<難しくない!こどもNISA>なんでNISA貧乏に!?投資するのは祖父母でもOK?【第4回】

子どもの教育資金づくりに活用できるこどもNISA。めいっぱい有効活用したいと思うと、生活費を切り詰めてでも投資をしようとするかもしれませんが、それでは「NISA貧乏」になってしまう恐れがあります。無理せずこどもNISAを活用するための考え方を、社会保険労務士やファイナンシャルプランナーの資格を持つ井戸美枝事務所代表の井戸美枝さんと、なかのアセットマネジメント代表の中野晴啓さんにお聞きしました。


投資優先の「NISA貧乏」にならないためには?
――やりたいことを我慢したり生活にしわ寄せがきたりするくらい投資にお金を使おうとする、いわゆる「NISA貧乏」という現象があります。これを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?
井戸美枝さん(以下、井戸さん):子どもにかかる教育費は、いつ頃にどのくらいかかるのかは前もってある程度はわかります。まずは子どもが17~18歳になるまでのイベントを書き出し、費用を計画するといいでしょう。その上で生活ができるだけの資金、一家の働き手に万一があっても数ヶ月は生活ができるお金はしっかりと確保しつつ、投資にお金を入れていくといいのではないでしょうか。
中野晴啓さん(以下、中野さん):生活が苦しくなってまでこどもNISAはするべきではないと私は考えます。世の中ではこどもNISAは子どもの教育資金をつくるためのものと認識されつつありますが、重要なのは今の経済状況に余裕があるかどうかだけだと思います。子どものために投資をするぞ! と思っても、それで家計が成り立たなくなったら意味がありません。
児童手当や、祖父母の資産でも。無理のない範囲で
――生活が苦しくならないよう、こどもNISAを活用する良い方法はありますか?
井戸さん:児童手当をこどもNISAに使うのもいいですね。18歳の年度末まで受け取れ、年6回振込です。まとまると大きな金額ですし、こどもNISAとの相性はよいかもしれません。ただ子どもの口座にうつすなど、多少手間はかかります。
中野さん:実はこれは政府も言っていることですが、こどもNISAへの投資は親ではなく、おじいちゃんおばあちゃんでもいいんです。「贈与」にはなりますが「孫のためにお金を出したい」と考えがあるのであれば、こどもNISAを活用するのもいいと私は思いますよ。もちろん、おじいちゃんおばあちゃんの生活もあるので、無理に出させるのはいけませんが。
――ママさんやその親御さん、みんなの無理のない範囲でということですね。
中野さん:あくまで余力があるなら、という話です。1万円でも5,000円でもいいじゃないですか。60万円の年間投資枠を使い切ろうなんて思わなくていいですよ。
こどもNISAで買える投資信託を選ぶときの注意点
――こどもNISAで買える投資信託はある程度限られていますが、その中から選ぶときの注意点を教えていただけますか?
井戸さん:今のところは、どれを選んでもあまり違いはないと思います。ただ信託報酬が年率0.1〜0.3%程度のものがいいかなとは思います。ただみんなが買っているから自分も買うということではなく、自分で目論見書を見て、納得して買ってほしいです。
※編集部注:信託報酬……投資信託を保有する期間中に毎日支払う管理・運用手数料
※編集部注:目論見書……株式や投資信託などの金融商品を買うときに、投資判断に必要な重要事項が書かれた説明書
中野さん:親御さんが現行NISAの成長投資枠で買っている投資信託が、こどもNISAの対象になっていない場合もあります。実際、私のところにも「親と同じ投資信託を買いたいのに残念」という声が届いています。ただ、いずれ対象になったら銘柄変更をすればいいですし、子どもが成人してこどもNISAが現行NISAに移行されたら、お目当ての投資信託を買うことができます。今は限られた投資信託を買って運用していこう、そう割り切るしかないですね。
編集後記
こどもNISAを使わないともったいない、そういう考えがあると、家計が苦しくなっても投資資金を作ろうとして「NISA貧乏」になってしまう恐れもあります。家計のこと、そして家族との時間や思い出づくりなどもしっかりと考えたうえでのこどもNISAという位置付けになってきそうです。周囲の声も大切でしょうが、あまり振り回されずにきちんとした考えを持ってこどもNISAを活用していきたいものです。
取材、文・川崎さちえ 編集・編集部 イラスト・猫田カヨ
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