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はなわ:第2回 会いたくて会いたくて嘘をついて。「もう帰らなきゃいい」って

第2回となる今回は、奥さまとの遠距離恋愛時代のお話です。とくに若い年頃であれば会えない寂しさからダメになってしまいそうなものですが、はなわさんによればむしろ気持ちは盛り上がったのだとか。

一緒に住み始めたものの、彼女が病気に。ものすごいショックでした

■遠距離のおつきあいで、どんなふうにコミュニケーションを取り合っていたんですか?

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今みたいにメールできるような環境ではなかったので、文通ですね。真面目に文通やってました。で、夜は電話して。僕はまったく仕事のない芸人でしたけど、向こうは仕事をがんばっていたので会いたくなったら来てくれる、という感じでしたね。休日に東京に来て2日間一緒にいて帰る、そんなことを繰り返していました。

■そこまでして交際が続いたのはどうしてだったと思いますか?

ん~……、ま、好きだったんでしょうね(笑)。遠距離恋愛のよいところが、お互いのよいところしか見えないことなんですよ。ずっと一緒にいると、イヤなところもいっぱい見えてきたんでしょうけど。たまに会えるとすごくうれしいし、離れると寂しくなるし。1年半くらい続いたのかな? その当時のことはあまり覚えていないんですけど、まぁいろいろあったとは思います。

■ではどのタイミングで結婚を考えたんですか?

それがちょっとややこしい話になるんですけど。彼女が東京から帰ると、すぐまた会いたくなっちゃうんですよ。向こうは「仕事があるからダメ」って言うんですけど、「いいじゃん、関係ないよ」とか言っちゃうんです。今考えると本当にダメなんですけどね。そしたら「行きの飛行機代はあるけど、帰りのお金がない」と言うので、「俺、あるから。大丈夫」って嘘をついちゃったんです。で、本当に来てくれて2~3日してから「明日は仕事かあるから、帰らないと。チケット代、いい?」って言うから「ごめん、ないんだよ。だったら、もう帰らなきゃいいじゃん」って……そっからずっと東京にいました。

■ええっ! そこでケンカになったりはしなかったんですか?

ですよね。でもあっちも仕事がつらかったらしくて。会社の人たちからも「売れない芸人なんて、やめておけ」ってさんざん言われていたわけですよ。悩んでいたから「帰らなきゃ、やめられるでしょ」って、僕の言葉に納得したんだと思います。

■うわぁ…。本当に若さゆえ、ですね

本当にダメですよね(笑)。それで一緒に暮らすことになったんですけど、当時僕の住んでいたアパートが風呂なし、共同トイレで家賃2万数千円だったんですよ。ふたりで住むのはNGだったから、ある日大家さんから呼び出しをくらって。「女の子と住んでいませんか?」と聞かれて「はい」。絶対に怒られると思ったんですけど、怒られたのはそこじゃなかったんです。「こんな汚いところに女の子を住ませて、かわいそうじゃないのか」って。で、「そうなんですけど、お金がないので」と言ったら、「滞納している家賃はもういいから、ちゃんとしたところに引っ越ししなさい」と言われました。3~4ヶ月滞納していたんですけど、チャラにしてもらえるのなら引越し費用くらいはあったので引っ越ししました。
で、彼女はその少し前から働き始めていたんですよ。うちの親の知り合いがはじめたお店の社員になったんです。ただ、当時僕らが住んでいたのが小田急線の梅ヶ丘、お店は錦糸町にあって。

■かなり遠いですね! 山手線をひとまたぎしますよね

はなわ
遠いお店に朝早くからラッシュの電車に揺られて行って、帰ってくるのが夜中とか。あるとき「お腹が痛い」って、2日連続で早退してきたんですよ。あまりに痛くて病院に行ったら、子宮の病気と診断をされて。完全に環境の変化やストレスが原因ですよね。すごくショックでしたし、反省しました。
僕も病院に行って先生と話をして、「どうすれば治りますか?」って聞いたら……これは僕の中にインプットされている記憶なので正しいかどうかはわからないんですけど……治すにはふたつしか方法はない、と。ひとつは男性ホルモンの投与、もうひとつは妊娠して胎盤を下ろすことだと言われました。


究極の二択を迫られてしまったおふたり。でも、このピンチがのちに結婚へとつながる大きな出来事になるのです。続きをどうぞお楽しみに!

(取材・文:鈴木麻子 撮影:chiai)