<不倫だった父と母>「子どもに罪はない」養育費を払うと決めた父の妻の想いとは……【第7話まんが】
前回からの続き。私はユウカ。中学生のときに父と母は別れたのですが、実は2人は不倫関係で、私は不倫の末に生まれた子どもだったのです。混乱を隠し切れない私でしたが、婚約者のシンタの言葉に支えられ、ゆっくり時間をかけて自分の気持ちを整理させようと思っていました。そんな矢先、父が余命わずかで私に会いたがっているとの連絡が入り、悩んだ結果、私は父に会いに行くことにしたのです。しかしいざ病室に入り、父の奥さんを目の前にして動けないでいると、彼女は「あなたが罪悪感を抱く必要はない」とハッキリと言ってくれたのでした。
私は父と他愛のない話をしてから帰ろうとしました。最後に、父の奥さんに話しかけます。「あ……あの……!」
「養育費……本当にありがとうございました」今回これだけはしっかり伝えなくてはと思っていました。見放されていてもおかしくない立場であるにも関わらず、しっかりとサポートしていただけた恩は、感謝の意を表すべきだと考えたのです。
伝えたいことを伝えて、私は病室を後にすることにしました。
今度こそ、父とは最後の別れになるでしょう……。でも今までのようなモヤモヤした気持ちではなく、むしろすっきりとした気持ちもあります。中学生のころに味わった理不尽な別れではなく、自分で選びとった覚悟の上での別れだからです。寂しくないわけではありませんが、父とお世話になった奥さんに「自分は今幸せだ」と伝えられたことは、私の人生における一つのゴールではないでしょうか。「では、失礼します」
「不倫は……誰も幸せにしないの……」
両親の不倫の末に生まれた私なのに「子どもに罪はない」と父の奥さんは進学に困らない額の養育費を渡してくれました。「養育費は子どもの権利だ」と、私は知識としては知っています。けれど実際渡すに至るまでには、父の奥さんの心の中にはきっと悔しい気持ちや、やりきれない気持ちがいっぱいだったのではないでしょうか。その気持ちを飲み込んで、お金を渡してくれたおかげで私はここまでやってくることができました。感謝の気持ちをしっかり伝えることができて、本当に良かったです。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・よしはな 編集・今淵凛