【登坂淳一さん・第1回】50歳でパパになり「イクメン オブ ザ イヤー」を受賞した登坂淳一さんの育児とは?
50歳目前で待望のパパになったフリーアナウンサー登坂淳一さん。長年NHKアナウンサーとして活躍し、現在はフリーアナウンサー、YouTuber、TikTokerとして活躍しています。2021年4月に待望の第一子となる娘さんが誕生。現在5カ月になる娘さんの育児に奮闘しています。
登坂さんは、その年最も育児を楽しみ、 頑張ったパパ(著名人)を表彰するアワード型イベント「イクメン オブ ザ イヤー2021 芸能部門」に選ばれました。受賞を記念して、登坂さんがどのように娘さんと接しているのか、新米パパとしてどんな工夫をしているのかお話を伺いました。
子どもが生まれる前と後で夫婦の役割分担のイメージが変わった
――「イクメン オブ ザ イヤー」の受賞、おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください。
登坂淳一さん(以下、登坂):とても光栄です。そうか、イクメンというところに選んでいただいたんだなと思って……。感慨深いですね。すごく嬉しいです。
――イクメンという言葉に対して、どのように感じますか?
登坂:イメージは、母親が主体となって育児をするところに父親が積極的に関わろうとしている。自分が子どもを持つ前まではそう思っていました。今、実際に父親となってみて思うことは、父親も、母親と同じようなスタンスで育児に参加しているという感じです。
僕が子どもの頃は、母親が家事をやり、父親が稼ぐのが一般的だったこともあり、子どもができる前は、その傾向が強いのかなと自分で思っていたんですね。世代的なものがありますからね。でも、僕の後輩でも育休を取っている人たちはいたから、ここ数年で育児に対する考え方が変わってきたんだなと思っていました。
毎日子どもの変化を見るのが楽しくてたまらない
――実際に子育てをしてみてどうですか?
登坂:楽しいです! この世に誕生してたった1カ月で変わっていく娘の姿を見ると、「人ってこんなふうに成長していくんだ」と実感できる。泣き方1つとっても、たった1カ月の間ですごく力強く泣くことができるようになりました。また手足をバタバタと動かすようになったり、ミルクの飲み方が変わってきたりと、毎日少しずつ変化しています。そんな娘の変化を間近で見ているのがとても楽しいです。
――お子さんが生まれたときのことを振り返ってみて、いかがですか?
登坂:「生まれてきてくれてありがとう」。その気持ちでいっぱいでした。
最近やっと夫婦で夜に映画を見る時間がとれるように
――お子さんが生まれてから生活の変化はありましたか?
登坂:娘のペースに合わせるようになったので、夜更かしすることが減りましたね。娘が生まれる前は、夜、夫婦で好きなドラマや映画を見ていたんです。娘が生まれてからは、夜になるとお互いぐったりして「今日は寝ようか」となってお休みしています。
今、娘が5カ月になり、ようやく夫婦二人で娘が寝た後に映画を見る時間がとれるようになりました。
――夜は何時に寝ていたんですか?
登坂:早い時は夜の9時くらいですね。すごく健康的な生活をしていました。
夜中、妻が先に起きると「すみません」という気持ちになる
――娘さんは、夜しっかり寝るタイプのお子さんですか?
登坂:そうですね。わりと寝ていると思います。夜は娘をお風呂に入れて、ミルクを飲ませて、げっぷをさせてとやっていたら、自然と寝るんですよね。もちろん最初の頃は抱っこしてあやしたりもしました。ただ一通りルーティンが終わるころには、娘はほぼ寝ているので楽でした。
――よく眠る赤ちゃんなんですね。
登坂:幸いにもよく寝てくれました。夜中に起きるとしても、朝4時くらいに1回起きる程度です。生まれたばかりの頃は、夜中に一度目を覚ますこともありましたが、最近は朝までぐっすり寝てくれるのでとても助かっています。
――登坂さんは昼間、お仕事がありますよね。夜中の育児分担はどうされていますか?
登坂:夜は基本的に僕が起きてやります。子どもがそれほど起きないというのもありますけど、おむつは性能がいいから夜寝るときに替えて、朝起きるまでそのままです。夜中に起きてミルクをあげるときも、だいたい僕がやります。
――夜中に赤ちゃんが泣いたらすぐに気づきますか?
登坂:気づきますよ。自分が先に気づくか、妻が先かということはありますけどね。妻が起きてミルクを作ってあげていると、なんか「すみません」という気持ちになるんですよね。なんか「出遅れた。悔しい!」という気持ちになるんですよ(笑)。
最初の頃は、夜中に二人で起きて一緒にやっていたんですよ。ただ妻は昼間ずっと一人で娘の面倒を見ているから疲れていて、僕のほうが早く気づくことが多かったんです。それでだんだん僕がやるという感じになっていました。
お互い子どものためにやっていること。まずは感謝の気持ちを持つ
――赤ちゃんのお世話を頼んでもやってくれないパパも多いと思います。男性はどんなふうに声をかけたらやってくれますか?
登坂:これは妻ともよく話すんですけど、ママの基準で「もっとこうしてよ!」と言ってしまうとパパとしてはつらいかなと思います。パパはパパなりにできる範囲でがんばっていると思うんですよね。
――なるほど。パパにお願いしたらあれこれ口を出さないで見守るというスタンスも大事なんですね。
登坂:家事も育児もお互い口を出しすぎないことが大事だと思います。たとえ相手が自分の望むようにできていなかったとしても「気づいたほうがやればいい」と思います。
結局、育児のことは多少お互いのやり方が違っていたとしても、子どものためにやっていることですよね。「こうするべき!」「なんでできないの!」と相手を責めるのではなく、まずはやってくれたことに感謝をする。
よく妻と「支え合いましょう」と言っています。夫婦で支え合いながら子育てをしていくのが、お互いにとって一番心地いいし、娘にとってもいいことだと思います。
(編集後記)
生後5カ月になるお子さんを連れてインタビューに応じてくれた登坂さん。毎日娘さんのお世話を通して、いろんな発見をし、子育てを楽しんでいることが伝わってきました。登坂さんが育児を楽しいと思える裏には、奥様との関係があるのかもしれません。次回は、奥様との関係についてさらにお話を伺ってみます。
取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ