いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

外出先でのプッシュ式消毒剤の使用に注意!【朝ごふんコラム】

プッシュ式消毒剤①

インフルエンザが猛威を振るっているこの時期、デパートやショッピングモールなど、外出先のトイレでもプッシュ式消毒剤が置かれているのを目にした方も多いのでは?
押すだけで消毒ができて、とっても便利!「外出先でも消毒できて安心!」と思う反面、気をつけないと思わぬ事故につながることに。
今回は、プッシュ式消毒剤についてお話しします。小児科医で「子供を事故から守るプロジェクト」代表の出口貴美子先生にお話をお伺いしました。
出口小児科医院院長 小児科専門医 出口貴美子先生の紹介画像

大人の使用しやすい位置は子どもの目の高さ

『ショッピングモールのトイレで手洗い後、消毒剤のボトルをプッシュしたところ、薬液が飛び散り両目に入った。直後から声をあげて泣き、洗い流せない状況だった』(2歳)

店頭やトイレなどにおいてあるプッシュ式消毒剤が設置してあるのは大人の腰のあたり。大人にとっては大変使いやすい高さですが、一緒にいる子どもを基準にみると、ちょうど顔にかかりやすい高さにあるようです。そのため子どもが押すと、飛び出した薬剤が目に入る危険性があるのです。
とくに子どもの場合は、大人と比べて力が弱いためプッシュ式消毒剤も力いっぱい押してしまうことがあります。大人だったら手のひらに垂れるだけの消毒剤も、力いっぱい押したことによってピュッと飛び出してしまうことがあるのです。

子どもに不用意に触らせない

まずは、子どもがプッシュ式消毒剤に不用意に触らないように注意すること。子どもが使うときには、必ず大人が隣について見守り、一緒に使うようにしましょう。
また、大人が使うときにも注意が必要。物によっては軽く押しただけでも液体が勢いよく出ることがあります。そんなとき、そばにいたお子さんの目に薬液がかからないように、押すときはゆっくり押すことを常に心がけてください。

薬剤が目に入ってしまったら……!?

プッシュ式消毒剤②
万が一、子どもの目に薬剤が入ってしまった場合、すぐに水またはぬるま湯で洗い、眼科医の診察を受けましょう。
いったん目を洗うときは、蛇口から水を出しっぱなしにして、両手で水またはぬるま湯をためます。そのなかで子どもに目をパチパチさせまばたきをくり返します。
このときゴシゴシと目をこすると角膜を傷つけてしまう可能性があるため、子どもにこすらないように声をかけてあげましょう。

目に入った薬剤の商品名、成分がわかるようにスマホで撮影

眼科医を受診する際、自宅であれば目に入った薬剤をそのまま持ち込むことができますが、外出先だと難しい場合も。そんなときは商品名がわかるように正面からと、はいっている成分がわかるようにスマホなどのカメラを使って写真を撮っておくこと。
事故が起きると、ママもパニックになってしまいますが、こうすることで眼科医への説明が楽になります。

口に入ってしまった場合は、まずはうがいを。
ちなみに、目ではなく口に入ってしまった、飲み込んでしまった場合は、少量であれば、うがいを十分させ、様子を見ましょう。もし、その後に嘔吐したり、意識が悪くなるようなことがあったら、医療機関を受診してください。
飲んだものによってはムリに吐かせないほうがいいこともあります。吐くことで誤嚥性肺炎を起こすことがあります。

プッシュ式消毒剤は、本来、バイキンから体を守るものです。なので、プッシュ式消毒剤を不用意に使用することで本末転倒にならないように配慮してください。ご家庭でも消毒薬全般のものは、小さいお子さんにとって害になることがありますので、設置の場所などに工夫が必要です。

(※)消費者庁は国民生活センターと共同で、平成22年12月から、医療機関(平成27年10月時点で30機関が参画)から事故情報の提供を受けています(「医療機関ネットワーク」事業)

「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとって欲しい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも5分で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。

ほかにも、大地震の事故 などの生活に役立つ記事は『朝ごふん』ページで読むことができます。ぜひご覧くださいね。
朝ごふんについてもっと知る

関連記事

乾電池で子どもがやけど。災害時の懐中電灯やラジオに乾電池を入れっぱなしは危険!?【朝ごふんコラム】
※2018年11月時点の情報です。 消費者庁によると、乾電池が原因による子どものやけどや、誤った使い方による液漏れなど、家庭で起こりやすい事故情報が報告されています。国立研究開発法人 産業技...
キッズデザイン賞発表。専門家が注目する選定ポイントは?【朝ごふんコラム】
2018年度のキッズデザイン賞が発表されました。今年は、子どもの安全に配慮したファスナーや、360度車の死角をなくす自動車、幼児用座席つき電動アシスト自転車など、ママたちにも役立ちそうな製品がいっ...
駅での子どもの事故、5年間で730件!気をつけるべき5つのポイント【朝ごふんコラム】
「電車に乗った際に戸袋に子どもの手が挟まれた」「電車がベビーカーをドアに挟んだまま発車」。東京消防庁からデータの提供を受け、産総研が分析した駅・構内での事故データをみてみると、2011年から2...