この家族のために死んでもいい」と思えた!離婚寸前の夫婦関係を修復した「メシ一番法」とは
長い夫婦生活、「もうこの夫とはやっていけない」と思うことは一度や二度ではないはず。それでもなんとかこじれた夫婦関係を修復したいと思う場合は、「メシ一番法」という作戦を実行してみてください、と話すのは「花まる学習会」代表の高濱先生。離婚寸前だった夫婦が劇的に改善したという「メシ一番法」、一体どんな作戦でしょうか。高濱先生にお話を伺いました。
ご飯を一番初めに出したら、男は裏切らない
「メシ一番法」という話を聞いたことはありますか? 70代の方ならよく知っているかもしれませんが、今子育て中のお母さんたちには馴染みのない言葉かもしれません。
このメシ一番法について、離婚寸前の夫婦が劇的に改善したことがあります。あるお母さんがお父さんに対してものすごくイライラして、別れる寸前だったそうです。そのとき僕は、そのお母さんに「メシ一番法」のことを話しました。するとそのお母さんはおばあちゃんもひいおばあちゃんも「結婚したらご飯だけ一番初めに出しなさい。そしたら男は裏切らないのよ」と言っていたことを思い出したそうです。
帰宅時間が遅いお父さんには「おかずを先に取り分ける」
このメシ一番法とは具体的にどのようなことをするかというと、お父さんに「ご飯を一番に出す」「おかずを一品多くする」など、家族の中でお父さんだけご飯の格が違う感じにしてあげることです。
これは家長制度のなごりです。家長制度があった時は、食事もお風呂も、なんでも父親から最初だったのです。なぜお父さんだけ特別扱いするかといえば、実権を握っている妻が「あなたが一番よ」ということで父親を持ち上げる。そうすることによってお父さんに家族を裏切らせないようにしていたわけです。
ただ、メシ一番といっていても「パパは子どもたちが寝てからしか帰ってこないんですけど」という家庭も多いでしょう。そんなとき、つい「家族の残り物」をそのまま出してしまうこともあるかもしれません。帰宅時間が遅い場合は、お父さんのおかずから先に取り分けておいてください。子どもがお父さんのおかずをよそう前に手をつけようとしたら「だめ、お父さんの分を取ってから」と、先にお父さんのおかずをお皿に盛り付けてラップをする。たったそれだけでいいのです。
「この家族のために死んでもいい」とまで思えた
お母さんは黙ってずっと「メシ一番法」をやり続けていたそうです。するとあるとき、お父さんが息子とお風呂に入っているときになにげなく「最近、お父さんのご飯のよそい方が変わったよね」と息子にいったそうです。そしたら子どもが「夕ご飯でしょ? 最近、お母さんは僕たちが触ろうとすると『ダメ! パパが一番』といって、最初にパパのを盛り付けてから、いただきますをするんだよ」といったそうです。お父さんはその瞬間「この家族のために死んでもいい」とさえ思ったそうです。
男性はその程度の生き物なんですよ(笑)。だから、ご飯くらい一番によそってあげればいいじゃないですか。夜ご飯を一番によそってあげるだけで、裏切らずにこの家族のために死んでもいいと思うんですから。
お金も時間もかからず「夫婦関係」がよくなる
これを読んでいるお母さん方の中には「なんであんなやつのために私がやってあげなきゃいけないの」という気持ちを持っている方もいるかもしれません。しかし、最初にごはんをよそうくらいタダですからね。お金もかからないし、時間だって30秒もかからないでしょ。たったそれだけで夫婦関係がよくなる可能性があるなら、試してみる価値はあると思いませんか?
取材、文・長瀬由利子 編集・北川麻耶