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言葉の発達がゆっくりな娘が話す「短くて大事な言葉」

生後2歳半頃に初めての名詞である「パパ、ママ」を言えた娘。この頃から少しずつ欲しいものなどを言おうとしていました。
しかし、娘の言葉の覚え方が遠回りなことと、発声が不明瞭でなかなか聞き取ることができません。
なのでしばらくは娘が欲しそうなものを見せながら判断をしていました。もちろん「ちょうだい」のベビーサインも続けていました。
短くて大事な言葉1
少しずつですが言葉の数が増えてきた娘。一番の特徴は語尾だけ話すという点でした。
例えば「チョコレート」であれば「……トっ!」というような感じです。私やパパであれば娘の仕草や表情を含めて理解できますが、他人にはどうしても通じません。それがもどかしいらしく、語尾だけを強めてダダをこねていました。
しかしたまに「チョコレート」じゃないこともあります。「ヨーグルト」だったり「トマト」だったり。判断に困ることはたくさんありました。

短くて大事な言葉2 でもそれ以来まったく言わないままの期間が続き、「ぬこー(猫)」というのみでした。語尾のみの発声や強調はずっと続いていました。

娘の語尾の強調はしばらく続いたあと、今度は言葉の最初に「あっ!」と付けるようになりました。
「あっ! パパ! あっ! ママ!」という感じです。娘の「あっ!」は物や人を確認しているようでした。
娘は慎重に物を見てしっかりと覚えようとしていたのです。
「あっ!」や語尾だけの短い言葉も、娘にはとても大事な言葉だったのです。

短くて大事な言葉3
娘にとって短い言葉は「確認して納得するためのきっかけになる言葉」でした。もともとしっかり見ようとしてじっくり物を眺める娘ですが、それに「短いけれども声を発すること」がプラスされて言葉(とくに名詞の)理解度が増していったのではないかと考えています。

娘は納得の他に安心感も欲しかったのではないかと今になって思います。
今まで表情や泣くことでしか表現できなかった娘が、声を発したり言葉にすることで注目してほしい、親の存在を確かめて安心したいという気持ちがあったんだと。

当時は意思疎通の第一歩にやっと立てたのかもと嬉しかったのを覚えています。
朝起きると指差し確認しながら毎日、パパとママを確認する娘。その姿はとても愛しかったです。

文、イラスト・猫田カヨ

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