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「テクノロジー×教育」で子どもたちの‟学習“が変わる【経済産業省・浅野大介さん】

経済産業省・浅野大介さん2「エドテックを導入することによって、学校の授業での学習を圧倒的に効率化できる。余った時間で、子どもたち自身が夢中になれるマイプロジェクトを行う時間に費やすことができる」と語るのは、経済産業省 商務サービスグループ 教育産業室長の浅野大介さん。エドテックってなに? 子どもたちが夢中になれる「マイプロジェクト」とは? 詳しくお話をお伺いました。
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「学び方」そのものを変えるエドテックとは?

――何年か前から教育界で「エドテック」が注目を集めていますが、エドテックとはどのようなものなのでしょうか?

浅野大介さん(以下、浅野):エドテックは、エデュケーション(教育)とテクノロジー(科学技術)を掛け合わせた造語です。塾やオンライン学習など、民間教育がテクノロジーを活用して、教育に変革をもたらすとして、世界中で注目されています。

――なぜそれほどまでに注目されているのでしょうか?

浅野:エドテックには、ITなどの活用だけじゃなく、「学び方」そのものを変える力があります。現在の学校制度では、1時間目から6時間目までずっと教室にいて、先生の話を聞いて、先生が板書したものに対してノートにメモを取るやり方ですよね。そこで僕らは「エドテックを使いましょう」といっているのですが、エドテックを導入するのには2つの目的があります。

1つは圧倒的に効率化した勉強法を作ること。たとえば、今は1時間目から6時間目まで先生の話を座って聞いていますが、エドテックを使うことで、この時間の使い方を変えることができると思うんです。一人1台パソコンを持っていて、そのなかでクラウドにつながっていて、自分が使いたいアプリケーションで勉強ができて、わからなかったら先生や友達に聞くなど、いろんなやり方ができます。それによって教科学習にかけている時間を圧倒的に効率化できます。

「マイプロジェクト」とは課題発見ワーク

浅野:もう1つは、「マイプロジェクト」にかける時間をしっかりと取れるということです。実はこの「マイプロジェクト」こそ意味があるのです。

――「マイプロジェクト」とは?

浅野:「マイプロジェクト」とは、子どもたちがワクワクするもの、夢中になれるものを見つけて、その中で自ら課題を設定し、調べていくプロジェクトです。いわば探求学習です。この「マイプロジェクト」を行うことで、自己肯定感が上がり、物事に対する当事者意識、共感力、課題発見力、解決力、対話力、さらには教科教育としての基礎学力も自然と身に付くのです。

――「マイプロジェクト」にとって、テクノロジーはどう関係しているのでしょうか。

浅野:「マイプロジェクト」を実施するためには、無数のワクワクすることとの出会いが必要です。ワクワクするものを見つけるためにも、テクノロジーの力が必要なのです。インターネット環境があるところじゃないと、無数の出会いはムリですよね。あと、知恵を検索することも、教科書の中では情報が限られてしまいます。

子どもたちが「ワクワクするもの」との出会いをサポート

――今の日本の教育で足りないものはなんですか?

浅野:今、決定的にかけているのは教科学習ばかりになっていること。教科学習に力を入れているのに、教える先生が専門家とは限らないうえに、多くの大人は、ワクワクするようなものとの出会いや、自分が真剣に追求していきたいプロジェクトを持っていないのです。そのため「自分が何のために勉強するのか」ということに気づけないのです。

僕ら経産省の役割は、「未来を見据えると、エドテックを取り入れた教育になっていくよ」ということをわかりやすく伝えることです。これからさらに、僕らはたくさんの人たちに情報を伝えることが必要だと思っています。それによって「エドテックで日本の教育は変わるんだ」ということをわかってもらえると信じています。

取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ

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