理由は「親が亡くなったから」 2分の1成人式に行きたくない子ども、欠席してもいい?
お子さんの学校では、2分の1成人式はありますか? 子どもが10歳のときに、成人の2分の1の年齢となったことをお祝いするものなのだとか。(ない学校もあります)
特に学習指導要領で定められたものではなく各学校・各学年の判断で行われているものなので、2分の1成人式の内容もさまざまです。たとえば親子のレクリエーションであったり、生まれたときのことや将来の夢を発表したり、親への感謝の手紙、などなど……。親にとっては感動の式となることもあるようです。
さて、ある投稿者さんから、「2分の1成人式に出たくない」と言うお子さんについて相談がありました。理由は、10歳の子どもには酷すぎるものでした。
『子どもが「悲しくなるから2分の1成人式に出たくない」と言ってます。父親が昨年亡くなったこと、祖父母も4年前亡くなってます。みんなの前で感謝の言葉を言ったりするのや人前に立つのが嫌だと言ってます。当日、欠席もありですか?』
2分の1成人式に出たくない理由は、「お父さんが亡くなったから」。皆さんなら、どう考えますか?
父を亡くした悲しみが癒えないのに両親への手紙?子どもにはきつすぎない?
最も近しい肉親を亡くしまだ悲しみから癒えない子どもに、亡くなった人のことを書け、なんて……。大人ですら厳しくつらいことです。きっと子どもは文を書く時も読み上げる練習をするときも、そのたびに深く悲しんでいることでしょう。胸が痛みますね……。
『それはつらいよ。うちも旦那亡くなってるから、参観とかでお父さんとか見るの最初辛そうだったもん。日曜参観とか運動会とか特に。私もつらいから気持ちわかる。親への感謝を言うのだって、お父さんの事思い浮かぶし』
『うちも一昨年旦那が亡くなりました。子ども達も普段はいつも通り過ごしていますが、まだ死を受け入れられていません。父との楽しい思い出もたくさんありますが、それを全て覆ってしまう程の悲しみも抱えています。今までの思い出~これからもよろしく、みたいな流れの話をされるとつらいと思います。うちは子ども達が他の子たちに父が亡くなった事も知られたくないと言っています』
『亡くなったお父さんに手紙読むとか考えただけで苦しいよ。受け入れて乗り越えてる子ならできるかもしれないけど』
『お父さん亡くしてつらいのなら、周りの子が両親揃って見に来てたら余計につらくなるよね』
「感動の押し売り」2分の1成人式に違和感を持つママたち
ママたちからは2分の1成人式への意見も。子どもの成長が見られて嬉しいという声もありましたが、「感動の押し売り」と揶揄するコメントも見受けられました。
『こんなの誰が始めたんだろ。廃止にしてほしいね』
『その手紙とか発表とかをみんなの前で披露する意味が分からない。感謝の手紙を書いて、家で渡しましょう、なら分かるけど。嫌な子は本当に嫌なんだよ』
『母の日・父の日すら学校行事から廃止されている中、時代遅れも甚だしい』
『感動の押し売り……。性格悪くてゴメン。子どもだって皆の前で何でも話せる、話したい子どもばかりじゃなかろうに。大人も心の中の事を子どもたちと保護者皆の前でさぁ発表しなさーい! って言われたら嫌じゃない?』
『私、養女だったんだけど。こんな行事なくてよかった。友達にバレたらって思うと怖くて学校行けなかったわ』
子どもが悲しむだけの式になるなら、休んでもいいよ
話は冒頭の「2分の1成人式に行きたくない」と言っていたお子さんのことに戻ります。ママたちからは、「行かなくていいよ」という優しい言葉が寄せられていました。
『無理に行かせるような大事なもんでもないから休ませてもいいんじゃない? あの行事いらない』
『父親を亡くして間もないからつらいよね。2時間もやるなら中身も濃そうだし。練習だけでも本人つらいのかもしれない。おやすみでいいと思う』
『家族が亡くなってしまっているからやりたくないっていうのは尊重していいと思う。それは学習ではないし、大人でも簡単には昇華できないものを10歳の子に強要するのは酷だから。お父さんのことで、子どもがつらい想いをしているからって伝えて、欠席でいいと思うよ』
『担任も事情を話せば納得すると思うよ。今は感謝より悲しみの方が強いんだからさ』
「おかしい」と感じるルールは変わっていくもの
「2分の1成人式はおかしい」と感じた学校関係者も少なからずいらっしゃる模様。2分の1成人式を廃止した学校もあるようでした。
『うちは数年前に廃止されて、学習発表会って名前で子どもたちが前に出て将来の夢を言うだけになった。親がいなかったり、愛されている子ばかりじゃないから良かったと思うよ』
『うちの学年、先生自身が「特に必ずやるべきものではないと思うので」ってことで実施されなかったな。若くてドライなタイプとかでもなく普段はむしろ、昔ながらのベテラン先生』
多感な時期の前に、子どもが「自分は大切な存在なんだ」と思えるのは、これから自分を確立していく上で大切な基盤となることでしょう。しかし「自分のルーツを保護者の前で発表」という演出は、すべての子どもが幸せになれる方法ではなさそうです。世の中には親がいない子ども、親を亡くした子ども、虐待を受けている子どもなど、じつにさまざまな事情を持つ子どもたちがいます。といっても個々の事情に配慮してまで、2分の1成人式を実施する意義があるのかどうか。
あなたは、どう考えますか?
文・しらたまよ 編集・しのむ
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