「スマホ子守」は言語、知能の発達が遅れる!?専門家に聞くスマホの危険性
夕食の準備時や忙しい時など、子どもがぐずったときにスマホの映像などを見せてしまうママも多いのでは? これに警鐘を鳴らすのが発達心理学を専門とし、幼児期の子どもの脳と発達について研究を重ねる内田伸子先生。「スマホに子守をさせると脳が委縮してしまいます。子どもの脳を刺激する知的な遊びを取り入れてあげましょう。それによって子どもたちの知能はぐんぐん伸びていきます。」詳しくお話を聞きました。
毎日スマホを見せていると言語発達が遅れる!?
子どもにスマホやDVDを長時間見せていませんか? スマホやDVDの映像ばかりを見せていると、子どもの脳がどんどん委縮してサポートが必要なお子さんになる可能性があります。
ニューヨークやロサンゼルスなどで1800名を6年間追跡調査した結果が小児医学雑誌に発表されました。それによると、約3分の1名の500名くらいがどんどん言語発達が遅れ、知能の発達も遅れてしまったのです。なぜ遅れが出たのでしょうか。そこにはある共通点がありました。
満期出産で生まれた赤ちゃんたち1800名の生活時間を調べていたら、遅れていく赤ちゃんは生後6カ月から10カ月間、スマホなどの映像を1日1時間以上視聴させているという共通点があったのです。
遅れが見られた赤ちゃんの脳を検査してみたら、脳の言語をつかさどる部位、ウェルニッケエリアが委縮してしまっていたのです。せっかく健康で生まれた赤ちゃんが、親のあさはかさのために脳の発達遅滞を引き起こし、特別なサポートが必要なお子さんにしてしまったわけです。
スマホ断ちすれば知能は徐々に回復
「毎日スマホなどを見せてしまっていた。どうしよう」という場合、まずは長時間映像を見せるのをやめてください。映像をシャットダウンすることによって、徐々に知能を回復していくことができるのです。
一度は著しく知能が低下していた子どもでも、3歳前後で知能を回復することもあります。それは子ども自身が成長したことで、テレビのついている場から離れたり、リモコン操作ができるようになって映像を止めることができた子どもたちです。
遊びを通じて子どもの想像力・創造力を育む
子どもの知能を伸ばしたいと思ったら、親子で一緒に指先を使ったクリエイティブな遊びをすることです。子ども自身に考えさせる遊びを体験すると、子どもの目の輝きがどんどん変わってきますよ。
私が開発に携わった知育おもちゃ『エポンテ』は、子どもの気持ちを表現するのにとてもいいアイテムです。想像力(イメージ)と創造力(クリエイティブ)な気持ちを引き出し、表現する遊び道具なのです。
どんな色にするのか、形を組み合わせて、スタンプを押す。たったこれだけで、子どもたちは自分の頭の中で想像したカタチを、自分自身で創造することができるのです。子どもってスタンプ遊びが好きでしょう? この「楽しい」という気持ちが脳をどんどん指摘して、刺激を与えていくのです。親子で創造的な遊びをすることで、子どもの脳はどんどん育っていくのです。
取材、文・長瀬由利子