【突撃、世界ごはん!】マラウイってどこ!?未知の国の家庭料理を初体験!
こんにちは! 日本に住んでいる外国人のお宅訪問企画、『突撃、世界ごはん!』第13弾は、マラウイ人のヤシンタさんにインタビューしに来ました! この企画初のアフリカ圏でございます!! ちょっぴり緊張しながらお宅訪問してきました~! 今回は、Tadakuという外国人の自宅で学べる家庭料理教室の協力のもとお伺いいたしました。
旦那様のお仕事で、日本のマラウイ大使館への転勤で日本に暮らすことになったというヤシンタさん。事前に調べたマラウイの情報から想像していた雰囲気とは全く違い、広々とした大きなお宅で、伝統衣装で出迎えてくれました! 日本に住んで6年になるヤシンタさんは、8歳と1.4ヵ月になるお子さんがいるママさんです!
マラウイってどこ?アフリカ圏のこんなところにあるんです!
アフリカ大陸南東部に位置するマラウイは、タンザニア、モザンビーク、ザンビアの国境と接しています。観光にオススメなのは、マラウイ湖だと話すヤシンタさんは、首都のリロングウェ(Lilongwe)出身です。湖は水は綺麗でリゾート地にもなっており、スキューバダイビングもできるそう。自然が多く山でのクライミングもおすすめだそうです。
日本にはマラウイの情報が普段入ってこないので全く未知の国ですが、早速マラウイの家庭料理を教えてもらいましょう! メニューは“マラウイ湖の魚「テラピア」のトマト煮込み(Chambo cha Nsuzi-stewed tilapia fish)”“マラウイの主食、シマ(Nsima)”“かぼちゃの葉っぱとトマトのシチュー(Nfutso wa Nkhwani wotendera)”“マラウィ伝統のバナナフリッター(Zitumbuwa-Banana fritters)”です!
ティラピア??えっ?ピラニア食べさせられる!?
まずはメインディッシュのティラピア料理を作ると説明してくれるヤシンタさん。ティラピア?え?なにそれ?もしかしてピラニア!? アマゾンの人食い魚と呼ばれるピラニア食べさせられるの!? と慌てる私。魚について説明を続けるヤシンタさんはチャンボチャンボ! と言います。え?チャンボっていう魚なの?結局なんなのかさっぱり分からん! と言ったら見たほうが早い! とキッチンへ移動することに(笑)
見たらなるほど! やっと理解できました。マラウイではチャンボと呼ばれている魚で、英語名がティラピアってことみたいです。この魚はマラウイ湖でも採れるらしく、日本でも上野のアメ横地下にあるアジアンマーケットで手に入れることができるそうです。
ティラピアを豪快にバァン! と三等分したら、大き目のフライパンに入れ、強火にかけ、みじん切りのにんにく、塩小2をふり、水をひたひたに入れて蓋をして20分ボイルします。頭も食べるそうです!!
別のフライパンでオリーブオイルを多めに強火で熱し、たまねぎのくし切りを飴色になるまで炒め、トマト(中4個)の角切り、マラウイのカレーパウダー小1、パプリカパウダー小4ほどを加え、トマトをつぶすように混ぜてながら炒めます。
細切りにしたにんじん1/2本も加えて火が通ったら、ボイルしたティラピアのフライパンにうつし、塩小2を加え、水分がなければひたひたになるまで足し蓋をして中火で10分煮込みます。
ピーマン、黄パプリカ、赤パプリカの細切りを上にのせ蓋をして5分煮込んで完成です!
かぼちゃの葉っぱのシチューってどんなもの!?
マラウイでは、かぼちゃの葉っぱを乾燥させたものを使ってシチューを作るそうですが、日本ではかぼちゃの葉っぱと言われてもイメージが沸きませんよね。こちらが、マラウイから持ってきたというかぼちゃの葉っぱ!
こちらを鍋で1時間ほど塩を少し入れて茹でてから料理に使います。ボイルできたら、角切りにしたトマト2個を入れ5分煮込みます。
その間に、“Groudnuts powder”(ピーナッツパウダー)大さじ6に水50mlを混ぜてペースト状にします。
それを鍋に加え、たまに混ぜながら10分ほど煮込んで出来上がりです! 一体どんな味がするのが全く想像ができません!
マラウイの主食シマ!他のアフリカの主食とどう違うのか!?
アフリカ圏の主食と言えば、トウモロコシ粉を練ったものらしいのですが、国によって粉や名称、作り方が微妙に違うらしく、マラウイではシマ、ナイジェリアではフフ、ジンバブエではサザ、他タンザニアやケニアではウガリなど名前が変わるそうです。
マラウイでは“maizeflour”(とうもろこし粉ですが、アフリカ圏ではcornflourとは呼ばないようです)をお湯で練ったシマを主食としています。シマを作るのには2つの伝統的な道具があるというヤシンタさん。それがこちら!長いほうがティコ(Nthiko)、スプーンのようなものがチパンデ(Chipande)。木彫りの手作りで、ティコを使って料理し、チパンデを使って盛り付けるそう。では取りかかりましょう!
鍋に3カップの水を入れて沸騰させ、メイズフラワー4カップを入れてティコで混ぜます。とろとろになってきて、10分ほどたって粘りが出てきてからが大変な作業です! ティコを鍋の真ん中に直角に立て、鍋の内側に押し付けたらぐるっと回す。というのを何度も繰り返します。
これが上手にできるかできないかで仕上がりが変わり、マラウイではシマを上手に作れる女性がモテるそうですよ♪実際に私も挑戦! 簡単そうに見えて、実は難しい! まず、粘り気がすごいので重くて回すのも大変でした~! これをずっと繰り返すなんて・・・私はできそうにありませ~ん。
日本ではごはんは出来たものがスーパーのお惣菜コーナーにあったり、レトルトのごはんがありますが、マラウイにはコンビニなどもないのでシマは毎食手作りしなければならないそうです。しかも、子どもも多く家族の人数が多いので一度に大量のシマを作るお母さんは本当に大変!これだけでもかなり体力を使うと思います。
ある程度練り終わったら、弱火で5分蓋をして最後にまた混ぜて完成です。お皿に盛るときに必要となるのがチパンデ! 水につけたチパンデ(しゃもじ代わり)で鍋からシマをすくってお皿にのせたら、チパンデの反対側を使ってシマの形を整えます。これで完成です!
バナナフリッターは粉量が多く想像とは違う食べ物に!
バナナフリッターと聞いて、スライスしたバナナに薄く衣をつけてさっと揚げたスイーツみたいなものを想像していたのですが、違いました。
まず、熟したバナナ6本をマッシャーでつぶします。塩2つまみ、砂糖大さじ4ほど加え、メイズフラワーを少しずつ4~5カップほど入れて混ぜていきます。
最初はねばねばとしていますが水気がなくなって手で取り形づくれるぐらいの固さになるまで粉を足していきます。出来たら油で茶色くなるまでよく揚げて完成です!
全部できた~!マラウイ家庭料理初体験!いただきます!!
まずは、お皿にそれぞれの料理を取り分けます。
食べ方や順序についてヤシンタさんに聞いてみると、シマはごはん代わりで味がないのでおかずを一緒に手で取って食べるそう。スリランカ人の取材でも熱々のカレーを手で食べ、片手で食べる習慣に慣れてきた私。早速現地らしく食べてみます!
初めて食べるシマですが、とてもクリーミィーで柔らかくて舌触りがよく、マッシュポテトみたいです。それにどれも熱くないのでアチッ! アッツイよ!! とならずに普通に手で食べられます(笑)テラピアのトマト煮込みは、タラより少ししっかりと弾力がある白身魚で、柔らかく煮込まれた野菜と、その出汁がいきわたったトマトソースがとっても美味しい! さらっとしているのに、味がしっかりとしていて、食べやすいです。
かぼちゃの葉っぱとトマトのシチューは、見た目からして得体のしれない謎な食べものに見えますが、まず、葉っぱが絡み合っていて片手で食べやすいサイズに取るのが難しいぃ! 食べてみると、葉っぱを食べている感じはなく、癖のある味でもなく、ほうれん草よりも柔らかい葉野菜で、葉っぱ自体の味はしないけれど、恐らくピーナッツパウダーペーストのコクと、長く煮込んだトマトの旨みで味が整えられている感じです! 食べたことがないので、こんな味! と表現することは不可能なのですが、想像以上に美味しい! そしてやっぱりシマと一緒に食べるからより美味しくなる気がします!!
そして最後に、デザートのバナナフリッター。作っているときから察していましたが、ほぼメイズフラワー(とうもろこし粉)なので、全然甘くない! し、バナナの味もあまりしない(笑)なので、スイーツ感はゼロ! 口の中の水分を持って行かれるのでパクパク進むデザートではありませんが、これがマラウイ伝統のバナナフリッターなんでしょう。一度に大量に作れて、腹もちがいいので、子沢山なマラウイの家族にはぴったりの家庭のおやつなんだと思いました!
ヤシンタさんありがとう! 次回は、マラウイの村の現実と首都でのライフスタイルの違いや、子育てについて聞きたいと思います。お楽しみに!