買い物はまとめ買い派?毎日行く派?家庭でできる食品ロス対策【朝ごふんコラム】
子どもの安心・安全について気を付けたほうが良いことを「朝5分」で家族で話し合う「朝ごふん」プロジェクト。今回話し合って欲しいテーマは、まだ食べられるにもかかわらず食材を捨ててしまう食品ロス。多くは企業や小売店などから出ていますが、傷んできたから、古くなったからと、冷蔵庫の食材を捨てる家庭内での食品ロスも見逃せません。消費生活アドバイザーの古谷由紀子先生に伺いました。
――まだ食べられるのに食材を捨ててしまう食品ロスが問題になっています。外食産業や食品メーカーが大量に廃棄しているというイメージがありますが、実は私たちの家庭からも多くの食品ロスが出ているんですよね。
古谷:そうなの。農林水産省の2014年度「食品ロス 統計調査・世帯調査」によれば、家庭内でのおもな食品ロス量は、1日1人あたりの食品ロス量は40.9グラム。食品別にみると野菜19.5グラム、果物7.3グラム、調理加工品4.2グラム……という内訳になっているの。1年間で計算すると、1人あたり食品ロス量は約15kgにもなる。この数字を見ても、野菜や果物など生鮮食品が無駄に廃棄されていることがわかるでしょ。食品をまとめ買いして安くあげたつもりが、実は使い切れず廃棄することが多いのよね。
食材はまとめ買いするよりも毎日使い切る分だけを買う方が無駄がない
――買い物は一週間分まとめて買った方がいいのか、毎日買った方がいいか、どっちですか?
古谷:毎日買った方がいいといわれているの。
――そうなんですか!? 一週間まとめ買いしたほうがいいかと思っていました。
古谷:一週間分買った方が経済的だと思われがちだけど、実際はそうでもないのよ。どういうことかというと、たとえば休日に野菜やお肉をまとめ買いするでしょ。買ったときは全部使い切ろうと思っているんだけど、途中で予定が変わったり、ホウレン草や小松菜など葉物野菜がしなびてしまったりということもある。
――買ってきてすぐに茹でて冷凍しておくとか、使い切ってしまえばいいんですけど、意外と手間に感じてあとに回してしまい、使い切れないということはありますね。
古谷:使い切れなくて傷んでしまった野菜や果物を廃棄すると、それが食品ロスにつながるの。それに生ものは買ってきて新鮮なうちに食べたほうがおいしいじゃない。
――毎日スーパーに行くと、余計にお金がかかる気がします。
古谷:それは安いからとついあれもこれもと買ってしまうからじゃないかしら。また家にあるものを忘れて買ってしまうこともあるわね。あらかじめ買う物を決めておいて、それ以上は翌日以降にする。仕事が忙しくて毎日行けない場合は、2、3日に1回でもいいの。必要な分だけこまめに買う方が食品ロスを減らすことにつながるのよ。
――仕事の都合でまとめ買いしかできないという場合は、週末に残った食材を使って料理を作るというのもいいですね。
古谷:そうね。週末は家族でホットプレートを出してお好み焼きを作ったり、鍋料理にしたりするのもいいわね。週末はママたちも疲れてるでしょ。調理するのが楽で、食材も使い切れる。子どもも喜ぶからおススメよ。
賞味期限の短いものから手に取ることで食品ロスを減らせる
古谷:もう1つ気をつけたいのが、スーパーで買い物をするときに、すぐに食べるものは賞味期限が近いものを選ぶこと。よくママたちは「できるだけ新鮮なものを選びたい」という思いから、賞味期限が1日でも長いものを探すでしょ。
――賞味期限が長い、後ろのほうの商品から取ってしまいますよね(笑)。
古谷:牛乳やお茶などのすぐに使い切ってしまうものは、陳列棚の手前にある賞味期限が近いものから取ることを心がけたいところね。
自分一人ががんばっても意味がないと思うママもいるかもしれないけど、一人ひとりの行動の積み重ねが、その店の食品ロスをなくすことにつながるの。これを機に、家庭で食品ロスについて話し合い、自分にはなにができるのかを話し合うといいわよ。
ママたち一人ひとりが意識することで変わってくる食品ロス。以下のチェックリストを見て、自分の行動を振り返ってみてね。
「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとってほしい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムでは、忙しい朝でも親子で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。ほかにも「エシカル」などの生活に役立つ記事は『朝ごふん』ページで読むことができます。ぜひご覧くださいね。