「大事なものは見せちゃだめ!」イギリスの性犯罪を予防するアニメが話題
開放的な夏休み! 子どもたちにも楽しい思い出をたくさん作ってほしいですね。だけどイベントや旅行など、外出先で知らない人と接する機会も多くなるこの時期、子どもが事件や犯罪に巻き込まれることだけは気を付けたいもの。
そんな中イギリスでは、子どもたちを虐待から守る活動をしている団体が、子どもたち向けの夏のキャンペーン用に動画を公開し、ちょっとした話題になっています。その名も「パンツサウルス」。一見して普通の子ども向けアニメーション、何がそんなに話題なのでしょうか?
このアニメーションは、全英児童虐待防止協会(NSPCC:National Society for the Prevention of Cruelty to Children)が、子どもたちを性犯罪から守るために企画。製作したのは日本でも大人気のクレイアニメ、「羊のショーン」「ウォレスとグルミット」などを手がけた、アードマン・アニメーションズ(Aardman Animations)です。
『パンツサウルス』
この歌に出てくる「パンツサウルス」という恐竜は、パンツが大好き。一日中パンツをはいています。
パンツサウルスは、
「パンツはキミの大事なものを守ってくれてる。キミの大事なものはキミだけのもの。誰かが『パンツの中を見せて』って言ったら『ダメ!』って言えばいい」
などと歌います。
さらにパンツサウルスはこんなふうに呼びかけます。
「誰かに『見せて』って言われたり触られたりしたら、すぐ逃げて! そして信頼できる大人に、何があったかちゃんと言うんだよ! そしたら何もかもだいじょうぶ」
かわいいパンツサウルスたちが楽しく歌って踊って、パンツの中の大事なものと、それを狙う悪いひとから身を守る方法について教えてくれる、という内容になっています。
日本でもパンツに関わる子どもの歌はいくつかあるけれど、「性犯罪とパンツ」をダイレクトに扱ったものってなかなか思い当たりませんよね……。
さてその評判は……?
7月末に公開されたこの動画は、3日も経たないうちに5万回以上再生され、1400人以上もの人がシェアしました。中には、
『いいんだけど……なぜ恐竜!?』
『大人の恐竜が誰もパンツはいていないのがおかしいじゃないか!』
『大人の恐竜にはせめてズボンかスカートをはかせてあげて!!』
といったコメントもたくさん見られましたが(笑)、
『3歳の娘が気に入りました! 幼児に対する性犯罪の問題にどう対処すべきか分からなかったけど、いいヒントをもらったと思います』
『さっそく8歳の息子と“パンツのルール”について話し合いました!』
などと、多くの人に好評だったようです。
性犯罪防止を「楽しく語る」ことについて
NSPCCは、この歌が子どもたちに分かりやすく楽しいものに仕上がっていることにとても満足しており、とくに「脅すような言葉や、性的な表現はいっさい出て来ない」ということをアピールしています。
しかしこれについては賛否両論あり、「性的なことや命に関する問題について『おもしろおかしく楽しく』教育することはいったいどれだけの効果があるのか。逆に、問題の本質をあいまいにしてしまうことにはならないか」という意見も見られます。
さてみなさんはこの「パンツサウルス」、どう思われますか?
文・編集部