＜隠す義母｜16年目の記録＞会員限定エピソード：妻の亡きあと、新しい一歩【後日談：義父の気持ち】

かつて長男のヒロキは自慢の息子だった。けれど社会人になって引きこもるようになってしまった。妻はずっと「エネルギーを溜めているだけ」「ヒロキは自分で社会復帰するから」と唱えつづけていた。本当ならばすぐに医師の診察を受けさせたり公的機関に相談したりすべきだったと思うが、妻はそれを許さなかった。俺は次第に、妻の対応方法が正しいと思い込むようになった。しかし最終的に次男マサトの家族とは絶縁という結果を迎えたのだ。

妻は最後まで、ヒロキが自分で立ち上がることを信じていた。もっと俺が強く妻に言うことができていたら、何かが変わっていただろうか。家族だけで問題を抱え込まず、もっと早く第三者を頼ることができていたら……。
今さら後悔しても遅いかもしれないが、「これから」を変えることはできる。俺だってこの先の人生、それほど長くはないだろう。ヒロキが一人で生きていけるように、俺は藁にもすがる思いで支援窓口に電話をかけた。きっと妻もあの世で理解を示してくれるに違いない。

原案・ママスタ　脚本・渡辺多絵　作画・りますけ　編集・井伊テレ子