5年間で380人が救急搬送!自宅ケアで鼓膜を傷つけるキケンあり【朝ごふんコラム】
子どもの耳そうじはどうしていますか?「汚れが気になるから自宅でやっている」というママもいるかもしれませんね。基本的に耳そうじはお子さんが小さいうちは、耳鼻科を受診してやってもらいましょう。というのも、自宅での耳かきによる子どもの事故が多発しているからです。小児科医で「子どもを事故から守るプロジェクト」代表の出口貴美子先生にお伺いしました。
平成21年から25年までの5年間、耳かきをしているときの事故により、380人が救急搬送されています。どんな事故があったのか見てみましょう。
『母親が目を離していたところ、男児が左耳に綿棒を入れたまま倒れ泣いていたため 救急要請(1歳) 』
『母親が4歳の女児の耳掃除をしている際に、2歳の妹が乗りかかり、耳かきで耳を突いて出血したため救急要請(4歳)』
小さいお子さんの耳かきは、基本的には自宅で行わず、耳鼻科を受診してください。小さな子はじっとしていることが難しく、いつ動きだすかわかりません。突然動いて、その瞬間耳の奥に耳かきがささってしまうと、鼓膜を傷つけてしまう可能性があります。
もし、汚れが気になるようであれば、綿棒で耳の入り口あたりを軽くぬぐう程度にとどめましょう。耳鼻科を受診する場合は、3カ月から6カ月に1回のペースで通えば大丈夫です。
耳垢がたまったら発達に影響がでる可能性も
よくママたちから「耳垢がたまりすぎたらどうなるの?」という質問をされます。結論からいうと、耳栓をしている状態と同じなので、乳幼児の場合は言語の発達に影響が出ることがあります。とくに乳幼児は大人の言葉を聞くことで、話せるようになる大事な時期です。この時に耳が聞こえないというのは非常に大きな問題です。3~6ヵ月のペースで耳鼻科を受診し、見てもらうことが必要です。
悪ふざけで耳に入れたものが取れなくなることがある
3歳頃になると、子ども自身がふざけて耳におもちゃや石、ティッシュなどの小物を入れて取れなくなってしまうことがしばしばあります。具体的な事例をお話します。
『玩具銃用のプラスチックの弾(5mm 大)で遊んでいて右耳に入れてしまい、取れなくなった。外耳道吸引により除去した(4歳)』
『学校でビーズを飛ばして遊んでいたときに右耳へ誤って入れた。局所麻酔で除去を試したが困難なため、入院して全身麻酔下で摘出した(8歳)』
耳に入った場合、気づかずに放置しておくと、奥のほうに入りすぎて取り出すのに大変苦労します。もしうまく取り除くことができたとしても、念のため耳鼻科を受診し、耳の中に傷がついていないかなどを確認してもらいましょう。
「子どもの耳垢が気になるけど、まだ怖くて何もしたことがない」というママ、一度耳鼻科を受診してみてもらいましょう。体や頭を洗ってケアしてあげるのと同じように、時々子どもの耳の中もケアしてあげるといいかもしれませんね。
「お風呂やプールで耳に水が入ったら中耳炎になる」は本当?
「プールやお風呂で水が入ったから中耳炎になった」という人がいますが、それが原因で中耳炎にはなりません。多くは、風邪の菌などによる感染症が原因です。小さい子は耳管が未発達で、細菌が入りやすいため中耳炎になりやすいのです。もし、耳が痛いなどの症状があれば、耳鼻咽喉科や小児科に行って診てもらいましょう。
「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとって欲しい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも親子で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
ほかにも、男児水着によるアソコの挟み込み事故・花火による事故 などの生活に役立つ記事は『朝ごふん』ページで読むことができます。ぜひご覧くださいね。