算数が苦手な子に共通する「3つの共通点」とは?
小学校に入ると算数の授業が始まりますが、学年が進むにつれて「算数が苦手」という意識が出てくる子もいるかもしれませんね。戻ってきたテスト結果を前にため息が出ている親子もいるのでは……? 20歳で学習塾を運営し、私立中高の常務理事として教育改革を行ってきた石田勝紀氏の著書『ぐんぐん伸びる子は何が違うのか』には、「算数ができる子、できない子の理由は多種多様ある」としながらも、算数ができない子には共通する部分が3つあるとのこと。その3つとは一体どのようなことなのでしょうか?
計算ミスが原因で、算数自体が苦手だと勝手に思っている
学校や塾など、どんなテストにも必ず出てくる計算問題。これは必ず正解があり、1でも異なればバツになりますよね。また文章問題でも、式が合っていても計算を間違えたら不正解に……おおよその数では正解にならない算数では、計算問題の出来がテスト結果に直結します。
そんな算数のテストの点数が低い場合、その原因が計算ミスによるものかどうかを把握することが大切なようです。原因を把握せず点数だけ見て一喜一憂していると、悪い点数が続けば「自分は算数が苦手だ」「算数が嫌いだ」と思い込み、さらに計算ミスが増えて嫌々算数を勉強することになるとあります。そんな生徒には、石田氏はテスト前にこんなことを伝えるのだそう。
『算数・数学のテストでは、“必ず”人間は最低3つは計算ミスを引き起こす。だからテストは最後の10分程度は、考えてもわからない問題は捨てて、解答した問題の計算ミスの発見に全力を尽くした方がいい。3つ見つからないというのは、まだ見直しが甘いということだ。必ず見つけるという気持ちでやらないと見つからないよ』
計算ミスを防ぐために、解答した計算問題の見直しを徹底的にするように伝えるとのこと。また、睡眠不足があると十分に頭が働かないため、「算数や数学のテスト前は特に早く寝るように!」ということも伝えるのだそうです。
算数ができないのではなくただ計算ミスをしているだけということを伝え、計算ミスを避けるためにできることを伝えるのが効果的なのですね。
文章題の意味がわかっていない?
算数の文章題は国語力も必要で、何を聞かれているのかを理解しなくてはいけません。ところが石田氏によると、「あまり意味を考えず、さりとて先生に質問することもなく、単なる“パターン”として無機的に片付けるため、ますます考えない子ができてしまいます」とのこと。
子どもがテストを持って帰ってきて、できなかった問題があったら、「この問題はどういうことを聞いていると思う?」と聞き、自分で考える機会を作るのが大切なのだそうです。「わからない」と答える場合は、「どの部分がわからなかったの? もう一度読んでみよう」「要するに何をする問題なの?」と細かく聞いていき、子ども自身に考えさせるということが必要なようです。
日頃から計算ドリルをやっていない
公文などで計算を日頃から行っている子は別として、何もしていない場合は毎日1枚程度の計算プリントをやることはとても重要だとあります。
『10分程度で終了するプリントを継続的にやるかやらないかという、たったこれだけのことで、その後の算数、数学的感性に大きな差が生まれます』
毎日計算をやるのとやらないのとでは大きな差につながるとのこと。計算プリントを行う上で、前に習った内容をあまり理解していないと感じる場合は、前に戻って学習することも大切だそうですよ。掛け算ができないと割り算もできないように、今習っていることが次の勉強に影響することは多々ありますよね。できない部分から始めることが近道になるそうです。
算数が苦手だと思い込んでいる子どもの場合、原因をよく見てみればただの計算ミスかもしれないし、文章問題の意味をよく分かっていないだけかもしれません。計算ミスが続いたというだけで「算数ができない」と思い込むのはもったいないことですよね。我が家でもまずはテスト結果をしっかり見て、間違えた原因を把握することから始めてみたいと思います。
文・山内ウェンディ 編集・横内みか