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虫、植物など夢中になれるものを見つけよう。臨時休校中の今こそ「子どもの好き」を引き出すチャンス【花まる学習会 高濱先生】

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新型コロナウイルス感染症対策で学校が臨時休校になり、はや数カ月以上。子どもたちは暇を持て余しているかもしれません。しかしこの家にいる時間は、子ども自身が好きなことに没頭するチャンスだといいます。子どもの「好きなこと」の伸ばし方について、「花まる学習会」代表の高濱正伸先生に伺いました。
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夏休みの過ごし方と一緒。夢中になれるものを探す

新型コロナウイルスの影響で臨時休校になった期間というのは、いってしまえば突然できた夏休みのようなものです。夏休みになると、子どもたちは毎年自由研究をしますよね。それと一緒で、この臨時休校中は、1つ夢中になれるものを見つけてみましょう。

この休みの期間というのは、子どもの「好き」を極めてもらうといいと思います。たとえば、植物が好き、虫が好きという子どもがいるとしたら、虫が好きな子に「虫が好きなんだね。じゃあオリジナルの虫図鑑を作ってみたらいいと思うよ」と声をかけてみる。紙に虫の絵を描いて、説明を付け加える。それを1枚ずつファイルしていくのもいいと思います。本人が好きなことだからすぐにできると思います。今は自宅にいる時間が長いので、子どもは自分の好きなものをひたすら掘り下げることに没頭できます。外に出られない場合は、虫図鑑や植物図鑑を見たり、家の周りにある植物を観察したりするのもいいですよ。

花まる学習会の講師で動物の不思議についての本を出版した人がいますが、彼女はすごいんです。なにがすごいかといったら、ものすごく鮮明に絵を描けるのです。しかも、なにも見ないで描いてしまうからすごい! なぜ彼女がそんなに細かく生き物の絵を描けるかといったら、子どもの頃から大好きで、ずっと観察し続けてきたからです。今、彼女のところにはいろいろな本の出版依頼の話が来ているほどです。

「好きなものがわからない」まま大人になることの弊害

逆に、好きなものがわからないという子どももいます。これはこのまま成長したらとても深刻な問題だと、大学生を見ていてもそう思います。自分の好きなものがわからないまま大人になるとどうなるかというと、いつまでたっても納得する仕事を見つけられない。就職先も、自分が好きな職業・やりたい仕事かどうかではなく、単なる就職先ランキングを見て決めてしまうだけになるかもしれません。でも、結局それだと今自分が幸せなのかすらわからなくなってしまいます。

逆に、幸せなのは好きなことを仕事にしている人ですよ。僕も子どものことと音楽がずっと好きで、情熱をもってやってきたことなので、それが仕事になりました。おかげさまで、60歳を過ぎた今でも、ものすごく楽しく充実した人生を送ることができています。

「夢中になれるものがない」子どもはどうしたらいい?

もし、今我が子が「好きなものがない」といっているのであれば、親は子どもへの接し方を見直す必要があります。文字が書けた、算数のテストがよかったなど、親の価値観だけで評価していないか確認してみてください。そしてもう1つ。子どもが夢中になっているものがあれば、それを褒めてあげること。子どもは、親に褒められることに向かってやり始めます。

「好き」を極めるということは、幼児教育の重要なテーマの1つです。この「好きなもの」というのはなんでもよくて、たとえば、「子どもが消しゴムのカスを集めることに燃える」みたいなことも、没頭している時間、主体的な遊びの時間として大切にしてあげたい時期です。学年が上がるにつれてだんだん好きなものが変わってきますが、「今はこれにハマっている」と言うものを常に1つ持っていて欲しいと思います。臨時休校中は、学校に行っているときよりも時間が十分に取れます。そんな今だからこそ、親子で「子どもの好き」を追求してみてください。

取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ

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