<選ばれない息子>「続けることも才能!」サッカーを楽しんでいるなら……心境に変化【第3話まんが】
前回からの続き。私(40代、ナナコ)は、夫(40代、トモヒロ)と小5の長男(ユウキ)、小3の次男(ショウタ)との4人暮らし。半分遊びのように楽しんでいましたが、学年が上がるにつれてメンバーのスキルに差ができ、長男はいま、ほぼベンチ要員です。試合に出られず冴えない表情の長男。かといって自主練をするでもなく、のほほんと過ごすばかり。そんな長男に対し、私は友人や次男と比べるなど、つい余計な声がけばかりしてしまいます。スポーツ経験者の夫は、「楽しければそれでいい」という考え。夫の意見には同意するも、割りきれない気持ちも残ります。
目下、長男のサッカーへの悩みが晴れない私。会社でのランチどき、先輩にも話を聞いてもらいます。先輩の息子さんはもう成人していますが、学生時はバスケットボールをしていたそうです。
「うちの子はさ、ずっとゆるーくバスケを続けていたけど、正直ぜんぜん上手じゃなかったの」先輩の話は、目からウロコでした。
「でも体育の授業では、ちょっとしたヒーローになれてうれしそうだったな。今も社会人サークルみたいなのに所属してバスケを続けているみたい。好きなことがあるから仕事もがんばれるみたいだし」先輩の話に、そういう楽しみ方もあるんだ、と気づいて私は感動しました。
「そうそう。サッカーは、人生の楽しみのひとつとして考えればいいんじゃない? いくつになっても、わが子が楽しそうなのが親としてはうれしいよ」私とは違う視点を持った言葉に、学ぶものが多い話でした。さらに先輩は私の気持ちにも寄り添ってくれます。
確かに「続ける」というのも1つの能力です。私は上達することばかり考えて、長男の頑張りに目を向けていなかったのかもしれません。
「長男が楽しいならそれでいい」とシンプルに割り切ろうと考えなおしました。たとえ親の目に頑張っていないように思えても、本人がやめたくないなら応援しようと気持ちを切り替えていきたいと思っています。
その後、息子の様子は劇的に変わったわけではありません。あいかわらず自主練もほぼやらず、レギュラーにも選ばれていません。でも私が口うるさく言わなくなったからか、楽しそうに帰ってくる日も増えました。私自身も「息子が楽しいなら続ける」とサッカーに対する方針を決めたら、不思議なほど気持ちがラクになりました。
まさか子どもの習い事を通して、こんなにも悩み、私自身も成長の機会をもらうとは思ってもいませんでした。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・rollingdell 作画・春野さくら 編集・塚田萌