親の言葉が子どもの成績を決める!?親が自覚しておきたい「言葉の暗示」
わが子があまり勉強ができる方ではないと感じたり、ある科目が苦手なように見えたとき、子どもに向かって思わず「あなたは勉強ができない」とか「あなたは算数が苦手だから」という言葉が出てしまったことはないでしょうか? 悪いテスト結果を前に口にしてしまいそうな言葉ですが、成績が悪い子ほど「マイナス発言が口癖になっている」というのは20歳で学習塾を運営し、その後私立中高の常務理事として教育改革を行ってきた石田勝紀氏の言葉。著書『ぐんぐん伸びる子は何が違うのか』から、普段親が子どもにかける言葉の影響力についてご紹介します。
成績が悪い子ほどマイナス発言が口癖になっている
塾で長年指導してきた石田氏は書籍の中で、成績の悪い子どもほどマイナスの言葉を使っているといいます。
『「自分はバカだから」「私は記憶力がない」「勉強は嫌い!」「やりたくない」「うざい」「むかつく」「算数は苦手」などなど、これらの言葉が日常会話に自然と盛り込まれています。』
常日頃からマイナス発言をしている子どもは、そのうち行動にもそれが現れてくるそうです。
『このような発言をする生徒は、マイナス発言が長年の口癖になってしまっているため、「そんなことを言わずにやれ!」とか、「頑張れ!」と言った精神論的な励ましの言葉をかけても、なかなかかわることはありません。(中略)
たとえば、「私は英語が苦手だ!」といつも発言していたら、いつしか英語が苦手な人物のように振る舞うようになり、やがて英語から遠ざかるような行動を起こします。』
「勉強が苦手」という言葉を使えば使うほど、その言葉通りになってしまうとのこと。使う言葉によって、その人の行動にも影響するようです。
親が使う言葉を子どもも使う
さらに注目したいのは、子どもが使う言葉はその親が使う言葉の影響が大きいという部分です。長年生徒を見てきた石田氏によると、子どもが使う言葉はその親が使っている言葉の種類と同じであることが多いそうです。
『子どもが「私は勉強が苦手だから」と言っているとき、その親御さんも家庭で「あなたは勉強が苦手だから」と言っていることが実に多いのです』
親が子どもに「あなたは勉強ができない」といい続けることは、子どもに暗示をかけるようなことで、何度も言い続ければ子ども自身が「勉強ができない」と思い込むことにつながります。自分が「勉強ができない」と思い込んでいては、今後続く長い人生の中で頑張らないといけないときにも、「自分はきっとできないから」と言って初めから諦めてしまう子になってしまうかもしれませんよね。
逆を言えば、ちょっとしたミスなども、親のポジティブな声かけ一つで「自分はじっくり取り組めばできる」と思うことができるようになるということ。親子の会話では、無意識に言葉を使ってしまいがちですが、親としては子どもの可能性を広げるためにも、ポジティブな言葉をかけていくようにしたいですね。今までの習慣をいきなりは変えるのは難しいため、日頃から前向きな言葉がけを意識したいものです。
『ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?』
著者:石田勝紀 出版社:学研プラス 定価:1,300円(税抜)