相談することで夫に家事分担をしてもらえた話
パパは仕事、ママは家のこと全般、家事と育児という分担。よくあるパターンかもしれません。筆者は仕事を辞めて専業主婦になった時、「仕事がないんだからその分家事や育児をがんばらなきゃ!」と思い、ひとりで全部やろうとしていました。そしてすぐにあることに気がついたのです。
「仕事をしながら子育てしていた時より、仕事を辞めて家事と育児を全部やる方がよっぽど大変! 」
家のことは、まったくといっていいほど自分のペースで進められません。小さな子どもがいると、座って食事をしたり、トイレに行ったりすることもままならなりません。散らかったままの部屋を見て、がっかりするやら、イライラするやら、なさけないやら……。
毎日夜には疲れ切ってしまって、とにかく休んでいたいと思いました。しかし実際は子どもが夜中に起きてしまって、寝かしつける日々。寝不足と疲れでストレスは最高潮でした。
家事が大変だと思う3つの理由
家事も育児もしっかりとこなせる立派なママはいるけれど、自分には無理。筆者も最初はできると思い込んでいましたが、できないと認めるしかない、と思うことに。そこで自分にとって負担に感じる家事をできるだけ減らして、夫にも家事分担をしてもらおうという考えに至りました。筆者にとって、家事が大変な理由は主に3つありました。
1、スケジュール調整できる余地があまりない
常備菜の作り置きしたり、乾燥機や部屋干しで洗濯をまとめたり、工夫しているママもたくさんいますが、限度があります。食事は、食事の度に用意して、その後は片付け。洗濯も子どもがいると毎日洗濯機を回すことになります。
そこで夫が家事分担する時は→夫が毎日の日課としてやりやすいものを頼む。
2、自分次第で終わりがない
部屋の掃除はどれくらい頻繁にやりますか? 小さい赤ちゃんがいる家庭だと
「毎日掃除機をかけないとダメ」
と言うママもいます。
私が働いていた時は毎週末に1回掃除機をかけるだけでした。毎日掃除機をかけるママにしてみたら、私のやり方はダメ出しされてしまうかもしれません。結局、どれだけやるかはやる人次第なのだと思います。
そこで夫が家事分担する時は→頼んだことは任せきって、やり方に文句を言わない。
3、やって当たり前、と思われがち
毎日の主な家事である、食事、掃除、洗濯。どれもそれなりに時間もかかるし、きちんとやるにはそれなりに気を遣いながらやります。それでも、ママがせわしなく次から次へと家事をこなしているのに、パパはスマホやタブレットを見てのんびりしているだけ。そのうえ子どもたちは片付けたところからまた散らかし始めている、なんて光景、我が家ではよくありました。家族でひとりだけ、なんでこんなに忙しいんだろう、なんてむなしくなって嫌になってしまうことも。
そこで夫が家事分担する時は→いつも感謝する。やって当たり前だと思わない。
「毎朝の洗濯をお願いできないかな?」→夫のリアクションは?
家事分担の方法は、筆者なりに考えてみることに。その結果、夫は朝の身支度が早いので、朝に行う洗濯ならやりやすいかもと思い伝えてみました。「家事と育児をひとりでやるのは大変で、限界がある。昼間はずっと子どもの面倒をみなければいけないし、家事を全部やるのは私には無理。毎朝の洗濯をお願いできないかな?」
夫は普段から帰宅後の子どものお風呂や寝かしつけをやっていたので
「仕事が忙しいし、それはちょっと困るなぁ」
なんて言われるかな、と思っていました。ところが実際にいってみると
「洗濯? いいよ」
と意外にも二つ返事で承諾してくれました。どうやら筆者が苦労していることに気がついたようです。言わないとわかってくれない、ということかもしれませんが、やっぱり家族。ひとりで考え込んでいないで、何でも相談するべきでした。
翌日から、毎朝夫が洗濯物を干してくれるようになりました。夕方は筆者が取り込むことが多いのですが、洗濯物をたたむのも自然と夫の仕事になりました。最初は洗濯物のたたみ方が自分と違うと注意したくなったのですが、頼んだ限り文句を言うのはガマン。そのかわり「ありがとう」と必ず言いました。だんだん洗濯をすることが日課となって、会議で夫の出社時間が早い日さえ、朝、洗濯物を干してくれていました。
今は子どもも参加。家族みんなで家事をするのもいいかも
今では子どもが洗濯の手伝いをするようになりました。
「こうやって、きれいにそろえると、ほら、うまくたためるんだよ」
と夫が子どもに洗濯物のたたみ方を教えている姿を見ると、ちょっと不思議な気持ちになります。
家事も育児も、楽なものではありません。「家事や育児はすべてママがやるもの! 」「ちゃんとできないママは失格!」と気負っていたら、つらくなってしまうこともあります。家族で助け合って家事をやることはいいことだし、手抜きするのもいいでしょう。その分家族の時間を大切にできるのだから、悪いことではないと筆者は思います。春になって、新しい家事のスタイルを考えてみるのもいいかもしれませんね。
文・野口由美子 イラスト・春野さくら