「わたしに気づいて……」妊娠してから聴こえるようになった歌声の正体とは……? #身の毛もよだつ恐怖の体験
ママスタコミュニティに寄せられた、あるママの実体験の怖い話。
妊娠を機に、なぜか8月22日になると恐怖の闇に包まれてしまうという投稿者のママ。今年も恐怖の‟その日”が、すぐそばまでやってきているところから物語ははじまります。
8月22日にいったい何が……? そして、10年以上見続けてきた夢が意味することとは……? 謎を紐解いていくと、物語は大きく過去に遡ることに。
身の毛もよだつ恐怖体験、どうか日中の明るい時間帯に読むことをおススメします。
※怖い話が苦手な方は読まないでくださいね。
8月22日に聴こえてくる「通りゃんせ」。この女の子の声はいったい……
投稿者のママは妊娠してから、きまって8月22日に不思議なできごとが起こるようになります。夢うつつの明け方、突如訪れる金縛りと遠くから聴こえてくる女の子の歌声。
声の感じから、歌っているのは3~4才くらいの女の子。すりきれるくらいか細く、切なそうに「通りゃんせ」を歌っているのだそう。
「だれ……?」と思っていても、夜が明けると消えていく「通りゃんせ」と金縛り。そしてそれは、8月22日にのみ起こるという不思議なものでした。
そんな幼い女の子の「通りゃんせ」が2年続き、あまりの恐怖とインパクトで今年もかな……と思っていた3年目。その年は女の子が現れず、変わりに「トビタ」と名乗る男性が夢に出てきたといいます。
「トビタ」という男性が出てきた瞬間、背筋が凍る程の強い恐怖感に襲われ、直後に金縛り。ひたすら恐怖に押さえつけられ、身動きが取れない投稿者のママでしたが、突然の寝室の扉が「ギ……ギ……ギ……」と開きます。
「なんで……? 暗い……」
明け方のはずなのに、扉の向こうは真っ暗闇。「こっち……。こっち……」と恐怖が手招きをしているようです。
気を抜いたら連れていかれてしまいそうな闇の誘導と、頭の片隅でささやかれる「生きるのをやめたら、今のようなことは起こらないよ……」という声。
私は生きる価値がないの……? 私を引きずり込もうとしているのは誰……? 投稿者のママは、隣で眠る2歳の子どもを残して逝くわけにはいけない。私がこの子を守らなくては……と、なんとか自分を奮い立たせていました。
そして今年も、近づいてくる8月22日。もうこれ以上、あの恐怖の闇に飲み込まれたくない……投稿者のママは「なんとかしよう」と必死で考えます。
10年も前から見続ける夢
妊娠を機にはじまったこの恐怖の体験でしたが、実は10年前から、投稿者のママは不気味な夢を見ていたのです。
なんとなく、息があるうちに生き埋めにされてしまった苦しい記憶。
流れる川の横で埋められる投稿者のママ。
そんな投稿者のママを見つめる、目つきのするどい女の子が自ら川に飛び込む……。
ときに順不同になりながらも、3つのシーンが繰り返される夢。生き埋めにされながら引きずり込まれそうになる暗闇にハッと目が覚めると、「またこの夢か……」と、現実の世界に戻ってもなお手に汗が残っています。
そんなリアル感のある夢とこの8月22日の恐怖は、もしかしたらなにか関係しているのかもしれない……。投稿者のママは、とある霊感の強い方に自分をみてもらうことに。
すると「夢に出てきた女の子と男性は、親子かそれに近い関係。そしてあなたに害を与えるというわけではなく、あなたに自分たちの存在を気づいて欲しくて助けを求めています。南の方向にあるお墓を調べてみてください」という言葉を受けます。
投稿者のママは自らの過去を探るべく、実家に向かいました。
はじめて知った。幼い命が失われた「ひとりだけ」のご先祖様
実家に行って事情を話すと、驚愕の事実に遭遇します。
『真南ではありませんが南西に無縁仏の小さなお墓、実父の方の御先祖様がひとりだけいることが分かりました。
なぜ他の御先祖様と離れたところにあるのか祖母から聞きました。
5歳になったばかりの女の子が火の手から逃れるときに川に飛び込んでそのまま亡くなったそうです。その娘の手が見つからず、その場所にお墓を作ったそうです』
なんと、誰にも気づいてもらえない場所に、小さなお墓があったのです。
水の中で苦しんでもがき続けた末に落としてしまった幼い命が、時の経過とともに忘れ去られていく寂しさを抱いていました。
事故があったのが8月22日だったのでしょうか? 投稿者のママは、今まで自分に降りかかってきた出来事の数々が、ひとつの線で結ばれたような気持ちになります。
「急いでお墓参りにいかなくては……」
8月22日まで時間がありません。すぐさまお墓に向かいます。
はじめて訪れたお墓は、川に挟まれた不思議な場所にポツンとたたずんでいました。狐を奉った小さな神社のようなものも目の前にあり、一緒に拝んだという投稿者のママ。
その一連の動向は、終始誰かに見られているかのような感覚であったのだそう。
もしかしたら「ありがとう」という、女の子の声が聴こえていたのかもしれません……。
そして、再び迎えた8月22日。
今度こそは! と期待しましたが……やはり金縛りはやってきます。しかし、いつもの闇に引きずられるような恐怖ではなく「ともえ!」と呼ばれ、今まで見たことのない景色が目の前に広がりました。
もちろん投稿者のママの名前は「ともえ」さんではありません。
古いお墓だったため名前が消えてしまっていましたが、女の子の名前が「ともえ」だったのかもしれない……と、金縛りに合いながらも、どこか満ち溢れていく安堵感。
結局「トビタ」という男性が誰だったのか……。「トビタ」と「ともえ」の関係がなんだったのか……。なぜ妊娠を機に女の子の声が聴こえるようになったのか……。まだまだ謎は残ります。
しかし、長い間その存在に気づいてもらいたかった女の子の元へ訪れることができた投稿者のママは、これからもお墓参りを続けようと心に誓ったのでした。
投稿者のママからのこれ以上の投稿はなく、以降の8月22日が無事であったかどうかも分かりません。
どうか、投稿者のママの今夜の夢が素敵なものでありますよう、祈るばかりですね。