子育てママの防災意識を調査。あると便利なお役立ちグッズは?
異常気象による大雨や地震など、最近は大規模な自然災害が多く発生しています。人々の防災意識も高まりつつあるようですが、みなさんの家庭ではいかがでしょうか?
先日「パナソニック」が発表したのが、小学生以下の子どもを持つママたちの防災意識の調査結果です。もしも今住んでいる地域で、災害が発生したとしたら? いざというときの準備はちゃんとできていますか?
災害は不安でも、準備はできていないママが多数
「パナソニック」が実施した、「防災に対する意識・行動調査」の結果です。小学生以下の子どもを育てるママ203人と、20〜60代の男女811人、合計1,014人を対象に行いました。
まずは今住んでいる地域で、どんな災害に不安を感じているかどうかを聞いています。トップは「地震・津波」で、ママたちの67.0%が不安を抱えていることがわかりました。「大雨・台風(49.3%)」「河川・堤防の決壊(32.0%)」も多く、全体的に一般の人々よりも子育てママのほうが多く不安を感じている傾向があるようです。
ただ不安を抱えながらも現実にはあまり対策をしていないことがうかがえるのが、次の結果。自身の家庭で防災のための準備ができているかどうかを、尋ねたものです。
「ある程度」も含め「できている」と回答したママは、およそ5人にひとり。「あまり」も含めた「できていない」ママが、78.8%もいるという結果になりました。「できている」のは、一般の人々よりもさらに低い割合です。日々の子育てなど目の前にあることに忙しく、”もしも”のことにまで手が回らないのかもしれません。
とはいえそんなママたちでも防災用品として準備しているものが、なにかあるはず。家庭でどんなものを準備しているのか、尋ねた結果がこちらです。
ママたちの割合が多かったのが「懐中電灯・ランタン・ヘッドランプ(59.7%)」、「非常用飲料水(53.9%)」、「ティッシュペーパー・ウエットティッシュ(48.7%)」など。さらに「おしりふき(40.3%)」、「紙おむつ(35.7%)」や「ミルク(10.4%)」などがあがったのは、子育て世代ならではです。
日常生活に便利なグッズが、非常時の防災用品に!
アンケート結果をもとに、防災備蓄収納マスタープランナーとしても活動する防災士・熊田明美さんが子育て世代に向けたアドバイスをしています。
『防災は、特別なことではありません。日ごろから食べ慣れている常温保存食品やトイレットペーパーなどの日用品を備蓄用として購入し、在庫を切らさないようにするだけで防災備蓄・家庭備蓄になります。
アンケート結果からあるように、子育てママが防災用品として準備しているのは「懐中電灯・ランタン・ヘッドランプ」でした。現代人は暗闇に慣れていないため、明かりがあると気持ちが落ち着きます。また、簡易トイレを準備しているという回答が20%を下回っていました。災害時に水洗トイレが使えない事態を想定し、簡易トイレ(非常用トイレ)を忘れずに備えましょう』
さらに熊田さんは防災用品を「もしも」のための特別なものとしてではなく、日常でも使えるものとしてイメージすることをおすすめしています。その事例が、こちら。
【携帯ラジオ】
電池がなくても使える、手回し充電式のものがおすすめ。災害時にはあやまった情報が広まることもあるため、正しい情報を得るためのラジオは必需品のひとつ。避難所での集団生活になる場合に備え、マナーとしてイヤホンも用意しておきたいもの。日常ではキャンプなどのレジャー用として、気軽に持ち歩けます。
【ランタン】
非常用に準備しているママも多かった、ランタン。日常も使用し、災害時にも使えるように準備しておけば、ムダを省けます。夜間の授乳やオムツ替えにも役立ちます。
【長期保存水】
断水に備え、水はひとり1日3Lを7日ぶん備蓄しましょう(農林水産省の家庭用食料備蓄のガイドライン)。12年保存可能な「超長期12年保存水 DSW PREMIUM」がおすすめ。子どもの小学校入学〜高校卒業まで、入れ替えせずに済みます。
【レインポンチョ】
突然の雨のときに使える、レインポンチョ。通常のコートよりも広がり、ピラミッド型になるポンチョタイプがおすすめです。災害時には簡易トイレ(非常用トイレ)を使用するときの、目隠しにも。
アンケートではママたちの回答で39.6%が準備していた「非常用持ち出し袋・防災セット」は、まず最初に揃えるものとして手軽ですよね。熊田さんも「備えの基本」としておすすめしています。
『避難する際にも、自宅避難の際にも役立ちます。市販のものを購入し、さらに自分や家族に必要なものを追加しましょう。たとえば「家族の連絡先メモ」「保険証コピー」「身分証明書コピー」「メガネ」「常備薬」「生理用品」「筆記用具」「小銭」など。
小さなお子さまがいる家庭なら、「母子手帳のコピー」「おむつ」「ミルク」「離乳食」「着替え」など。たとえば防災の日(9月1日)など備品を毎年点検・チェックする日を決め、備えがムダにならないように見直しましょう』
災害のニュースなどを目にして「他人ごとではない」と感じたときが、準備をはじめるのに適したタイミングなのかもしれません。すべてを一度に揃えるのは大変でも「まずは母子手帳などのコピーから」と、できるところから少しずつ進めていきたいものですね。
文・鈴木麻子 編集・しらたまよ