<女性同士の結婚式>憧れの先輩が突然カミングアウト!心の偏見に気づき学びを得た日【後編】まんが
前回からの続き。先輩からの思いがけない告白。私はどう受け止めたらいいのでしょうか……?
私は平静を装って招待状を受け取ったものの、心臓のバクバクが止まりませんでした。先輩のカミングアウトがあまりに突然で予想外のものだったからです。
(そっか、先輩、女性が好きだったんだな。恋愛相談したときに歯切れが悪かったのもそのせいだったのかなあ……)
そして迎えた結婚式当日。
式場は、以前友だちの式でも訪れたことのある場所でした。「先輩もここで式をあげるんだ」
私は会社の同僚席へ案内されます。何度か結婚式と披露宴に出席したことがありましたが、先輩の式も披露宴も今まで出席したものとまったく変わらないものでした。
「本人たちやご家族には、他の人にはいえないような苦労や葛藤があったのかもしれない」なんて勝手に想像すると、幸せそうな姿がいっそう輝いて見えました。
披露宴では、食事を楽しみ、プロフィールビデオの紹介があり、余興があり、それぞれの花嫁から両親への手紙あり、式も参列するゲストもみんなが花嫁二人を当然のように受け入れ祝福していました。
誰もがあまりに堂々としている様子に、ほんのわずかに戸惑う気持ちがあった自分を恥ずかしく思ったほどです。同時に、自分のなかには偏見めいたものがあったのかと落ち込みました。私はメディアでLGBTQのニュースなどをみて、自分は彼らを応援する立場、寛容な立場だと思ってました。でも実際、ごく身近に、しかも仲良くしていた人の告白を受けてドギマギしたり、誰もが当然のように受け入れている式の様子に驚いた自分がショックでした。
披露宴の最後、お見送りのとき、先輩と話す機会がありました。後から聞くと、どこの式場でも同性婚に対応しているわけではないようでした。先輩のように行動する人が増えると対応する式場も増えるのかもしれません。
今、私も先輩も転職して違う会社にいるので、めったに会うことはありません。
先輩はパートナーの女性と幸せに暮らしているそうです。私も当時の彼と結婚していまはママです。
近頃、LGBTQのニュースが以前よりも活況になってきている肌感覚があり、ニュースを見るたび、先輩の結婚式のことを思い出すのです。私は先輩の結婚式に招いてもらい、どんな状況でも諦めない前向きな姿に勇気づけられた気がします。
脚本・rollingdell 作画・イチエ 編集・秋澄乃
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