々(れんと)の時だけなんですよ。
それまでも、タイミングが会えば立ち会いたいと思っていたんですが、そのタイミングがなかったです。

次男の熱志(あつし)が産まれる時、陣痛が始まったタイミングで病院に行けたので「立ち会いたい!」とお願いしたら、両親学級を受けてないからダメだって言われてしまったんですよ。
「前もって準備をしていないとショックを受けるお父さんがたくさんいるから」と言われたから、「俺は田舎育ちで小さい頃から牛や豚の出産は何度も見てますから」って言ったら、「それとは違う!」と怒られてね(笑)。

だから、美奈子さんが蓮々(れんと)を産んだ時に初めて立ち会いができたんだけど、すごく楽しかったですね。

立ち会い出産を楽しめるのはすごいですね!やはり、陣痛逃がしのマッサージなどをしてあげたりしたんですか?

そんなことはしませんよ。出産も分娩も本能的なものだから、俺が横からマッサージしたり声をかけたりするのは、一歩間違うとわずらわしいと思うんだよね。
俺は何もせずに笑って見ていただけなんだけど、そんな俺を見て美奈子さんが「笑ってないでなんとかしなさいよ!」って胸ぐら掴んだりして、そういうので美奈子さんのテンションが上がっていって、スムーズにお産が進んだので、結果良かったと思ってます。

結果7~8時間立ち会ってたんですけど、起こること全てがすごく楽しかったですね。
飯も食わずに駆けつけたので、美奈子さんが食べなかったおにぎりを立ち会いながら食べてたら、助産師さんから「あんた余裕あるね、やるねぇ」って言われたりして(笑)。

そうやって立ち会って蓮々(れんと)が産まれた瞬間に、面白いんだけど一瞬にして全部の子どもたちにかぶったんですよ。「あぁ、みんなこんな風に産まれてきたんだなぁ」って。
その1回の立ち会いで、全ての子どもたちの産まれた瞬間が頭の中で強烈にイメージできた。だから、歳取ったら「俺は全員の出産に立ち会った」とか言い出しそうな気がしてるくらいです(笑)。

蓮々(れんと)ちゃんの出産が初めての立ち会いというのは、とても意外でしたね。
次回は、林下さんが子育ての中で大切にしていることについてお話を伺っていきます。
お楽しみに。
取材、文・上原かほり 撮影・chiai

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