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区内で最下位だった中学校が成績トップへ!?子どもの学びたい意欲を引き出す「ICT教育」とは 【衆議院議員・下村博文】

ICT教育
2018年4月から全国の公立小中学校での導入が始まるICT教育。ICTを使った教育を行うと、子どもたちにどんな変化が生まれるのでしょうか? 元文部科学大臣で教育再生担当大臣も兼任した下村博文先生に「小学校のICT導入」の実態についてお話を伺いました。
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ICT教育は、電子黒板やタブレット、パソコンなどを授業の中に取り入れること

ICT教育とは、情報通信技術(ICT)を教育の中で活用していこうということです。具体的にいうと、電子黒板やタブレット、パソコンなどを授業の中に取り入れていくことです。

たとえば、算数で図形の学習をする時、紙の教科書では二次元、紙の上でしか確認できませんよね。タブレットなどを使うと、図形の角度を変えたり、違う方向から眺めたり、立方体が展開する様子が分かったり、逆に展開図が立体になる過程を見ることができるのです。

理科の実験の場合、今までは実験室で手を動かしてできる範囲のことを行っていたのが、これからは実験動画を見ながら学習を進めていくことができるのです。算数や理科をはじめ、その他の授業でも、積極的にICTが取り入れられていく予定です。「映像」を使うことで、驚きや感動、疑問など、子どもたちに様々な感情が生まれてきます。「びっくりした」「どうしてこんなふうになったんだろう」「もっと知りたい」「ワクワクした」など、いろんな感情を持つのです。それが子どもの「知りたい気持ち」や「学びたい意欲」につながり、興味や関心がわいてくるのです。

「ノートに書き写す」授業から「調べ考える」授業へ

生徒ひとり一人がタブレットを使うことで、これまでのように受け身の授業ではなく、子ども自身が積極的に調べて答えを探していくようになると予測しています。また自分が調べて知った情報について、人とどう違うのかを議論したり、違った視点で見ることで、より興味関心が持てるようになると思います。これまでの学習は暗記記憶が中心でしたが、ICT教育を実施することで、自分で考えたり調べたりする力がついてくると思います。

ICT教育を導入したところ、区内で最下位だった中学校がトップへ

ICT教育ですが、公立の小中学校では2018年4月から本格的に導入する予定です。荒川区の小学校ではすでにタブレットを使った授業を実施していると聞きますが、それ以外にももうすでにICTを活用した授業を進めている自治体があります。

板橋区にある中学校で、ICT教育を取り入れたところ、区内で最下位くらいの成績だったのが区内トップになったというケースもあります。これはほんの一例ですが、ICTを取り入れることで、子どもたちの学ぶ意欲にも変化が出てくるのではないかと思います。

ICT教育を取り入れることのメリットはもう1つあります。これまで先生が黒板に書いたことをノートに書き写すという作業が苦手な子、またそういった授業に興味を持てなかった子たちも、タブレットなどを使うことによって興味が持てるようになる可能性が出てきます。授業に興味関心が深まれば学習意欲につながるし、学力も上がってくるのです。

「教育の結果」が出るのは、子どもたちが大人になってから

ICT教育を導入したからといって、必ずしもすぐに子どもたちの成績が上がったり、学習意欲が増すというわけではないかもしれません。教育というのはすぐに変化や成果効果が出るものではなく、時間がかかります。問題解決力や論理的思考力など、子どもたちが大人になったときに必要となる力を身に付けるためにも、ICT教育を有効活用して子どもたちの興味関心を引き出し、学ぶ意欲の向上につなげられたらいいのではないかと期待しています。

取材、文・長瀬由利子 編集・北川麻耶

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