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外遊び中の子どものやる気はフル状態!サッカーやかくれんぼが「理系脳」を育てるワケ

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今、世界中で科学・技術・工学・数学の総称である「STEM教育」の注目度が高まっています。これを受けて「子どもの理系脳を育てたい」というママたちもまた増えています。理系脳を上手に育てるためには、どのようなことを行ったらいいのでしょうか。「花まる学習会」の代表、高濱正伸先生にお話を伺いました。
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外遊びは「空間認識力」や「思考力」が育つ

我が子が理系分野で活躍していってほしいと思ったら、やるべきことは「外遊び」です。外遊びを通じて「空間認識力」や「思考力」が育ちます。

たとえば、かくれんぼは「空間認識力」を使っています。「もういいかい?」「もういいよ」といって、目を開けたときの気持ちを覚えていますか? 隠れているとはいえ、だれも見えないから不安になる。「今、この世界に生きているのは僕ひとりだけじゃない?」「もしかしたらみんな帰ってないかな?」という、すごく寂しい気持ち。そのとき草陰からカサッと音がして「あ、いるいる」みたいに安心した気持ち。「いつもあの建物の後ろにいるけど、今日はいない。こっちかな?」と、子どもはいろいろなことを想像するわけです。その時の子どもの姿はイキイキとしていますよ。

サッカーもいいですね。サッカーをすると、「予測する力」が身につきます。ボールを蹴る子は「山田、木下、田中、シュート!」と頭の中で先々の動きまで想像しながらパスをします。サッカーボールをパスするという行為は、目には見えないけれど、その後のボールの動きを予測していることにもなるのです。ラグビーでも卓球でも、スポーツを通じると、ものすごい集中力でボールの動きを思い浮かべることができるようになります。ボールを蹴った瞬間に、ボールの軌道を頭の中に思い浮かべることができるから、体は次のボールを受けられる場所に移動できるわけです。サッカーなどをやっているときは「見えないものを予測して、次の手段を考える」ことが身につきます。

無理やりやらされているときは「思考が停止した状態」

これに対して、自宅にいるときママが隣に座って「ドリルやるわよ。考えなさい」と言った時は、やる気のマックスが10だとしたら子どもには1か2しかありません。外遊びをしているときのやる気は10、フル状態です。この「外遊び」をして「見えないところを想像する」ときこそ、子どもの理系脳が伸びるのです。

子どもを遊園地へ連れて行き、ジェットコースターに乗って「はい、楽しかったね」というのも遊びのひとつかもしれません。しかし我が子の理系脳を本気で伸ばそうと思ったら、大自然の中で遊んだほうがいいのです。葉っぱ1枚にしても様々な形がありますよね。葉っぱを拾って組み合わせたり、石を拾ったり、木に触ったり。自然の中で遊んでいるとき、子どもの頭はフルで動いています。この状態のときこそ、子どもは考える力や想像する力、物事を予測する力、検証する力などを身につけるのです。

子どもの理数系の力を伸ばしたいと思ったら、週末などに親子で外遊びをするといいかもしれませんね。

取材、文・間野由利子 編集・北川麻耶

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