<空気の読めない旦那>ひとりきりの義母「寂しいはず」「いてあげたい」入り浸る旦那【第3話まんが】
前回からの続き。数年前の話です。私は西田メグミです。義父が突然病に倒れてしまい、数ヶ月の闘病生活を経て亡くなってしまったのです。長いあいだ義父のために尽くしてきた義母には、これからはゆっくりしてもらいたいと思っています。しかし旦那(アツシ)は「母さんのそばにいてあげたい」と結構な頻度で義母に会いにいくようになりました。
ひとりきりで生活する自分の母親が心配になるのは仕方がないと思います。ただ、アツシが頻繁に行き過ぎているせいで、義母はゆっくり休めていないのではないか……と不安になってきました。
「お前、まだそんなこと言っているのか? 母さん、すごく気落ちしているんだぞ?」「それは分かるけれど……」アツシの意思は固く、曲げようとしません。
私が知らなかった真実が明らかになるのです。
「母さんって、食事の品数すっげー多かっただろ? この前は味噌汁と白米と焼き魚と漬物だけだったんだぜ?」アツシの発言に驚きました……。義母に会いにいった日は、てっきり外で適当に食べてきていると思ったからです。「……あんた、毎回お義母さんにご飯作ってもらっているの?」アツシの考えがまったく理解できません!
“実家なんだからそのくらいしてもらって当たり前”スタンスにドン引きです。義母は優しいからアツシに言えないだけで、絶対迷惑に決まっています! 私が渋い顔をしていると、アツシは義母とのやりとりを教えてくれました。
義母は、私と子どもたちのことを気にかけていたそうです。「あなたにはあなたの家庭があるんだから、私のことばかり心配しないで自分の家庭を大切にしなさい」と。
アツシが家にいると心休まらない状態でしょうし、さらに私たちのことも頭をよぎっているとなると……義母に相当な負担がかかっているのだと思います。
義母が「毎日来てくれなくても大丈夫だから」って遠慮するのは、私がいっしょについてこないから行けないんだと責任をなすりつけきます。とことん鈍い男です。
アツシ「いま、一番大変なのは母さんだろ? だったらもう少し母さんの気持ちに寄り添ってあげようよ」
メグミ「一番寄り添えていないのは自分なんじゃない?」
あまりにも自分勝手な行動をするアツシに、つい本音がこぼれます。
「めんどくせーーーーーー!」と声に出そうになったのをグッとこらえます。アツシが母親想いなのはじゅうぶん伝わるのですが、なんだかいろいろ空回りをしている気がしてなりません。けれど親子の関係は本人たちにしか分からないし、私が下手に口を出しすぎてもな……と黙っておくことにしました。義実家通いはしばらくアツシの意思に任せようと思います。
脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子