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50才でパパになった登坂淳一さんが語る「不妊治療の中で支えられたこと」【前編】

長年NHKアナウンサーとして活躍し、現在はYouTuber、TikToker、フリーアナウンサーとして活躍している登坂淳一さん。50歳を迎える今年、第1子となるお子さんが誕生予定です。1年間不妊治療を続けて授かったお子さんとあって、喜びもひとしお。不妊治療について悩む夫婦が多いなか、登坂さんご夫婦はどうだったのでしょうか。普段はなかなか聞けない夫側のリアルな気持ちを丁寧に語ってくれました。

結婚したとき「子どもが持てたらいいね」と夫婦で話した

――まもなく奥様がご出産される予定ですね。おめでとうございます。

登坂さん(以下、敬称略):ありがとうございます。

――登坂さんは、不妊治療を経てお子さんを授かったそうですが、治療を始めるきっかけはあったんですか?

登坂:2019年3月に結婚したんですが、そのとき「お互い子どもが持てたらいいね」という話はしていました。治療を始めたきっかけは特になくて、当時僕が40代後半、妻も30代後半だったので、まずは1度病院に行って検査してみようという話になったんですよ。検査の結果、問題はなかったんですけど、自然妊娠を待ちつつ同時に治療も受けていこうかという話になり、スタートしました。

――治療についてご家族や友人に何か伝えましたか?
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登坂:誰にも言ってないです。うちの父親は他界していましたし、母親は特に何か言うタイプじゃないんですね。妻の親からも聞かれることはなかったです。内心、どちらの親も「孫が見られたらいいな」とは思っていたと思いますよ(笑)。でも、そっとしておいてくれました。

「未来につながる治療だから大丈夫」心に残った妻の言葉

――不妊治療では、一般的に女性のほうが病院に通う回数も多く、痛い治療に耐えなければいけないなど、大変かと思います。奥様はどんな様子でしたか?

登坂:病院に行く日は気持ちが落ち込むこともありましたね。でも「未来につながる治療だから」ということで、わりと前向きでした。僕も毎回病院に付き添い、妻と一緒に先生から説明を受けて、治療方針などを一緒に決めていました。また病院の帰りには「ちょっとおいしいものを食べに行こうか」と声をかけていました。

――理想的ですね! 仕事が忙しいなどの理由で病院の付き合いはおろか、奥さんの話を聞いてあげる旦那さんは多くはないのではないかと思います。

登坂:幸いなことに、僕はNHKを退社してフリーランスで活動していたから、スケジュールは調整しやすかったんです。アナウンサーという仕事柄、しっかりと聞く訓練をしてきたので、それも大きかったかもしれませんね。

――会話において、奥さんに対して「結論から言って!」と言ってしまう男性も多いです。

登坂:家に帰っても仕事脳のままだと、妻に対してそう言ってしまいがちかもしれません。まず男性は「ひたすら相手の話を聞く」ことを心がけるといいですよ。

というのも、妻は解決策なんて求めていなくて、ただ話をきいてほしいんですよね。そのうえで「今、妻は喜怒哀楽で言ったら怒・哀なんだな」と感情を分類します。ちゃんと相手の話を聞いて「今不安に思っているのかな?」「つらいのかな」など、観察して、疑問があれば質問して、話に耳を傾けるようにしていました。相手の感情を受け止めてあげるだけで、聞いてもらっているほうは「気持ちを理解してくれた」ということで、かなりスッキリすると思います。

――登坂さんの接し方は、妻側からしたら理想的な行動だと思います(笑)。
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登坂:言葉に出さないまでも、先生からの情報を共有したり、治療方針について話したり、一緒に1つずつやっていると感じられたことがよかったのかもしれません。

流産2回。担当医の「寄り添いと説明」に支えられた

――不妊治療は大変なことの連続だと思いますが、なかでも大変だったことは?

登坂:やはり流産です。実は2回着床したものの、1回目は不育で、2回目は妊娠反応は出るものの結局だめでした。3回目は着床しなかったのかな。このときはさすがに妻もこたえたようでした。ただ治療を担当してくれた医師が妊娠に至らなかった原因をいろいろ探ってくれたんですね。

「今回うまくいかなかった原因はこれだと思います。だから今度はこうしてみましょう」と、具体的な説明と提言をしてくれたので、とても助かりました。その先生の言葉によって「じゃあ、次はこれをやってみよう」と前向きになれました。

――奥様にはどんな声掛けをされたんですか?

登坂:僕と彼女、お互いに親という立場ではありますが、やはり実際におなかに子どもを宿した母親と、横で見ている自分とは雲泥の差があったと思います。言葉には出さないものの「私は不育体質なのかな」と感じていたと思うんですよね。そのときに僕は医師が言った「原因はこれだと思うよ。あなたのせいじゃないんだよ」ということを妻に伝えました。

――それだけ言ってもらえるだけでも、奥様は気持ち的に和らぎそうですね。

登坂:男性は妻の話を聞いたり、気持ちを受け止めてあげたり、そんなことしかできないんですよね。なにかしたいけど、できることがほぼないということは実感しました。自分は役に立たないなって思いました(笑)。短いようで長い1年3ヶ月という時間をがんばってこられたのは、お互いに不妊治療について調べて、考えて、話して、とやってきたことが大きかったと思います。

後編に続く。

 

取材、文・間野由利子 編集・一ノ瀬奈津

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