川や海だけじゃない!子どもの水難事故が多発している、意外な場所とは?【朝ごふんコラム】
梅雨が明けたら、本格的な夏到来! 水遊びが気持ちいい時期になりますが、同時に注意したいのが水難事故。実は子どもの水難事故は自宅のお風呂やプールなど、身近なところで起きているのです。
今回は、ママスタの読者のみなさんにアンケートを行い、その結果をもとに「水まわりの安全対策」について考えます。解説してくれるのは、小児科医で「子どもを事故から守るプロジェクト」代表の出口貴美子先生です。
意外と多い!? お風呂での転落事故
子どもの水難事故というと、川や海を思い浮かべるかもしれませんが、実は自宅の浴槽など身近なところで起きています。
『湯船を浅くしていたのに、アンパンマンの曲を踊っていたら足を滑らせて溺れてしまった』
『浴槽の外に子どもを立たせていたら、目を離したすきに浴槽の中に転落した』
『一緒にお風呂に入っているとき、床で滑って転び、前歯がぐらぐらになった』
国民生活センターの危害情報システムの協力病院から寄せられた情報によると、浴室内で起きた乳幼児の幼児の溺死事故と重篤・重症事故は0歳~1歳が非常に多いことがわかっています。しかも、そのうち転落事故が8割を占めています。
入浴後にやるべき2つの習慣とは?
浴槽への転落事故から子どもを守るためにやるべきことは2つあります。
1つ目は「浴槽のお湯を抜く」、2つ目は、「浴室から出たら外鍵をかける」。「朝ごふん」アンケートの結果を見ると、約半数のママたちが入浴後にお湯を抜いています。これはとてもいい傾向だと思います。
ただ、「浴室の外カギ」をかけることにいたっては、まだ10%の人しか実施できていないので、浴室のドアにも外鍵をつけて、いつも鍵をかける癖をつけましょう。また、会社から帰ってきたパパがお風呂に入るまでに間は、浴槽にふたをする対策より鍵をかけることの方が効果的です。お風呂のお湯は抜く、浴室の外鍵をかける癖をつける。この2点を注意してください。
夏休みの帰省時は要注意
もう1つ気をつけたいのが、夏休みにおじいちゃん、おばあちゃんの家に遊びに行くとき。普段は入浴後にお湯を抜く習慣がない、お風呂の残り湯を洗濯に使いたいなどの理由で、浴槽に水がたまったままという可能性があります。かならず浴槽のお湯を抜くようにお願いしましょう。
浴槽にぶつかって乳歯が抜けた! こんな時は牛乳に浸けて
入浴中の事故として意外とよくあることが、滑って転んだ際に乳歯が抜けてしまうこと。抜けた歯はすぐに牛乳につけて、そのまま歯医者さんに行ってください。牛乳は人間の体液に近い成分のため、しばらくの間は歯の神経が生きていて、抜けた歯を生着できるかもしれません。その他にも、抜けた歯を保存するための製品がありますので、常備しておくといいでしょう。
歯が抜けたとき、ついつい抜けた歯を水でゴシゴシ洗ってしまいがちですが、これは避けましょう。歯の神経が死んで生着できなくなることがあります。水で洗ったりせず、歯はそのまま牛乳か専用の保存液にすぐに浸けてください。
水辺で遊ぶときはライフジャケットを着用
夏になり、プールや川遊び、海水浴など、水辺に近づく機会が多くなります。それと同時に事故率も高くなります。アンケート結果を見ると、子ども用ライフジャケットを持っている人は14%と、まだまだ低いといわざるをえません。これは子どもにライフジャケットを着用させることが浸透していないのと同時に、水辺での危険性を認識していないのかもしれません。
子どもの水難事故は、川や海はもちろんのこと自宅や園のプールなど、比較的浅いところでも起きています。水遊びをするときは、必ず子どもにライフジャケットを着用させてください。ライフジャケットは、脱げないようにぴったりとしたサイズで股ベルトがあるものを選びましょう。
最近は、色柄がかわいいものが多く出るなど、安全性とともにオシャレ度も増しています。価格も4000円ほどと手ごろです。ライフジャケット1枚あるだけで、大切なわが子を事故から守ることができるのです。水遊びの際には必ず着用させましょう。
夏の暑い日は冷たい水遊びをすると、とっても気持ちがいいもの。安全対策をしっかりとしたうえで、パパやママと一緒に楽しく水遊びができるといいですね。
「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとって欲しい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも親子で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
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