中尾明慶:「イクママ オブ ザ イヤーがあれば、うちの奥さんにあげたい」
今年最も育児を楽しみ、 頑張ったパパを表彰するアワード「イクメン オブ ザ イヤー2018」で、イクメン俳優部門を受賞した中尾明慶さん。
5歳になる息子さんのパパでもある中尾さんは、ご自身のSNSでも息子さんとの日々を掲載していて、育児を楽しんでいる姿を垣間見ることができます。
今回、ママスタセレクトでは「イクメン オブ ザ イヤー2018」を受賞したばかりの中尾さんへ、受賞した感想やパパとしての中尾さんについてお話を伺いました。
「イクメン オブ ザ イヤー2018」を受賞したと聞いた奥様の感想は辛口!?
――「イクメン オブ ザ イヤー2018」の受賞、おめでとうございます。受賞の感想を聞かせてください。
何年か前に、冗談半分で「いつか『イクメン オブ ザ イヤー』で受賞したいな」と、ポロッと言ったことがありました。実際にいただけると聞いたときは「えっ? 本当に?」と、驚きました(笑)。もちろん、めちゃくちゃ嬉しかったけれど、こんな立派な賞をいただいたら、父親としてしっかりとしないといけないなと気持ちが引き締まりました。
――賞を受賞するにあたり、奥さまの反応はいかがでしたか?
うちの奥さんは「梨も剥けないし、卵も割れないのに、ちょっとやったくらいで賞もらえていいねぇ」って思っているんじゃないかな(笑)。
「イクママ オブ ザ イヤー」を奥さんにあげたい
うちは、奥さんが仕事で朝早くから夜遅くまで家をあけることがあるし、休みが合わないなんてことは当たり前という仕事をしています。僕が休みの日は、帰ってきた奥さんを「あとはお風呂に入って、寝るだけだよ」という状態にしておいてあげたいなと思っています。でも僕は、必ず何かひとつを忘れちゃうんです。結局奥さんにやらせてしまうなにかを残してしまう。でもママはすごいですよ、やるべき子どものお世話すべてを忘れずにこなしますもんね。
子育ては僕一人が頑張っているわけじゃないし、一番頑張っているのはママだから「イクママ オブ ザ イヤー」のような賞があれば、うちの奥さんにあげたいな、と思っています。
子どもを頭ごなしに叱るのではなく、まず話を聞くことを大事にしたい
――5歳になった息子さんと、「パパと息子」としての向きあう中で意識していることはありますか?
つい最近の話ですが、息子が保育園でお友だちとケンカをしたんです。お迎えへ行ったら先生から呼ばれて、息子がお友だちのことを噛んでしまったと報告を受けました。
僕も男だから「友だちとのケンカは間々あることだよね」という気持ちはあります。でも相手にケガをさせたり、傷つけたりするのはよくないし、なぜそうなったのかということをちゃんと聞こうと思い、男同士で話し合いをしました。
お友だちが息子の靴を踏んで、それがイヤだったから噛んじゃったと、息子なりにそのときの気持ちを話してくれました。お友だちを噛んじゃったと聞いて、勿論、そこで教えなきゃいけないこともあるんですけど、すぐに頭ごなしに怒るのではなく、話を聞くということがすごく大事だと思いました。
――息子さんの成長によって、ぶつかる壁や悩みにも変化が起きて、悩みの解決方法も変わってきているんですね。
本当にそうですね。3、4歳まではただただかわいくて、特に大きな問題も起きませんでした。でも子どもが成長して、今回のケンカが起こって、奥さんとも夜中までたくさん話をしたんです。
例えば、寂しさや親に甘えたい気持ちが原因としてあるのなら、気をつけて見ていかないといけないね、という話になりましたね。
僕は、子どものトラブルって、より子どもに向き合ういい機会だなと感じました。何かトラブルがあった時にこそ、親としても成長できるタイミングなんだと思うんです。
子育てがますます楽しくなってきましたよ。お友達とケンカしたりすることはこの先もあるだろうけど、それもひとつひとつ乗り越えなければならない必要なハードルなんだと思いますね。
――問題が起きたときに、夫婦で話し合うというのはとても理想的だと思います。夫婦の話し合いが夫婦円満、家庭円満の秘訣ですか?
奥さんと話し合っても100%同じ意見ということはたぶんないでしょう。お互いの意見を押し付けるのではなくて、「こういう考えもあるし、こういう考えもあるよね」とお互いがお互いを尊重しないと、絶対うまくいかないと思います。
時代が変わって「イクメン」が当たり前になっていくとおもう
実は今日(10月18日)、うちの奥さん誕生日なんです。昨日は、奥さんが帰ってくる時間に息子を起こして、息子はキャプテンアメリカのコスチュームを、僕はスパイダーマンのコスチュームを着て、電気を消した真っ暗な部屋の中でケーキのロウソクだけで2人が待っているというサプライズをやりました。奥さんと息子のことを楽しませてあげることが、僕ができることなのかなって思っているから。
――今回、「イクメン オブ ザ イヤー2018」を受賞したことで、「イクメン」が増えるために中尾さんができることはなんだと思いますか?
「イクメン」って難しいですよね。今は、父親も積極的に子育てをやることが当たり前になりすぎて、頑張っても頑張った感があまりない。僕は、もうちょっと褒められたいんだけどなって思うときもあるんですけどね(笑)。
今年だけでパパになった友だちが3人います。みんな、僕に息子が生まれたときよりもずっと子育てをやっているんですよ。全然子育てをやるようなタイプじゃなかった彼が、ミルクの量や時間、おしっこ時間とかを細かくノートに書いていたりするんです。
父親が積極的に子育てに関わろうとする姿を見ていると、時代の流れが変わっていることを感じるし、これからどんどん父親が積極的に子育てしていく時代になっていくんだなと思います。
昔は、父親が保育園のお迎えをするのは珍しいことだっただろうけど、僕は息子のお友だちに「パイナップル」とか「きつね」とか呼ばれながら触れあい、同じ目線に立ってみることが大事なことだなと思っています。子どもの目線になることで気づくことって、たくさんあるんですよね。
答えが見えない中、続くのが子育て。だからこそママたちも肩の力を抜いて
――では最後に、子育て中のパパ、ママに向けてのメッセージをお願いします。
毎日、本当にお疲れ様です。
僕も毎日、試行錯誤しながら子育てをしています。大変だし、難しいし、常に不安な気持ちがあります。自信を持って「立派な息子を育てました」と言えればいいけど、今この瞬間に自分がとった行動が正しいか間違っているかわからない中で、子育ては続くんですよね。
答えが見えないのはなかなか大変だけど、その中で僕はできる限り自然体でいようかなって思っています。だから、みなさんも肩の力を抜いて、一緒に子育てを気楽にがんばりましょう。
息子さんの成長について「子育てがますます楽しくなってきました」と語った中尾さん。奥さんと息子さんを楽しませることが、自分のできること。そう思えるのは、自分自身の幸せにも繋がっているからでしょう。
中尾さん、インタビューありがとうございました。
取材、文・上原かほり 撮影・chiai