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もしも子どもと離れているときに、大災害が起きたら……東日本大震災発生時の体験談

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もしも大きな災害が起こったとき、親と子が離れた場所にいたら、みなさんはどうしますか?
2011年3月11日(金)14:46。東日本大震災は、平日の午後に起きました。パパとママが勤務中の場合は、子どもは保育所や学校にいました。

ママスタコミュニティに寄せられた“あのとき”の体験談

『病院勤めだから自分が避難するわけにも、帰るわけにもいかず……。電話もつながらず、学童に預けている子どものことが心配だった。19時頃学童に着いたら、早々に祖父が迎えにきて、実家に連れて帰ってくれたと知った』

『宮城に住んでいる。あの日、上の子は小学校、下の子は保育園、私は看護師。帰りたい、子どもに会いたいと思いながら、患者さんを避難させてた。病院を出たのは21時過ぎ、子どもに会えたのは翌日。先生たちも家族と会いたかっただろうけれど、子どもたちを一生懸命守ってくれていた。今、思い返しても感謝しかない』

『都心部で仕事してた。「子どもが保育園にいるから死ぬわけにいかない!」って、同僚と言いながら会社のドアを開けて押さえてた。携帯はつながらず、交通機関もストップしてて6時間かけて歩いて保育園へ。子どもたちは寝てて、先生たちが温かいお茶を用意して少し休ませてくれた。途中、私立の小学校低学年ぐらいの子が、電車も止まっているし、携帯も繋がらないから困っていた。あの子は、ちゃんと帰れたかな。いまだに思い出しては気になっている』

子どもの安全がわからない不安、子どもに会うための必死な思い、そして家族や保育士さん先生たちに救われた思い……。あの日あの時のことを思うと、胸を締め付けられるような気持ちになったり、涙が溢れてくるママは、きっと今もたくさんいることと思います。
秋田に住む筆者は、当時、1才と4才の子どもを保育所に預けて働くママでした。

災害時の親子は、会うことさえ難しいことがある

東京に出張中に被災、交通網がストップ

筆者はあの日都内での仕事のため、同僚と上京していました。地震の直後、子どもが通う保育所は、すぐ各家庭にメールで子どもたちの無事を伝えてくれ、旦那が迎えに行きました。安心したのもつかの間、筆者は東京駅で「新幹線も含めた全線がストップ、復旧の見通し無し」と知りました。「どうやって帰ろう?」東京駅の大型テレビで、刻々と変わるニュースを見ながら考えました。そして同僚たちとレンタカーを借りて、日本海周りの道を走り続け翌日に帰宅しました。電話は通じなかったもののメールで子どもも旦那も無事だと分かっていましたが、子どもたちに会うまでは、いつまでも終わらない暗闇を走っている気持ちでした。

学校の防災マニュアルの見直しを再認識

その後、家族や親戚とお互いの無事を知らせ合ったときに、首都圏に住む小学生の息子がいる弟夫婦から驚くような話を聞きました。
甥っ子の話によると、帰りの会の最中に地震が起き、地震がおさまったからと、いつも通り下校したとのこと。義妹は、学校からの連絡はないけれど当然、学校で待機していると思い、仕事先から学校へ直行。下校したと聞き、慌てて自宅へ帰ると玄関前で息子が泣いていた。「余震が何度もあり、信号が止まっていたり、物が崩れたりした通学路だった。無事だったから良かったけれど、何かあったらと思うとぞっとしたわ」と普段は物静かな義妹が、電話口で声を荒げていました。それからしばらく経って、甥っ子の通う小学校では、防災マニュアルの見直しなど、このときのことが痛い教訓として引き継がれたと聞きました。

保育所、幼稚園、学校、学童など、子どもが親と離れて過ごす場所は、子どもの年齢に応じてさまざまです。災害が起きたとき、パパやママはどんなに困難な状況でも、子どもを守るため必死になります。未就学児であれば、1人きりになることは稀です。しかし子どもの年齢が上がるにつれ、離れる距離も時間も増えていきます。
東日本大震災は、近年起きた大災害なかで親子が離れて過ごす時間帯に起きた大地震としてたくさんの考えることを残したと思います。

防災マニュアルは学校ごとに違う

文部科学省では、学校ごとに「学校防災マニュアル」を定めるよう指針を示しています。学校によって立地条件や児童生徒、教職員などの構成人数が違うので、引き渡しの基準や避難先が異なるため、全国一律にはできないのです。
我が子が通う学校では、災害時にどのように児童生徒の安全を守るのか、防災訓練や避難訓練はどの程度行われるのか、担任や担当者に聞いておくのも良いと思います。また日頃の防災訓練の様子などを子どもに聞くようにすると、子どもの防災意識も高まります。
災害が起きたら、パパやママはどうやって迎えに行くのか、子ども自身はどこでどうやってどのぐらいの時間を待てば良いのか、日頃から話し合っておけば、いざというときに子どもの不安を少しでも軽くしてあげられるのではないでしょうか。

東日本大震災が起きたとき4歳だった我が子は、まもなく中学生。中学校へは1時間かけて電車で通学します。小学生のときにも「もしも登下校中に地震が起きたら……」と話し合ってきましたが、これからは距離も時間も数倍になり、何かが起こってもすぐには駆けつけられなくなります。いろいろ考えたすえ我が家では「災害伝言ダイヤル(171)」を利用することにしました。
親子が離れているときに大災害が起きたら……。ぜひ、お互いの無事を確かめる方法、会うための方法をご家庭でも話し合ってみませんか。

文・間宮陽子 編集・横内みか

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