【登坂淳一さん・第4回】「赤ちゃんでも一人のレディとして扱うことを心がけています」
イクメン オブ ザ イヤーを受賞された登坂淳一さん。インタビュー最終回では、幼児教育についての考えや、生後5カ月になる娘さんの将来について語ってくれました。インタビュー中、ちょっとしたハプニングから「ぐずり始めた子どものあやし方」を垣間見ることもできました。登坂パパ流、子どもとの上手なコミュニケーションの取り方は?
「赤ちゃんだからわからないだろう」とは考えない
――登坂さんは、将来お子さんにどのように育ってほしいですか?
登坂淳一さん(以下、登坂):ひとつは、娘には健康で、最終的には自立した女性になってほしいなと思っています。
――夫婦で話し合って決めた育児方針などはありますか?
登坂:まだ娘は生まれたばかりですが、小さなレディとして尊重して過ごすようにしています。「赤ちゃんだからまだよくわからないだろう」と思うのではなく、ちゃんと一人の意志ある人間として、伝えたいことに耳を傾けたり、コミュニケーションを取ったりして過ごしています。
僕たち夫婦が娘に接する態度は、これから先、娘がほかの人に対しても同じようにすると思います。娘には、誰にでも笑顔で接してほしいので、僕もいつも娘と向き合うときは笑顔でいるように心がけています。
――家庭でできる幼児教育などに取り組む方も多いと思います。登坂さんはいかがですか?
登坂:とくに今なにをしようということは考えていないのですが、5才までの時期というのは、子どもの発達において非常に大事だと思います。そのためその時期を逃さないように、その時々にやってあげるといいことをやっていきたいなと思っています。
大人の都合で抱っこをするとよけいにぐずりがひどくなる
取材中、少しぐずりだしてしまった登坂さんの娘さん。「もう撮影も終わるので、抱っこしていただいていいですよ」とスタッフが声をかけたところ、「自分都合で抱っこすると、今度はバウンサーに乗らなくなっちゃうんですよ」と語る登坂さん。
――自分都合で抱っこしたらだめなんですか?
登坂:そうなんですよ。前も、ぐずるから抱っこして、でも用事があったからすぐに下ろさなければいけなかったときがあったんです。娘としては、一度抱っこしてもらって、まだ十分遊んでもらっていないのに無理やりバウンサーに戻されてしまったわけだから、すごく泣いて怒りました(笑)。
――普通だったら抱っこしちゃいますよね!
登坂:あやしてあげるとおさまるんですよ(と言って、バウンサーに座ったままの娘さんをあやしだす)。
――ものすごく笑っていますね! 娘さんは不満があったらそれを全身で伝えようとするんですね!
登坂:わりとはっきりと不満は表明しますね。今、娘はバウンサーに寝ている状態ですが、僕の顔が見えて、僕が娘に話しかけてあげればそれで機嫌がよくなるんですよね。さきほどは、僕の声が聞こえるけれど姿が見えないから「もしかしたら置いていかれるんじゃないか」と不安になったんじゃないかなと思います。
子どもから信頼される親でいたい
――登坂さんが考える父親像、母親像というのはありますか?
登坂:父親像、母親像というのはないんですが、子どもにとって信頼される親でいたいという気持ちはあります。そこは目指しています。
――登坂さん自身のお父さん、お母さんに対しても信頼は厚かったんですか?
登坂:両親のことは信頼していましたが、ただそこまで両親のことを頼りにしたかな? というのはありますね(笑)。とはいえ、両親に対して安心感はありましたね。娘も、僕や妻と一緒にいることで安心を感じられるような存在になりたいなと思います。
――「子どもとどう関わったらいいかわからない」という新米パパもいるかと思います。登坂さんからアドバイスはありますか?
登坂:なにか特別なことをするわけではなくても、ちゃんとお子さんの目を見て、反応を見て、声をかけてあげる。お子さんと関わってあげることが、一番大切なことだと思います。赤ちゃんは言葉が話せないけど、笑顔や声かけでコミュニケーションが取れますよね。毎日、少しずつお子さんとコミュニケーションを取り続けていくと、お互いの間に信頼関係が生まれてくるんじゃないかなと思います。
出産時のビデオやブログで子育て記録を残したい
――父親としてお子さんが大きくなったら伝えたい言葉はありますか?
登坂:娘が生まれたときのことを話してあげたいなと思います。「あなたが生まれてきて、どれだけパパとママが嬉しかったか」ということを伝えてあげたいです。そのために出産のときの動画もしっかり撮りました(笑)。「あのときは感染症が流行していたから、病院にいくのも大変で」ということも語ってあげたい。
――私も子どもがいますが、「自分が生まれたときにどのくらい嬉しかったか」ということはよく聞かれます(笑)。そう思うとブログなどに育児日記を書いておくのもよさそうですね。
登坂:僕も子育ての備忘録としてブログを書いていますが、それはすごくいいことかもしれませんね。これからも続けていきます。
(編集後記)
「イクメン オブ ザ イヤー」を受賞した登坂淳一さんの子育てインタビューは、今回が最後です。取材に一緒に連れてきてくれた娘さんは、常にニコニコ。夜もしっかり寝ているということで、とってもすくすく育っている印象でした。最初は「赤ちゃん自身の性格」でニコニコしているのかと思ったのですが、話を聞いていくと登坂さん夫婦がしっかりと娘さんと向き合っていることがわかりました。子育て中は余裕がなくて大変なことも多いですが、一旦スマホを置いて子どもの表情や言葉に注目してあげると、新しい発見があるかもしれませんね。
取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ