夫の不倫が原因で離婚!なのに子どもを連れて逃げられた【第7話:不倫相手リカの気持ち】最終回まんが
前回からの続き。のぞみちゃんが寝ると私は綾子さんに会ったことを告げました。
しかしこれだけでも酷い話なのに彼は更に続けます。
「アイツのせいにしないと慰謝料払って離婚することになって世間体が悪いだろ。再婚相手の君にも悪評が立つとかわいそうだと思ったし。幸いアイツは不倫の証拠なんて大して持っていなかったし経済力もないから、訴えようはなかったみたいだったけどな。アイツがのぞみを養っていくのなんて無理だろうから、ちょっと強引でもこれでよかったんだって!」
怒るでもなく落ち着いて話す私の様子に、彼は許されたのだとすっかり勘違いをしているようです。調子よく次から次へと身勝手なことを言い続けていました。
なんて最低な男なのか……。けれど、まんまと話してくれてよかったです。なぜなら私は、彼の話を録音しながら聞いていたからです。私はその録音データを彼の両親と親交のある職場の上司に送りつけました。
彼の両親は大変驚き、私にも連絡が来ましたが「不倫をしていた」と認めました。裁判になれば証言するつもりだとも言いました。またのぞみちゃんを母親に返すので、養育費は支払う義務があると伝えました。息子のしでかした事の重大さに恐れおののいたのか、「何てことを……」と震えた声で呟いていました。彼の母は泣いているようでした。
彼と同じく世間体を気にする両親は、お金で解決するべく慌てて孫の養育費を払うようにしたそうです。もちろん立て替えた金額は彼に請求し、毎月支払いをするよう強く求めたそうです。裁判沙汰にどうしてもしたくないようで、かなりの額になったとのこと。
いくら稼ぎがよくても結構なダメージでしょう。ですが、それで解決するとも思えません。彼は職場でも軽蔑され、針のむしろです。いろんな人をだました結果です。当然の報いでしょう。
のぞみちゃんは綾子さんと2人で平穏に暮らしているようです。そして綾子さんにももちろんそのデータを渡しました――。
綾子さんは「生活にいっぱいいっぱいだし、親のもめごとをのぞみに見せたくない」からと今は訴えないと言ってくれましたが、いつ気持ちが変わるかわかりません。いつでも罰を受けようと覚悟しています。
―それから―
私はすぐ彼との同棲を解消しました。
別れ話などは一切せず、逃げるように家を出ました。
まだ入籍も婚約もしておらず彼が離婚をしたばかりという状況だったため、彼と自分の両親を互いに紹介はしていませんでした。私はそれが幸運だったと思って、地元へ帰りました。
地元に帰ると、事情を聞いた両親からはこっぴどく叱られ、そして泣かれました。反省の日々です。LINEや着信履歴は、彼からの嵐のようなコールでいっぱいでした。しばらくは鳴りやみませんでした。でも各方面に悪事がバレたため、それどころでなくなったのか連絡が来ることはなくなりました。
彼はきっと社会的信用も何もかもを失って途方に暮れていることでしょう。私が裏切ったことを恨んでいるかもしれません。でもそれ以上の罰を受けて当然の人間です。私が言える立場ではありませんが、これからの、のぞみちゃんとお母さんの幸せを願ってやみません――。
―終ー
脚本・たかおぎ なる 作画・Ponko 編集・秋澄乃
【つぎ】の記事:【前編】不倫相手を妊娠させた夫。でも悔しくて離婚したくない……