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わが子が通学路で災害に遭った場合に備えたい!親と子どもで作る「防災マニュアル」とは

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2018年6月18日朝、大阪府北部を襲った震度6弱の地震は、朝の通学・通勤まっただなかの時間帯に起こりました。この地震を教訓とし、防災の準備を整えている方も多くいらっしゃることでしょう。しかし防災とは食料や水・生活に必要となるアイテムを揃えることだけではありません。いざというときのために、家族がそれぞれどのように身を守ったらいいか、どのように連絡を取り合ったらいいかなどを決める必要があります。地震発生時に子どもが通学中または登校しているという状況を想定した、子どもを守るための我が家の「防災マニュアル」作りについてお話しします。

2018年6月18日地震発生~子どもと合流するまでの記録

これはこの記事を書いている筆者が地震発生から、中学生の息子と合流するまでの簡単な記録です。

7時58分、地震発生。息子はどこに?

いつもより数分早く家を出た息子を見送り、一息ついた矢先に発生した地震。自宅は震源地からかなり近いエリアのため、尋常ではない揺れに襲われました。震えながら表に飛び出すと近隣に住んでいる方も続々と外へ。息子と同じ学年の子が学校に向かおうとしたので、息子に会えたら「母は大丈夫だから」と伝えてほしいと伝言を託すことにしました。

続く余震、息子とは連絡がつかないまま

通学路をたどり学校へ行こうかと考えましたが、行き違いになってはいけないと焦る気持ちを抑えて自宅で待機することに。8時50分ごろ息子が通う学校から一斉メールが届きました。全校生徒が校庭に集まって避難しているとの通知。そして9時30分ごろ臨時休校が決定し、学校から保護者のお迎え要請がなされました。

息子と合流し帰宅

怖くてスマホを握りしめていたのが功を奏し、メールが到着するのにすぐ気が付いたため、すぐさま息子を迎えに学校へ。道に出ると同じように子どもを迎えにいくママやパパの姿を大勢見かけました。なんとか息子と無事合流し、我が子に怪我もなく安心し、通学路の危険個所を二人で確認しながら家路につきました。

災害時、子どもの迎えはどうする?

今回、私は在宅していたため速やかに学校へ行き、早い段階で息子と合流することができました。でも「もし家にいなかったら」、「もし電車に乗って出かけていたら」と考えると、どうなっていたのか想像もつきません。また、筆者はすぐに学校までお迎えに行けたので、早朝から出勤しているママ友の息子さんも一緒に連れて帰ってもいいかと先生に聞くと、「保護者でなければ子どもを連れて帰れない」との返答でした。その後、ママ友と連絡がつき、なんとかお迎えに行けたと聞きました。
災害時に学校へ「誰が迎えにいくのか」、「兄弟・姉妹がいる場合はどうするのか」、「ママもパパもいけない場合はどうするのか」など、多くのルールを決めておかなければいけないと思い知らされました。

災害に備えた親子でのルール作り

冒頭でお話しした我が家の「防災マニュアル」は、お子さんとママ・パパで作るルール作りです。これは心の防災といってもいいのかもしれません。災害時に家族の安全を守るためのマニュアルであり、家族を繋ぐマニュアルにもなります。今回は通学時に特化したルール作りについてお話ししましょう。

通学路や塾・習いごとのへのルート確認

今回の地震で悲しい事故が起こってしまった「壁」の問題。これはどこにでもある危険です。そこで、お子さんと一緒にルートを歩いて定期的に点検を行いましょう。壁・高い建物・落下してきそうなものがないか、自転車や自動販売機が倒れてきそうなところはないかなどを確認していきます。低学年の子どもと高学年の子どもでは身長も視線も異なります。兄弟姉妹がいる場合は、それぞれの確認が必要です。一度きりの確認で終わらせず、定期的に情報のアップデートをおこないましょう。

通学時間帯に災害が起こったら

子どもが学校に到着しているのであれば、先生の指示に従い、学校にとどまるようにし、「必ず迎えにいくから待っててね」と子どもの不安をあおらないように、優しい約束をしてあげてください。登校前であれば身を守るためのルールを決めておきましょう。家の中のどこにいるかで身を守る体制は異なります。家の中も通学路と同じように確認をおこなっておきましょう。

通学路で災害にあったら

問題は子どもが登校中の場合です。通学路の状況や学校までの所要時間などによって異なりますが、どこか区切りをつけてあげると低学年のお子さんは分かりやすいでしょう。「○○まで行っていたら、そのまま学校へ行きなさい」や「その角を曲がったぐらいなら家に戻りなさい」のように目印を決めてあげましょう。ただしこのときに注意したいのは、予想もできない事態です。壁の倒壊や地面のひび割れ、倒壊したもので道がふさがれているなど、災害時には何が起こるか分かりません。常に”もしも”を忘れずにルール作りをしましょう。決めた場所まで進んでいても「その場で待機する」、「家に戻る」など臨機応変なルール作りも大切です。

学年別のルール作り

どのようなルールを作っていても、万全を期すことは難しいものでしょう。低学年のお子さんの場合は、恐怖でパニックになってしまう可能性もあります。登校班などがない場合は道端で孤立してしまう可能性もあります。周りに高学年のお兄さん・お姉さんがいたら一緒に行動するようにしましょう。逆に高学年のお子さんをお持ちの場合は、無理がない程度に「低学年のお子さんと行動してあげてほしい」と伝えておきましょう。知らない子でも声を掛け合うことが大切です。普段は知らない大人と話してはいけない、近づいてはいけないとなっていますが、災害の場合は、近くの大人に助けを求めることも教えておく必要があります。

たくさんのルールは覚えられない

小学校低学年でも高学年でも、まだ小学生のお子さんにあれこれルールを覚えさせるのは難しいものです。一番覚えてもらいたいのは「ひとりで行動しない」ことだとしっかり教えておきましょう。

家族の防災マニュアルは子どもと一緒に作るのがポイント

災害などの有事に家族を守る「防災マニュアル」は各家庭によって内容は異なります。作っていくうちにあれもこれもと決めておきたいルールはが増えていくかもしれません。そこから派生して、学校に連絡しておくこと、実家やママ友への協力体制の確立などやることは山積みです。しかし、ママやパパが先走ってマニュアルを作るのではいけません。できるだけ子どもと一緒に作成することをおすすめします。子どもの目線で作ることで、子どもにしかわからないこともみえてきます。また定期的に家族の防災マニュアルをアップデートすることで、新たな家族のコミュニケーションにも発展します。いざというときに備えて、今すぐできる、ママと子どもの「防災学習」、ぜひやっておいてください。

文・櫻宮ヨウ 編集・横内みか

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